ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【医療費】難波先生より

2013-11-18 12:28:39 | Weblog
【医療費】11/14「読売」が糖尿病性腎不全患者を減らす呉市の試みを「呉モデル」として報じている。http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20131114-OYO1T00609.htm


<(呉)市内の全人口23万9000人のうち65歳以上が7万2000人で、高齢化率が30・1%と、人口15万人以上の都市で高齢化率が最も高い。1人あたりの医療費(2011年度)も年間約40万8000円と全国平均(30万9000円)の1・34倍。特に人工透析には医療費が年500万~600万円かかり、自己負担分(年12万円程度)を除く、市の国民健康保険の負担が大きい。

 このため、市は11年度から、糖尿病などの在宅患者に看護師を派遣し、食事の改善や運動方法などを指導。今年3月末までに約190人の症状の改善に成功し、今回の取り組みに広げることにした。

 全国で増え続ける人工透析患者のうち、糖尿病が原因の糖尿病性腎症の患者は約4割を占める。糖尿病の患者は890万人(07年)で、25年度には1500万人になると推計されている。厚労省は500万人抑制に向け対策に力を入れており、呉市の取り組みを全国の自治体などに参考にさせたい考えだ。>


 11/15「産経」報道によると、2011年度の国民医療費総額が約38兆6000億円に達したという。国民1人あたり(税負担者ではない)負担額は年間約30万2000円だという。
 医療費のうち65歳以上の人が全体の56%を使い、75歳以上が34%を(全体の3分の1)を使っているという。75歳以上の「後期高齢者」が人数の割に、いかに多くの医療費を使っているかということだ。


 「読売」記事によれば、12年度末で全国の透析患者数は31万人強だという。1人平均550万円として約1兆7000億円の医療費がかかっている。糖尿病の増加に歯止めがかからないかぎり、糖尿病関連の腎不全、動脈硬化、下肢血流不全、心筋硬塞、網膜症、脳梗塞などにより、医療費はとめどもなく増加し、やがて「医療保険制度」自体の破綻・崩壊をもたらすに違いない。


 2012年度の「一般会計予算額」は90兆3000億円で、うち税収が46兆円、残りが借金(公債)で、公債依存度は50%近くに達する。国家は破綻寸前だ。


 田中秀明「日本の財政」(中公新書)を読んだが、なんでこんなひどいことになったかさっぱり理解できない。
 「現代用語の基礎知識 2013」で、「プライマリー・バランス」の項を読んだら、「赤字」の計算法が個人や一般法人の場合と全然違う。一般には「収入額ー支出額」がマイナスなら「赤字」といい、プラスなら「黒字」という。プライマリーバランスとは、収入と支出を均衡させることだ。



 ところが、財務省が採用している計算式では、プライマリーバランスは、
 (歳出 ー 公債の元利支払い額)ー 税収
 となっている。これは普通の個人や法人の考え方とは逆になっており、歳出や借金が増えれば増えるほど、見かけ上は「黒字」になるようになっている。
 つまり「まず支出ありき」という計算式だから、「税収が足りなければ国債で補えばよい」という発想に陥る。危険な方程式だ。
 しかも、個人ならローンの元利支払い分は、「支出」として扱うが、国家ではこれを支出から差し引いて、正味の「消費的支出」だけを問題にしている。
 これでは役人や政治家の感覚が狂うのは当たり前だろう。


 山田真哉「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」(光文社新書)という「会計学入門書」でも、ちゃんと読んでもらいたいものだ。


 戦前の国家財政が、多額の国債を発行し、国債を紙切れにする悪性インフレを起こすしかなかったのに懲りて、1947年に「財政法」が制定され、国債の発行が禁止された。
 「財政法」第4条にはこうある。
 「歳出財源の制限=国の歳出は、公債または借入金以外の歳入をもって、その財源としなければならない。」
 第5条にはこうある。
 「公債発行及び借入れの制限=すべて、公債の発行については、日本銀行にこれを引き受けさせ、また、日本銀行からこれを借り入れてはならない。」


 にもかかわらず、時限立法で「特例公債発行法」を成立させ、財政法の効力を停止して毎年、赤字国債の発行を続けている。


 国債発行残高は2013年春に1000兆円になり、今年度中に1100兆円に達するだろう。昨年、塩じいが「太平洋戦争末期の財政状況と同じやというたら、ちっとはぞっとしてもらえますかな」と「文藝春秋」で発言していたが、十分にぞっとする。


 ミクロ的には「修復腎移植」を推進して、透析医療費を減らすことが必要だが、より広くは糖尿病の予防を徹底することが大切だ。
 だが、マクロ的にはプライマリーバランスの計算式を変え、「収入に応じた支出」をすること、財政の赤字が一般国民にもすぐにわかるような、数値と説明をメディアが報じることが重要だろう。


 ひょっとして審議中の「特定秘密保護法」というのは、東電の福島原発や財務省にとって、都合の悪いことを隠すための法案ではないかという気がする。「◯◯の恐れがある」という理由でよいのなら、アロンアルファみたいに何にでもくっつけられる。
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