【鎮魂歌】難波先生より

【鎮魂歌】
「The Book of Lists」の中に、「20人の有名な高校ドロップアウト」というリストを見つけたので簡単に紹介したい。
1. ハリー・ベラフォンテ（米国の歌手）
2. シェール（米国の歌手・女性コメディアン）
3. マリー・ベーカー・エディ（米、クリスチャン・サイエンスの創立者）
4. ヘンリー・フォード（自動車工場設立者）
5. ジョージ・ガーシュイン（米国の作曲家）
6. D.W.グリフィス（米国の映画製作者）
7. アドルフ・ヒトラー（ドイツ第三帝国総統）
8. ジャック・ロンドン（米、作家）
9. ディーン・マーティン（米、映画俳優・歌手）
10.ビル・モールドリン（米、漫画家）
11.ロッド・マッキュン（米、詩人）
12.スティーブ・マックィーン（米、映画俳優）
13.アメデオ・モジリアーニ（イタリアの画家、建築家）
14.アル・パチーノ（米、映画俳優）
15.ウィル・ロジャース（米・漫談家）
16.ウィリアム・サローヤン（米・作家）
17.フランク・シナトラ（米・歌手、映画俳優）
18.チトー将軍（ユーゴスラビア首相）
19.オリヴァー・ライト（米、飛行機開発者）
20.ウィルバー・ライト（同）

　こうしてみると、重要なのは学歴じゃないね。人生の基本は独学だと思う。持続する好奇心がなければ、価値ある仕事は達成できない。進路指導教師なんかクソ喰らえだ。自殺した少年Ａにもし会えていたら、「君、これだけ有名な人なのに、みんな最終学歴が中卒なんだよ」とそう伝えたかった。A君に鎮魂歌としてこのリストを捧げたい。
　サン・テクジュペリが「人間の土地」で述べているが、戦乱の欧州では多くの子供が、丁度今のシリア難民の場合のように、犠牲になった。その子供たちの死をテクジュペリは「虐殺されたモーツアルト」と形容している。あの子供たちの中に「モーツアルト」が何人いたか誰にも分からないのだ。
　3/24(木)の「毎日」は第一社会面にＡ君の両親の「手記」を掲載した。この石川将来記者は人数の少ない広島支局でよく頑張って報道してきたと思う。
　両親は、「わが子を学校に任せていたことを悔やむ」と述べている。
「同級生を動揺させたくないから高校入試が終わるまで死因は伏せて欲しいが、進路指導の事案については保護者に説明してほしい」、「保護者説明会は（高校入試が終わる）３月８日に実行してほしいと願ったが、７日の夜に教育委員会が記者会見したことで、入試をあと１日残して情報が広まるという最悪の展開になった」
と学校と教育委員会へのつよい不信感を表明している。Ａ少年が私立高校を選んだのは、「大学進学の目標があり、行きたい大学への進学が可能か」ということを考えていたからだという。「数学が得意で、英語にも関心があり、IT関係の仕事に興味を持っていた」ともある。
　やはりこれは「車輪の下」のハンス・ギーベンラートであり、テクジュペリ「人間の土地」の「虐殺されたモーツアルト」だな。早急に公平な「第三者委員会」を立ち上げ、徹底的な調査と検証をすることが必要だ。