【続平均棍】
4/23(木)、またも母屋外壁に大きなガガンボがいるのを見つけた。接写してみると、立派なハルテーレ(平均棍)がある。(写真1)
(写真1)
このガガンボは体長が4cmもあるが、他の双翅目、たとえばハエではどうだろう。幸い玄関の外階段に黒い体長1cmほどのハエの死骸があったので、ティシューにくるんで仕事場に運んだ。
ところがこっちは脚が内側に曲がっていて、カメラの超接写機能を使っても、平均棍の有無が確認できない。後翅と翅はともかく、前肢、中肢は細くて、とてもハサミでは切断できない。
顕微解剖作業をするには、きわめて細くて、よく切れるシャープなナイフが必要である。昔は薄い鉄でできた両刃の剃刀の刃があり、まず二つに折り、ついで片刃を斜めに折ってナイフを自作していた。
そこで、大きなスーパーの薬局に行き探してもらったが、店員も見たことないという。「フェザーが作っていたはずだ」というと、やっと探し当ててくれた。10枚が小さなプラスチック箱に重ねて入っている。
戻って防錆(ぼうしゅう)紙にくるまっている刃を二つに折ったが、昔と違い今はステンレスでできているから、片刃にしても斜めに折れない。ペンチを使っても、曲がるだけでダメだ。
「これはハサミで切断するしかないな…」と思ったが、金属用のハサミの手持ちがない。スイスアーミー・ナイフのハサミは、虫の脚を切るなどの細かい作業には使えるが、刃角がシャープなので金属は切断できない。
ふと、もうひとつ、アメリカ製の「ゲルバー」という携帯工具セットがあるのを思い出した。折り畳み式のハサミを調べてみると、刃角が80度くらいあり、これなら切れそうだ。実際に切ってみると、ステンレスの剃刀の刃は薄くて軟らかく、紙のように簡単に切れた。(写真2)
(写真2)
この自作した剃刀ナイフが実によく切れる。2ジオプトリの拡大鏡をかけて、ハエの翅と脚をみるみる切断できた。片刃ナイフのコストは1枚21円で、タバコ1本の値段と変わらない。
虫体のホルダーには、ペーパークリップの針金を引き延ばしたものを消しゴムに差し込み、他の一端をペンチに付属したニッパーで斜めに切断して、虫の尻から突き刺している。これだとカメラでの撮影にもUSB顕微鏡での観察にも便利である。
こうやって調整した虫体を見ると、やはりハエにも立派な平均棍があった。(写真3)
(写真3)
スケール・ルーペで実測してみると、基部からの長さが2mm、末端の膨隆部が0.5mm(500μ)と小さなものだ。
こうやって今日の午後は、すっかりハエの観察にはまり込んでしまった。
USB顕微鏡ではこれまで反射光での観察しかしてこなかったが、フィルム・スライド用の「ライトボックス」を利用して、今度は透過光での観察にチャレンジしてみたいと思う。
4/23(木)、またも母屋外壁に大きなガガンボがいるのを見つけた。接写してみると、立派なハルテーレ(平均棍)がある。(写真1)
(写真1)
このガガンボは体長が4cmもあるが、他の双翅目、たとえばハエではどうだろう。幸い玄関の外階段に黒い体長1cmほどのハエの死骸があったので、ティシューにくるんで仕事場に運んだ。
ところがこっちは脚が内側に曲がっていて、カメラの超接写機能を使っても、平均棍の有無が確認できない。後翅と翅はともかく、前肢、中肢は細くて、とてもハサミでは切断できない。
顕微解剖作業をするには、きわめて細くて、よく切れるシャープなナイフが必要である。昔は薄い鉄でできた両刃の剃刀の刃があり、まず二つに折り、ついで片刃を斜めに折ってナイフを自作していた。
そこで、大きなスーパーの薬局に行き探してもらったが、店員も見たことないという。「フェザーが作っていたはずだ」というと、やっと探し当ててくれた。10枚が小さなプラスチック箱に重ねて入っている。
戻って防錆(ぼうしゅう)紙にくるまっている刃を二つに折ったが、昔と違い今はステンレスでできているから、片刃にしても斜めに折れない。ペンチを使っても、曲がるだけでダメだ。
「これはハサミで切断するしかないな…」と思ったが、金属用のハサミの手持ちがない。スイスアーミー・ナイフのハサミは、虫の脚を切るなどの細かい作業には使えるが、刃角がシャープなので金属は切断できない。
ふと、もうひとつ、アメリカ製の「ゲルバー」という携帯工具セットがあるのを思い出した。折り畳み式のハサミを調べてみると、刃角が80度くらいあり、これなら切れそうだ。実際に切ってみると、ステンレスの剃刀の刃は薄くて軟らかく、紙のように簡単に切れた。(写真2)
(写真2)
この自作した剃刀ナイフが実によく切れる。2ジオプトリの拡大鏡をかけて、ハエの翅と脚をみるみる切断できた。片刃ナイフのコストは1枚21円で、タバコ1本の値段と変わらない。
虫体のホルダーには、ペーパークリップの針金を引き延ばしたものを消しゴムに差し込み、他の一端をペンチに付属したニッパーで斜めに切断して、虫の尻から突き刺している。これだとカメラでの撮影にもUSB顕微鏡での観察にも便利である。
こうやって調整した虫体を見ると、やはりハエにも立派な平均棍があった。(写真3)
(写真3)
スケール・ルーペで実測してみると、基部からの長さが2mm、末端の膨隆部が0.5mm(500μ)と小さなものだ。
こうやって今日の午後は、すっかりハエの観察にはまり込んでしまった。
USB顕微鏡ではこれまで反射光での観察しかしてこなかったが、フィルム・スライド用の「ライトボックス」を利用して、今度は透過光での観察にチャレンジしてみたいと思う。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます