日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

九州沖縄縦断ツアー 2017 - ホテルタイラ

2017-10-23 08:00:34 | 沖縄
那覇で不動の定宿となってきたのはロコイン沖縄ですが、その決め手の一つとなっていた無料の駐車場が有料化されたことに伴い、かつてほどの圧倒的な優位性は失われ、無条件に連泊するのもためらわれました。代わりになりうる宿はないかと模索の末に選んだのが、昨晩世話になったホテルタイラです。
宿に極力金をかけないという基本方針からして、料金を重視するのは当然ですが、安ければ安いほどよいというものでもありません。同じ料金でも、安かろう悪かろうのところと、料金以上に満足できるところはあり、泊まるなら後者を選ぶに越したことはないわけです。去年世話になったサン・コーラルの場合、もともと安普請の建物が年代以上にくたびれて見え、値段なりの割り切りは必要でした。その結果、さらなる選択肢を模索の末、この宿にたどり着いた次第です。

場所はロコインと同じ松山、それも最も賑わう交差点に面しており、あそこに宿があったのかと初めは思いました。何度も通っているにもかかわらず気付かなかったのは、大勢の客引きがたむろする最も猥雑な一角だけに、脇目も振らず通り抜けていたからかもしれません。しかし、宿はもちろん怪しげなものではなく、「沖縄で最も古いビジネスホテル」を謳う、創業42年の老舗です。
居酒屋が古いことは信用の証だと教祖はいいますが、その理はこの宿にも当てはまるような気がします。古さを感じる佇まいではありますが、館内は必要に応じて改装されており、だからといって無闇に替えないという姿勢に好感が持てます。たとえば壁紙は張り替えられ、机も交換されているものの、その机には空調、ラジオのスイッチと目覚まし、照明を一体化した、よそでは見たことのない年代物の箱が鎮座します。これらもついでに交換してしまえば、その方がむしろ安上がりだったのではないでしょうか。安く造って使い捨てる風潮が世間に蔓延する中、使えるものは長く大事に使うという姿勢が好ましく感じられました。
手狭な部分もあるにはあり、快適さに関してはロコインが上回ります。そう考えると、駐車場が有料となってもなお、ロコインには料金に見合った価値があるのかもしれません。ただし、現行の料金では無条件に連泊しづらいのも事実ではあります。今後は一泊をここ、もう一泊をロコインという形で使い分けるのも一案でしょう。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 三日目

2017-10-23 07:15:37 | 沖縄
おはようございます。昨夜は11時前に店を出て宿に戻り、そのまま眠りに落ちました。もう一軒という考えはありながらも、身体がついて行かないという、前夜と同じ結末です。こうなることは当然予想できたものの、hinodeですっかり満腹になってしまい、すぐさま二軒目に移るのは厳しいものがありました。
かねがね思っていたことなのですが、一品の分量が思った以上に気前よく、すぐ満腹になってしまうという点では、長岡の「魚仙」に通ずるものをこの店は持っています。去年よりも一泊少ないという条件を考えると、一軒限りとなってしまったのはもったいないようでもありますが、心行くまで呑めたという点では、これでよかったのだろうと納得しています。
六時過ぎに目覚めたとき、東の空は明るくなり始めたばかりで、七時過ぎにようやく朝日が射してきました。西へ下ってきたことを実感する一幕でした。上空には所々雲が出ており、これ以上増えれば昨日のように日差しが遮られるかもしれません。しかし、少なくとも予報の上では、この晴天が明日まで続くことになっています。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 三日月

2017-10-22 19:44:19 | 沖縄
本島南部を反時計回りに周回して那覇に戻りました。初日は70km弱の走行でした。
嵐は過ぎ去り、あとは晴れる一方かと思いきや、那覇市街を出てからかえって雲が増えてしまい、晴れそうに見えながら最後まで晴れることはありませんでした。その一方で塩分を含んだ強風が吹き荒れ、飛沫で窓が曇りました。これほどの潮風にさらされたのは昨秋の道北以来です。

