先日酒の素地感なる概念について言及しましたが、それとともに意識するようになった点の一つに熟成感があります。常温、定温、生でそれぞれ熟成感の違いがあることにも気付いてきました。この酒についていえば、西日本発祥の軟質米に由来する甘美で広がりのある素地感と、常温で熟成させた燗酒向けの熟成感が特徴です。それに加えて気付いたのは、先日紹介した「諏訪泉」と同様の、チョコレート、あるいはカカオを連想させる甘さとほろ苦さでした。数字の上では超辛口といってもよい、10を超す日本酒度にもかかわらず、辛さというよりほろ苦さと奥の深さを感じさせるのは、軟質米の効用でしょうか。その持ち味が熱めの燗では一本調子になりやすいため、ごく温めの燗が好適です。
★玉櫻 生酛純米 改良雄町70
玉櫻酒造(島根県邑南町)
日本酒度 +11.5
酸度 1.8
アミノ酸度 1.7
アルコール分 15度
酵母 蔵付
杜氏 櫻尾尚平
島根県松江市 いたもと酒店にて購入
★玉櫻 生酛純米 改良雄町70
玉櫻酒造(島根県邑南町)
日本酒度 +11.5
酸度 1.8
アミノ酸度 1.7
アルコール分 15度
酵母 蔵付
杜氏 櫻尾尚平
島根県松江市 いたもと酒店にて購入