初日に泊まった松江では、ただでさえ早い店仕舞いがさらに早まり、九時を前に持ち駒が尽きるという経験をしました。その点熊本には「瓢六」という深夜まで入れる心強い店があります。しかし、あまりに心強いと無駄な安心感がつきまといます。今回は危うく足をすくわれるところでした。
熊本に着いて投宿したのが九時過ぎです。「分家無邪気」を出てから二時間ほどしか経っておらず、当然腹も十分にはこなれていません。二時半という「瓢六」の看板を考えると、最長ではさらに四時間待っても間に合います。さすがにそこまで引き延ばしはしないにしても、日付が変わる頃まで待ち、腹具合を万全にしてから入るという手は考えられるところでした。しかし、手持ち無沙汰で待つよりはと考え、十時が迫ったところで出直すと、店先に0時で早仕舞いするとの張り紙が。元々定休日のところ、連休の場合に限って営業する日曜です。早仕舞いもおそらくそのためなのでしょう。よくよく考えれば十分あり得る事態とはいえ、不覚ながらも全く予想していませんでした。これ以上遅ければ時間が足りず、場合によっては断られたかもしれません。日付が変わってから何も知らずに乗り込んで、明かりの消えた店を前に立ち尽くしていた可能性もあります。結果としては紙一重でした。
そうなる危険性がありながらも遅い時間を狙ったのは、前回の経験によるところが少なくありません。隣の二人組が騒がしくて閉口したからです。九時や十時あたりでは、またその手の輩に出くわしはしないかと警戒したのでした。しかし、天文館でも前夜までとは人出が全く違いました。熊本も例外ではなかったらしく、カウンターには先客皆無。小上がりの先客も次々帰って一組だけとなりました。その後もう一組だけ入ったものの、カウンターは最後まで貸切でした。
もちろん、酒場には適度な賑わいも必要であり、静かでありさえすればよいというものでもありません。完全な貸切ならば、かえって落ち着かなかったでしょう。その点今夜の入りは絶妙でした。鹿児島弁とは全く違う、しかし博多弁ともやや違う、独特な熊本弁が旅情を誘います。十分な間合いを置いたのが奏功し、腹具合についても万全です。本来なら禁じ手のもう一品、もう一杯をあえていただき、心ゆくまで満喫して辞去しました。一軒目の借りを見事に返す完全勝利です。
★瓢六
熊本市花畑町13-23 花畑ビル1F
096-354-7558
1700PM-230AM
日曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
瑞鷹・千代の園
突き出し(鯛皮といかの和え物)
おでん三品
馬塩焼
人文字ぐるぐる
魚味噌汁
熊本に着いて投宿したのが九時過ぎです。「分家無邪気」を出てから二時間ほどしか経っておらず、当然腹も十分にはこなれていません。二時半という「瓢六」の看板を考えると、最長ではさらに四時間待っても間に合います。さすがにそこまで引き延ばしはしないにしても、日付が変わる頃まで待ち、腹具合を万全にしてから入るという手は考えられるところでした。しかし、手持ち無沙汰で待つよりはと考え、十時が迫ったところで出直すと、店先に0時で早仕舞いするとの張り紙が。元々定休日のところ、連休の場合に限って営業する日曜です。早仕舞いもおそらくそのためなのでしょう。よくよく考えれば十分あり得る事態とはいえ、不覚ながらも全く予想していませんでした。これ以上遅ければ時間が足りず、場合によっては断られたかもしれません。日付が変わってから何も知らずに乗り込んで、明かりの消えた店を前に立ち尽くしていた可能性もあります。結果としては紙一重でした。
そうなる危険性がありながらも遅い時間を狙ったのは、前回の経験によるところが少なくありません。隣の二人組が騒がしくて閉口したからです。九時や十時あたりでは、またその手の輩に出くわしはしないかと警戒したのでした。しかし、天文館でも前夜までとは人出が全く違いました。熊本も例外ではなかったらしく、カウンターには先客皆無。小上がりの先客も次々帰って一組だけとなりました。その後もう一組だけ入ったものの、カウンターは最後まで貸切でした。
もちろん、酒場には適度な賑わいも必要であり、静かでありさえすればよいというものでもありません。完全な貸切ならば、かえって落ち着かなかったでしょう。その点今夜の入りは絶妙でした。鹿児島弁とは全く違う、しかし博多弁ともやや違う、独特な熊本弁が旅情を誘います。十分な間合いを置いたのが奏功し、腹具合についても万全です。本来なら禁じ手のもう一品、もう一杯をあえていただき、心ゆくまで満喫して辞去しました。一軒目の借りを見事に返す完全勝利です。
★瓢六
熊本市花畑町13-23 花畑ビル1F
096-354-7558
1700PM-230AM
日曜定休(祝日の場合営業し翌日休業)
瑞鷹・千代の園
突き出し(鯛皮といかの和え物)
おでん三品
馬塩焼
人文字ぐるぐる
魚味噌汁