印象的だったのは、多くの慰霊碑に花が手向けられていたことです。嵐の日にも花があるということは、慰霊碑を毎日守っている御方がいらっしゃるのでしょう。敬服しつつ手を合わせてきた次第です。
それとともに印象的だったのが、雲の切れ間に浮かんでいた三日月です。来る日も来る日も雨が降り、月を見るのも久々でした。風蓮湖でさらに細い上弦の月を眺めたのが一月前、そこからはるばる列島を縦断してきたかと思うと感慨深いものがあります。この月が満ちていき、十三夜を迎えるのは来月の一日です。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 赤嶺駅

2017-10-22 14:49:59 | 沖縄
まずは国内最南端の赤嶺駅を訪ねます。もちろん過去に訪ねたことはあるものの、いつでも行けるという安心感からかえって足が遠のき、長らく無沙汰をしていたためです。立派な石碑が建つのを除けば、無味乾燥なモノレールの駅であり、それがわざわざ立ち寄る気にならなかった理由でもあるのですが。
相変わらずの強風ですが、それ以上に驚くのは雲の流れる速さです。今日より風の強い日は何度も経験してきたのに対し、これほど早く流れる雲は初めてかもしれません。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 出発

2017-10-22 14:12:48 | 沖縄
レンタカーを引き取って出発します。今回の相棒はスズキスイフトです。
移動も手続きも面倒な豊見城の営業所に代わり、壺川の営業所を利用するようになったのは一昨年からですが、外国人向けの宿泊施設併設という条件からか、去年訪ねたときは外国人係員の拙い応対に眉を顰める場面がありました。しかし、今回は要領のよいお姉さんの仕切りにより、つつがなく出発できたのは助かります。
台風一過で蒸し暑くなるかと思いきや、気温は26度と過ごしやすく、耐え難い暑さだった去年とは雲泥の差です。ただし、時折車が揺れるほどの強風が吹いてくるため、心して走りたいと思います。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 完勝

2017-10-22 13:51:47 | 沖縄
到着地荒天につき出発見合わせという案内に一瞬身構えたものの、幸い小幅の遅れで出発。順調に航行して那覇空港の滑走路に進入しながら、接地まであと少しのところで着陸復行という展開に一瞬焦るも、客観的に見れば慌てるような話ではなかったのでしょう。二度目の進入で無事着陸と相成りました。
幸運だったのは、三列席を独占できただけでなく、隣と斜め前、後ろには誰もおらず、前の席におばちゃんが一人座っているだけ、しかも主翼の前で眺望もよいというこの上ない条件だったことです。搭乗前に空席の状況を再度確認したところ、本来先に埋まっていくはずの前方にまとまった空きが出ていたため、そこに変更するという結果でした。台風を警戒した団体客が、直前に出発を取りやめたのでしょうか。おかげでさほどの苦痛も感じずに乗り切れました。台風一過の快晴に恵まれたことを含め、完勝といってよい結果です。船ならそもそも沖縄へ渡ること自体が叶わなかったわけで、今回ばかりは航空機の恩恵を認めざるを得ません。ともかく助かったというのが本音です。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 那覇空港

2016-10-30 14:40:20 | 沖縄
那覇空港に移動し搭乗手続を済ませました。ターミナルの正面に海が広がる長崎空港と違い、那覇空港に降り立ってもそこには車寄せと立体駐車場とゆいレールの高架しかありません。これでは名残を惜しむにも興ざめです。早々と検査場を通過し搭乗口にやってきました。
沖縄へ通い続けて十余年、経験を重ねるうちに、この時期が気候面では一番よいということに気付いてきました。九州を介することで、無味乾燥な空路の移動を極力避けるという対応も確立した感があります。職場の事情で日程を繰り上げた結果、宿が混むなどの弊害がいくつか出たり、10月とは思えない暑さに難儀させられたりといった場面はありながらも、おおむね予定通りに運んだというのが実感です。
一方反省点としては、行程があまりに固定化されてしまい、新鮮味が次第に乏しくなってきたことが挙げられます。好天に恵まれたにもかかわらず、シャッターを切った数が北海道より格段に少なかったのはそのせいでもあります。船で渡るという宿願を果たすことができれば、趣向も当然大きく変わるとは思うのですが。一年後に向けて構想を少しずつ練り上げていくつもりです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 平和祈念公園

