ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【反響とお答え 2】難波先生より

2018-07-05 08:29:17 | 難波紘二先生
新たに頂いたメールのいくつかを紹介したい。
そうしないと、とても数が多くて個別に応対できないのです。
NHKの池座さん、西先生、七夕の夜のEテレの試聴予定者は急速に増えていますよ。
喜んで下さい。

1)広島ペンクラブのある委員の方から、
<いつも鹿鳴荘便り有難うございます。
7月7日Eテレ楽しみに拝見させていただきます。
博学な先生の文章には、なかなか理解がむつかしいところですが・・・・
感動したり感心したりしています。
お体大切に益々のご活躍心から願っております。 OK子>

 OK子さんは広島ペンクラブの会員には今や残り少なくなった、
文学的才能がある方だ。

2)神奈川県の岡安光彦さんから。彼とはネットの「考古学掲示板」で知りあった。
学会発表の前日、東京で関係者が開いた「オフミ」でご本人とも会い、酒を酌み交わしたこともある。
今も民間の考古学者として現役の人だ。

岡安さんは「旧石器遺跡捏造」事件の時、私に勧めて「日本考古学協会の総会」で演題を発表できるように手はずを整えてくれた人だ。(非会員でも正会員2名の推薦があれば発表できると教えてくれ、小諸の民間考古学会社の経営者故角張淳一さんと共同発表者になってくれた。)いわば恩人である。
 私の戦法は薩摩の示現流と同じで、一発で急所を衝き、相手のとどめを刺す。二の太刀はない。
 この発表を行ったことで、日本の古い旧石器考古学は崩壊したと言ってよいだろう。

<名古屋の古代寺院の発掘、その報告書を作成するための三ヶ月の大阪滞在を経て、神奈川に帰ってきたところで、先生からのメルマガ(予告編)を拝受、拝読いたしました。
「色のない島へ:脳神経科医のミクロネシア探訪記」の文庫版が今日届きました。(★引用者注:この本の文庫本が出たとは!)
太平洋型 長弓(longbow)を太平洋に広めたオーストロネシア語族に対する興味との関わりで、注文した次第です。

 2007年に、チリでコロンブス以前のニワトリ(東南アジア起源)の骨が見つかったという論文が発表されて以来、太平洋考古学と南米考古学では、先史ポリネシア人と南米先住民の接触が極めて激しいディベートの対象になっておりますが、日本考古学ではまったくそうした議論が知られておりません。

 というわけで、太平洋型の長弓と南米のlongbowとが縁戚関係あるという指摘は、そうした議論に一石を投じることになるわけですが、背景をしらない日本の「考古学者」に理解してもらえる論文を書くのに四苦八苦している現在です。

気候変動の今日このごろ、ご自愛ください!>

 どうやら「世界の常識、日本の非常識」というのは、決して「修復腎移植」の話に留まらないように思えてきた。
 ポリネシアと同じ文化が南米の太平洋側にあることは、古くから知られていた。
 考古学者のトール・ヘイエルダールは それを実証しようと葦船「コン・ティキ号」で南米からポリネシアまで太平洋を渡る実証実験を行った。彼は「進んだ南米から文化がポリネシアに伝わった」という偏見を持っていた。

 ★ヘイエルダール,トール(水口志計夫)「コン・ティキ号探検記(世界ノンフィクション全集1) 筑摩書房 1960/4)
がそれだ。
 しかし彼はアウトリッガー・カヌーで、オーストロネシア語を話す人たちが、西から東太平洋を渡った可能性をまったく考慮していなかった。それを指摘したのが、カリフォルニア大サンフランシスコ校の生理学者ジャレド・ダイアモンド「銃・病原体・鉄」である。移植外科のバーバラ・アッシャー教授の同僚だ。
 アッシャー教授が「修復腎移植」を支持していることは前に書いた。

 ついでに言えば、アンデスのミイラからATLL(成人T細胞白血病・悪性リンパ腫)のウイルス(HTLV-1)が見つかっています。
 これは日本では西南日本(薩摩・南西諸島など)や本州の離島などとアイヌに多いウイルスです。

 南米の長弓はアラスカ経由で人が移動したか、やはりカヌーで渡ったとしか考えられない。

 重要なのは この病気は人の寿命が40歳を超えなければ発症しないので、例えウイルス陽性であったとしても、この病気の患者がいたとはいえないことです。
 今の遺伝子診断はPCR法というDNA増幅法をもちいるので、非常に鋭敏です。
 岡安さん、最新の情報をありがとうございました。

私の方は、環境は 書斎の北側窓の正午の外気温が23度、湿度が60%と快適です。
後は肩の力をぬいて、無心にキーボードを叩けば症状は改善するはずです。
 

3) 大阪府にお住まいの豊田先生から、「歯科医師養成過剰」についてレポートを頂いたが、そのとおりだと思いました。
ただこれは難しい問題なので、すぐにはお答えできません。

<医師増員に対する愚かな政策の例として、歯科医師の例を是非取り上げてくださ
い。
 文科省・厚労省、合わせて歯科医師会の見通しのない歯科大学の増設と歯科
医師増員の結果が、今の乱立する歯科医院と一変して参入歯科医師の削減を主張
する歯科医師会の圧力での(歯科大学の入学者を絞ることない)国家試験合格者
の縛りこみです。
 国家試験はこの十年近く合格率70%(約2000人/2700人)です。
多くの歯科大学では6年生の卒業生を絞ることによる現役合格率の向上を図りま
す。
 私の務めていた私立歯科大学で文科省の覚えよろしく(事務部門の幹部とし
て多くの天下りを受け入れています)、現役の合格率こそ上位に位置しています
が、入学してすんなり合格する学生は40%程度です。

 国試浪人で合格できる年限は2年程度が限界、多くの若者が30歳代半ばで歯科大学卒業、または中退という
何の役に立たない経歴で人生を一からやり直すことになっています。悲劇以外の
何物でもありません。

人の生命に余計直結する医師養成は先を見越した、たった10年、15年で良いのです、政策立案がなされるべきと思います。>


確かに「駅前歯科」とか「門前歯科」という現象は昔はなかったことは事実です。
私は医学生のころ「広大医学部新聞」の編集をやっており、新しくできることになった「広大歯学部」の
初代学部長を取材したことがあります。だから歯学部のことはよく知っています。
2代目以後におきた、歯学部のスキャンダルについても承知しています。

初代は大阪大学歯学部出身で、「チャタレー夫人の恋人」の回収前の本を持っていると、話してくれました。
なかなか人格者で、味のある人でした。

医学部を含めて、今の医歯薬の教授には「ゆとり」のある人が少なくなりました。
仕事柄、無理はないとは思いますが…


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