ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【新潮社vs新聞社】難波先生より

2016-02-22 13:09:02 | 難波紘二先生
【新潮社vs新聞社】
 2/18「産経」の社会面記事に「前橋スナック乱射事件、死刑囚<他の人物も殺害>、警視庁に文書」という見出しのものがあった。住吉会系暴力団組長で、上記事件で死刑確定判決を受けた男が国会に証人喚問されたこともある政界のフィクサーを殺したという文書を警視庁に送った、というもの。
 同紙の雑誌広告「週刊新潮」2/25号(「創刊60周年記念特別号」)に、「永田町の黒幕を埋めた<死刑囚>の告白:第1回」という記事があり、明らかに本紙がこれと連動しているのが面白い。
 別の面には「新潮45」3月号の広告もあり、「特集:どの面さげて」の第一に、
小畑峰太郎「手記より先に実験ノートを出せ、小保方晴子」という論評タイトルが眼に飛び込んできた。小保方については兵庫県警が、任意で事情聴取をしたという報道もある。
http://www.sankei.com/affairs/news/160218/afr1602180002-n1.html
 「産経」は2014年2月に「STAP細胞、再現実験成功」という虚報を流しただけに、新たな報道には名誉挽回の確度の高い報道を望みたい。
 「新潮45」は明日の金曜日にならないと広島県では入手できない。買うつもりだが(あれだけSTAP問題では協力したので、編集部で小畑グループの菅沼さんあたりが、事前送付してくれてもよさそうなものを、と思う。
 「小保方の実験ノート」だが、彼女は「手記」では3箇所でこれに触れている。
実験ノート 2冊のー      164
実験ノート アメリカのー 164
実験ノート 理由補充書と- 176-77
人名及び事項索引を作成して、同書を解析したので、すぐにわかる。2014/2に「捏造」の指摘を受けて理研が立ち上げた「調査委員会」調査報告が4/1に行われ、小保方が提出した2冊の「実験ノート」の内容が公表され、日本分子生物学会副理事長で、九大の中山敬一教授が「落書きのレベル」と酷評した稚拙な絵と文字からなるノートだ。

「小保方手記」では「たまたま所持していた2冊の実験ノートが回収されていった」としている。つまり「アメリカの実験」は別ノートだし、他にも実験ノートがある、という意味だ。
 ここで過去の事例を踏まえた議論をすると、細胞株など特許が絡むような「モノ」の海外持ち出しには制限がある。かつてハーバードだったかどこかから、細胞株を持ち出そうとして日本人医師留学生がFBIに逮捕された事件がある。
 他方で実験ノートの方は、論文が仕上がった後は同じ仕事を引き継ぐ人がいない場合、処分は研究者の自由である。米留学中の私の「実験・観察・仮説・思考」ノートは、もともと日本語で書かれており、他の誰も読めない、しろものであり、ボスの許可を得て日本に持ち帰った。いまも、書棚の隅にある。作成したスライド標本とそのラベル番号がラボ共通の識別番号とどう対応するかのリストを、代わりに残して置いた。
 小保方が「スフェア細胞」を持ち帰ることは許されなかったが、実験ノートは(もし実際にあったとして)、持ち帰りに問題はなかったはずである。
 また疑惑の渦中にあった「理研調査委員会」は小保方の実験ノートについて「これがすべてか?」と確認して提出を求めたと考えるのが合理的だろう。あれだけ熱心に調査委員会は動いたのに「たまたま所持していた2冊の実験ノート」だと言い張ることは、調査委員会にウソをいい、業務妨害をしたことになるだろう。

 私の調べた限りでは、小保方晴子の場合、すでに高校時代から問題行動があったと思う。
 「すべり止め高校に合格」の話から、高校時代の小保方晴子について(生物学履修の有無についても)小畑氏とその取材チームが詳しく報じてくれることを期待したい。