2016-10-30 12:34:34 | 沖縄
結局手近なところを選択し、与那原から海沿いを時計回りに周回してきました。平和祈念公園に寄ったところで時間切れです。あとは内陸の県道を経由して那覇に戻ります。
去年は安座真の海水浴場まで行って戻って終わりましたが、今回気付いたのはそこから先が好車窓だということです。やや内陸寄りの高台を上下しつつ海を遠望するという眺めで、高さと海岸までの距離感が絶妙でした。必ずしも写真映りのよい眺めというわけではないものの、悠長に立ち止まってもいられない状況では、その方がむしろ好都合だったともいえます。南部の海岸を周回していき、時間がなくなり次第内陸に回って引き返すのが、最終日の行動としては理にかなっていることに気付いてきました。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 五日目

2016-10-30 08:06:19 | 沖縄
那覇から福岡へ飛ぶという行程が定着してからというもの、最終日の中途半端な滞在時間をどう使うかが思案のしどころとなっています。過去の記録を調べると、三年前は南部を、一昨年は海中道路を、昨年は南東の海岸を訪ねたことになっており、いずれも常に時間を気にしながらの駆け足だったと記憶しています。その経験からも、出るなら早い方が望ましいわけなのですが、昨日と同様曇りがちの朝となっており、この天候では先を急ぐ動機がありません。もうしばらく考えてから宿を出ます。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - ロコイン沖縄

2016-10-29 21:42:18 | 沖縄
引き続き58号線を南下して那覇に戻りました。MOSについ長居してしまったこともあり、九時を少し回っての到着です。
那覇滞在も今夜限り、最後は定宿であるロコイン沖縄の世話になります。市内の宿が空前の混みようであることについては繰り返し述べた通りであり、特に土曜と重なる今晩は、最初に検索した時点では全くと言っていいほど空きがありませんでした。ゲストハウスと万単位の宿を除けば、呑み屋街には相当遠い宿が一、二軒空いているに過ぎず、それも通常料金に比べると割高でした。しかし、このようなときでもこまめに照会していると空きが出ることがしばしばあります。今回もそのようにして定期的に調べていたところ、数日経ったところで運よくここに空きが出たため、すかさず押さえた次第です。
今回の宿泊料は6300円、それ以上に痛いのが今まで無料だった駐車場が千円の有料になってしまったことで、これにより総支出は七千円以上にも上ります。前夜世話になったサン・コーラルに比べると二千円以上もの違いです。宿泊料が混雑を反映したもので、次回は例年並みに下がってくれるとすれば、実質な差は千円少々に縮まるため、快適性を考えればこちらに軍配が上がるところではあります。しかし宿泊料も据え置きということであれば、連泊するのは金銭的に厳しいかもしれません。とはいえ、今回ここを奇跡的に押さえられたのは幸いです。
一風呂浴びて出かけると、一軒目に入れるのは10時過ぎです。しかし遅くまで呑める店も多く、慌てる必要はありません。最後の夜を心ゆくまで満喫できれば幸いに思います。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 屋我地ビーチ

2016-10-29 18:11:02 | 沖縄
その後本部半島を半時計回りに周回し、屋我地島、古宇利島を回ったところで日が暮れました。只今屋我地ビーチから夕景を眺めています。いや夕景といっては語弊があるかもしれません。というのも、本部の町を出た頃から日が陰ってしまい、曇った空が暗くなっていくだけなのが実態だからです。
うだるような暑さだった昨日までとは一転、過ごしやすい好天だったにもかかわらず、ここぞというところで曇ってしまい、終わってみればシャッターをほとんど切っていないという不可思議な結果となりました。結局、夕景に関していえば初日に眺めた具志川城が最高だったことになります。
昼の部はこれにて終了、あとは58号線で那覇へと戻ります。投宿して一風呂浴びると、今夜も九時前後というほどよい時間に一軒目へ入れそうです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 万座毛

