ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【訂正】難波先生より

2013-07-10 12:53:51 | 難波紘二先生
【訂正】
 1)7/4/2013のメルマガで、平岡諦『医師が「患者の人権を尊重する」のは時代遅れで、世界の非常識:日本の医の倫理の欠点、その歴史的背景』(ロハス・メディカル, 1500円)を紹介しました。


 平岡先生から「誤解がある」とメールでご指摘を受けました。患者の人権擁護と「第三者」の役割についてです。

 <医師・患者以外の第三者が「擁護する」活動に参加することが可能となる;この点で誤解があります。>
 ということなので、「第三者」についての平岡先生の説明を転記します。不十分な説明で申し訳ありませんでした。

 <第三者(国や製薬企業など)の意向が、医師を介して、医療に影響を与えることが多くなった(そして、患者の人権問題を起こすことが多くなった)ということです。…
 患者の人権を擁護するためには、まず個々の医師の「患者の人権を擁護する」という意志、行動が重要です。しかし、第三者の意向に立ち向かうためには、医師集団のバックアップが必要です。そのために、医師会の医の倫理を「患者の人権を擁護する」ことに変える必要があると考えています(これがWMAのprofessional autonomyの考えです)。>


 昔、日本医師会の武見太郎会長が「欲ばり村の村長さん」と自嘲したことがあります。1960年代に「国民皆保険制」が導入されてから、日本医師会は開業医中心の利益追求団体に変化しました。東大病理学の吉田富三教授が日本医師会長選に立候補したことがありますが、当時は勤務医数も少なく、美事に落選しました。
 今も、代議員による間接選挙制ですから、見識のある学術系の人物が日本医師会長に当選する見込みはありません。


 「日本医学会」を公益社団法人化して「医師全員加盟制の医師会」(診療報酬などの金の問題は扱わず、医の倫理、患者の権利擁護、医療レベルの向上と評価のみを扱う)を作るという案(新立法が必要)もありますが、これにもいろいろ問題があります。
 臨床の専門医制度が発足して、学会加盟、学会出席が点数評価されるため、開業医の加入が増え、知り合いの医師やMRに金を渡して「代返」を依頼し、「学会参加証」を入手するケースも増えているからです。(私も依頼されたことがあります。)


 今日「医学博士」は医師免許がない人でももらえるので、昔ほど「集客能力」がなく、代わりに「専門医」の資格が重視されるようになっています。お粗末な「腎移植専門医」が内視鏡手術で患者を死なせたのも、「専門医制をもたない学会は臨床医のやくに立たない」という風潮に迎合して、安易に専門医を作った学会に責任の一端があります。


 たいへん難しい問題ですが、引き続き先生と一緒に考えていきたいと思います。


2)青山淳平「小説・修復腎移植」の出版社を「本の森社」と書きましたが、正しくは「本の泉社」でした。訂正してお詫びいたします。
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