ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【科学者不正】難波先生より

2013-07-29 12:07:21 | 難波紘二先生
【科学者不正】東大の現職教授が逮捕された。
 http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/130726/crm13072616110014-n1.htm

<秋山容疑者が詐取した研究費は、厚生労働省の科学研究費補助金や国立長寿医療センターの委託研究費など、すべて公的資金が支給された研究事業だった。>
 この「国立長寿医療センター」は日本移植学会副理事長大島伸一氏(元名古屋大教授)が理事長をしている(いた?)ところだ。


<逮捕された同大政策ビジョン研究センター、秋山昌範容疑者(55)が、詐取金を親族が経営する会社に移していたことが26日、関係者への取材で分かった。>
 生命科学関係(特にiPSがらみ)や防災・津波予想関係には莫大な研究費が注がれている。
 これを不正領するには、①業者と結託し、架空領収書を書いてもらう、②親族にヴェンチャー企業をやらせ、「外注」にして支払うという形態を取ることが多い。後者は手が込んでいるから、簡単には不正を立証しにくい。


 広島県でも、広島大副学長が後者のケースをやっていたが、定年退職後、地検が捜査を始めると、雲隠れして関西方面に逃げた、というのがある。「◯◯プロジェクト」と称して広島県も何億円か何十億円かをつぎ込んだはずだ。


 日本の生命科学のお粗末なところは、1960年代、分子生物が花開いたときに、「分子生物学」の講座を理学部にも医学部にも作らなかったことだ。いま、生命科学は分子生物学を中心に、遺伝学、形質人類学、加齢医学、再生医学、生物・疾患分類学にまで広がり、巨大な領域となっている。しかし、本格的で質の優れた研究者は少ない。
 業績をあげ、次の研究費につなげるために、論文捏造が多発する。
 少数の研究者に多額の金が配分されるため、使い切れず私物化、横領が起きる。それも身内にベンチャーをやらせ、そこに廻すという巧妙な手口に変わってきた。「産学連携」が叫ばれ、公と私の区別があいまいになって来たためだ。


 モグラ叩きみたいな摘発を繰り返していても仕方がない。研究者不正が起きないように、抜本的な対策を立てるべきだ。
 前にも述べたが、
 1)データ操作、捏造などの倫理面について:「日本版ORI」を創設すること。
  不正発覚はカンニングと同じで、ネット上に氏名と不正内容、処分内容を公開すること。
  不正者には科学研究費応募資格を停止すること。
  だろう。これをやっても米国でさえ不正ゼロにはなっていない。


 2)研究費の不正使用には、刑法、公務員法などにより、厳罰をもって臨むこと。但し、現行予算の単年度会計制には、科学研究の性質上無理があり、会計年度に関しては、研究費支給年間に応じた変動制にすること。
 だろう。
 単年度会計制が、研究者に不正を誘発させるものであってはならない。
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