ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【RESから】)尾道市民病院の騒動について/難波先生より

2013-06-03 12:59:55 | 難波紘二先生
尾道市民病院の騒動:について前回のメルマガで観測を書いた。5/30「中国」が、尾道市長が市の病院事業局病院管理部長、尾道市民病院宮田明院長と事務長の合計4名で岡山大病院に槇野博史病院長を訪ね、約20分面談し「青山興司市病院事業管理者」を罷免した事情を釈明し、あわせて「引き続き医師派遣について協力をお願いしたい」と要請したことを報じている。席には吉野正医学部長も同席したという。



 尾道市長もこの記事を書いた記者もわかっていないな、と思うのは医学部は昔の医学部ではない。「大学院重点化」の結果、大学はどこでも教官の本籍は「大学院研究科」に移った。学部の授業は「兼担」である。広島大では「医歯薬研究科」の科長が指定職で管理職手当が出るが、「医学部長」はもう指定職ではない。予算の支給及び決算も研究科が単位となっている。


 大学医局も昔日の医局ではない。厚労省「新研修医制度」の導入以来、臨床研修プログラムが充実し、待遇のよい公的病院に研修医が殺到し、大学病院は閑古鳥が鳴いている。先日広大病院眼科を家内が受診した際同行し、あまりに女医の態度が悪く無知なので、後で名簿を調べたら私立医大卒の大学院生だった。それほど人材が不足している。他方、診療が充実している名古屋第一日赤など、研修医の応募が多く、しかも前期3年、後期2年の全過程を終えたい医師が多く、来年度は募集を打ち切ろうかという話まで出ているという。


 つまり昔の大学に頭を下げて医師を派遣してもらい、見返りに医局に金を払うという「芸者置屋」制度は崩壊している。研修プログラムを充実し、待遇をよくし、その魅力により病院が自由に自己責任において、優秀な医師を集める、アメリカと同じような自由競争の時代に入っているのだ。その先頭に立つべきものが病院長であり、相談相手になるべき人が「病院事業管理者」である。


 青山医師は意欲的にそれを実践しようとしたが、いかんせん敵は内部にあった。「私は患者さんと尾道市民のために、病院を改革しようと全力を尽くしていたのに…」と無念がっているそうだ。
 私のメルマガを青山氏に見せ、話を聞いた人があって、そのTELにより、より詳しい内部事情がわかった。私の記事内容を青山氏は全面肯定したそうだ。
 「みつぎ綜合病院」の山口昇氏は健在だが、今回の罷免問題では発言しなかったそうだ。
 青山医師は、「金の続くかぎり、裁判で徹底的に闘う」と意気軒昂だそうだ。尾道市は契約不履行なのだから、相応の違約金と慰謝料を支払わないと、裁判になれば負けるだろう。


 岡大病院の槇野博史医師は第三内科の教授で、岡山大昭和50年卒で、尾道市民病院院長宮田明医師の一級下になる。宮田氏は第二内科の出身で、ここは血液が専門だ。槇野教授の専門は腎臓病。「日本腎臓学会」の理事長で2012年2月、日本移植学会など五学会が「修復腎移植反対」の共同声明を厚労大臣に提出して、「先進医療認可」を妨害した際、理事長として名を連ねている。


 吉野正君にはこの前、京都の学会で会い、「学内行政などにエネルギーを注入し、学問がおろそかにならないように」と忠告したばかりだ。彼のところでは、広島日赤の技師をしていたSさんが、広大の夜間部を卒業、岡大の歯学部に入学、歯科医師となって病理の大学院に入学。いまや優秀な血液病理学者となっている。歯科医師出身で血液病理をやっている人は、東北大の一迫玲教授がほかにいるだけだ。


 渡部という記者も、腰巾着みたいな報道記事を書かないで、きちん取材・調査し、読ませる記事を書いてもらいたいものだ。
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