2016-10-29 13:16:22 | 沖縄
無味乾燥な移動に対する抵抗はありながらも、時間を買って西原から屋嘉まで高速道を飛ばしました。浮いた時間で万座毛を訪ねます。
泊漁港と同様、ここも中国人観光客の激増により一気に俗化してしまった場所ですが、今回再訪してみて、昨日訪ねた残波岬との違いに気付いてきました。一言でいうとこちらの方が狭いのです。
残波岬の場合、観光客が集まる岬の周辺もさることながら、そこから離れた東側の崖も非常によい眺めです。しかしここでは、象の鼻のような巨岩が切り立つ南向きの眺めしか絵になりません。その結果、狭いお立ち台に歓呼校客が殺到する形となり、俗な雰囲気が強調されてしまうということでしょう。残波岬はともかく、ここについては毎回訪ねるほどの場所ではないのかもしれません。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 嘉数高台公園

2016-10-29 12:05:05 | 沖縄
移動の前に嘉数高台公園を訪ねます。沖縄の激戦地というと、「ひめゆりの塔」などがある南部に集中しているように思われがちですが、あちらで戦いが繰り広げられたのは大勢がおよそ決した最終盤のことであり、戦力としては既に形骸でした。それに対して真の激戦地の一つといわれるのがここで、件の普天間飛行場を見下ろす高台には、砲撃の跡も生々しいトーチカが残り、戦闘の激しさを物語っています。
ちなみにMOSを出た頃から青空が広がってきました。気温は27度、しかも昨日と違って適度な風もあり、涼しいとはいわないまでも格段に過ごしやすくなっています。終日活動できる唯一の日が、滞在中でも一番の好天となってくれたのは幸いです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 出発

2016-10-29 09:12:36 | 沖縄
荷物をまとめ、二晩世話になった「サン・コーラル」を出発します。宿泊費の節減のため、定宿のロコインから宗旨替えして泊まったこちらの宿ですが、安いなりの割り切りが必要であることについては既に述べた通りです。しかしよいこともあるにはあり、その一つとして風呂が別室になっていることを挙げました。そしてもう一つよかった点があります。一銀通りの呑み屋へ向かうとき、松山の繁華街を短絡し、静かな路地裏を歩いて行くことができるのです。ロコインの場合、客引きがたむろする最も猥雑な通りを歩いて行かなければならないため、その点ではこちらの宿に明確な利があることになります。多少の料金差を補って余りある快適性がロコインにあると感じたのは事実で、来年以降も全面的に乗り換えるつもりはありませんが、たとえば那覇に二泊するのであれば、一泊をこの宿、もう一泊をロコインという形で使い分けるのもよさそうです。
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九州沖縄縦断ツアー 2016 - 四日目

2016-10-29 08:56:30 | 沖縄
おはようございます。結局昨晩は一軒限りで切り上げ、日付が変わる前には宿へ戻りました。既においしくいただける限度には達していたため、兎にも角にも腹ごなしをしなければどうにもならず、一旦休み、回復すれば出直すことも視野に入れつつ宿に退却したところ、そのまま力尽きるというありがちな結末でした。はるばる沖縄まで来ておきながら、少々もったいない結果ではありましたが、小刻みな継投が基本の長崎とは対照的に、一軒に腰を据えて呑むのが沖縄の居酒屋の基本だと次第に気付いてきました。その一軒で上々の時間を過ごせたことについては満足しています。
目が覚めるような快晴だった昨日に対し、今日は朝から曇り空となっています。ただし予報は終日晴です。次第に晴れてくれると期待して、今日は北部へ足を延ばします。
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