<2/19付記=高屋SCに買物に行き、ついでに「新潮45」と「週刊新潮」2/25号を買った。スタンドの灯油は55円/Lに値下がりしていて、20Lポリタンク満タンで1,100円だった。
 さて戻って「新潮45」の小畑峰太郎「手記より先に実験ノートを出せ:若山氏を悪役に仕立てて血祭りに。でもこれ本当に貴方が書いているの?」という記事を読んだ。内容は「小保方手記」を読んでの感想であり、新事実はまったく述べられていない。
 ただ、「まさかいくらなんでもこの期に及んでゴーストライターの手を借りたとは考えにくい。が、ぞれにしてもこの業界にはわんさか生息しているゴーストライター・タッチの、内容空疎な美文調。その俗臭が鼻を衝く。」
という表現を見ると、この世界ではそういう仕事を生業としている人も多いのだな…と思った。
 「味噌汁で顔を洗って出直してこい」とか、「これはもう小保方という病理と言うほかありそうにない。妄想の霧の中を生きる女、小保方晴子」、「貴方は、病気なのだ。家に帰って、ゆっくりお休みなさい。」という表現などに、執筆者の独特の個性を認めるが、「印象批評」であるという感じは否めない。
 AMAZONのレビューに英文学者で文芸評論家の小谷野敦が、
「小保方さんに詫びる:投稿者小谷野敦2016年2月9日
 まことに戦慄すべき内容である。私は当時、女性誌の求めに応じて小保方さんに悪意あるコメントを寄せたことがあり、ここで詫びる。
 学界というのは厄介な世界で、とにかく恩師には逆らえないのである。だから小保方さんも当時は本当のことが言えず、学界と縁を切る覚悟をしてこれを書いたのである。
 STAP細胞があるのかないのかは私には判定できないが、ここに描かれた若山照彦の行動は明らかに異常とも言うべきもので、そりゃ本当のことを書かれたら若山は沈黙を守るしかあるまい。NHK,週刊誌、新聞などがこぞって小保方さんを悪者に仕立て上げていくさまはまことに恐ろしい。」
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/4062200120/ref=cm_cr_pr_btm_link_4?ie=UTF8&showViewpoints=1&sortBy=helpful&pageNumber=4

 と書き込んでいる。

 小畑チームには、今回の私の指摘をも参考に、小保方晴子が人格形成をしたはずの高校時代から早稲田受験までに絞って、調査報道の続報を期待したい。
 それまでに兵庫県警の捜査が急展開すれば、別の一件落着があるかもしれないが…。>

 M紙の2/18朝刊1面トップ記事には目を疑った。何と「大学紀要」に掲載予定の山形大准教授の論文内容が、記事になっている。専門家のコメントもないし、他の面での補充記事もない。まともな大学なら「大学紀要」論文を業績としてカウントしない。「貧困子育て世帯、20年で倍」という内容に踊らされたのだろうが、編集局の機能はどうなっているのかと思う。
 政府統計による相対貧困率(平均所得の半分未満の所得層)が12.8%、「子供の貧困率」(17歳以下の子供がいる世帯の内、所得が生活保護水準以下)が13.8%というのは、数値の直接比較に無理があるが、概数としては差がないことを意味する。
 これが何で一面トップ記事なるのか?さっぱりわからん。

 9面にある「フランスが新法を成立させ、スーパーの売れ残り商品を廃棄するのを禁じ、慈善団体に寄付するのを義務づけた」という記事は、大変興味深かった。この「パリ・賀有勇」記事をなんで一面に置かなかったのだろう?
 フランスではこれで年間700万トンの廃棄食糧が有効利用されるという。老人ホームなど、コスト削減で助かるだろう。日本では約640万トンが廃棄されているという。考えなければいけない問題だ。
 藤田孝典「下流老人」(朝日選書)では「下流老人」を<生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者>と定義している。具体例では「日に一度しか食事をとれず、スーパーで見切り品の惣菜だけを持ってレジに並ぶ老人」をあげている。その数は推定で全国に600〜700万人という。私もスーパーでそれらしい老人を見かけることがある。
 M紙は「小説・新聞販売局」のモデルになっている新聞だ。当地の販売店によると、購読者は私を含めて全町で5部だそうだ。「日経」は英紙FT(フィナンシャル・タイムズ)を買収して紙面の質が抜群に向上した。ゼロ金利導入後、金融機関だけでなく、総じて企業のM&Aが進行するだろう。M紙にも心してもらいたいものだ。
<2/20付記=2/20「M紙」のコラムが「18日の国際面によると」として、フランスの「パリ・賀有勇」記事を取り上げていて驚いた。知人の記者に同趣旨の内容をメールで送っておいたからだ。編集委員にまで転送されたかどうかは知らないが、私が言いたかったことはコラムに書かれている。>
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3 コメント

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Unknown (Unknown)
2016-02-23 14:35:13
もうSTAPのことは書かないんじゃなかったんですか?(笑)

見苦しい。
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Unknown (Unknown)
2016-02-23 15:58:56
継続して処罰感情を煽らないと。誰か知らんが、ESの窃盗犯は逮捕すべき。
返信する
Unknown (Mr.S)
2016-02-24 03:45:18
SMAPの解散商法にはまんまと騙されましたね。
きっとAKB48の卒業商法に真似たんだろうな。
今のアイドルは団体で動くから個人個人の負担は軽いだろうけど、かつてのスター誕生前後のアイドルは個人で勝負だったから大変だったろうな。
今になって松田聖子とか河合奈保子とか、南沙織が好きになってきたよ。彼女らは歌唱力も物凄くあるし。
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