日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

海を渡って沖縄へ 2018 - 第二夜

2018-10-29 20:28:54 | 沖縄
国道58号線を上り、ほぼ200kmを走破して那覇に戻りました。走行距離こそ延びたものの、予報に反して一向に晴れず、終わってみれば収穫の乏しい一日でした。とはいえ、南の島の天気予報が当てにならないのは分かっています。近年好天に恵まれてきたことを思えば、このような日がたまにあってもやむなしです。明日こそ晴れてくれると期待しましょう。
第一夜に訪ねるのはhinodeと決めていましたが、第二夜と第三夜についても事実上決まっています。三連泊の特権を活かし、目当ての店で心行くまで呑むことに主眼を置きつつ、余力があればもう一軒はしごするにもやぶさかでなしといったところです。
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海を渡って沖縄へ 2018 - 40高中

2018-10-29 16:03:45 | 沖縄
特段先を急ぐつもりはないものの、さしたる収穫もなく淡々と北上したことにより、距離はそこそこ延びました。現在名護市内の国道331号線を走行中です。交通量のほとんどない淋しい道で、珍しいものに出会いました。「40高中」の道路標示です。
かつてはどこへ行ってもあったはずの道路標示が、運転免許を取った頃には消え失せていました。その後小耳に挟んだのは、車種ごとに法定速度が決まっていた頃の表示で、平成初期に法令が変わったことにより廃止されたということです。今でも残っているのはそれ以前に描かれたもので、全国でも100ヶ所ほどしかない貴重なものとのことでした。その一部がここに残っていることになります。
しかし、仮にそうだとすると腑に落ちない点があります。30年近くも前に描かれたとは思えないほど、「40高中」の文字が鮮明に浮かび上がっているからです。対向車線にある「40」とだけ描かれた表示は消えかかっており、「40高中」の方が後から描き直されているのは明らかです。制度上廃止されたはずの表示を、わざわざ修復した理由は何なのでしょうか。状態のよさを含めて考えると、これが全国屈指の物件なのかもしれません。
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海を渡って沖縄へ 2018 - 屋嘉ビーチ

2018-10-29 14:28:29 | 沖縄
予報に反して天候が冴えません。時折薄日は射したものの、全体を通じて見ればごく平凡な曇り空が続いています。このところ沖縄では好天に恵まれてきただけに、それより落ちる条件で例年と同じ場所を走っても仕方がありません。せめて趣向を変えようと、東側の海岸に出てきました。石川の市街を過ぎてしばらく走ると、屋嘉ビーチの看板が現れたため、こちらで小休止をとっているところです。
目の前には弓形をした長い砂浜が広がり、沖合には海中道路で結ばれた三つの島が見えています。何分高さがないだけに、写真に撮っても絵になりはしないものの、晴れればよい眺めになりそうです。しかるに今は想像するしかないのが惜しまれます。
とりあえず名護の方まで走れるだけ走り、暗くなり次第引き返します。これはという場所があれば覚えておき、明日晴れたら再訪するのも一案でしょう。
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海を渡って沖縄へ 2018 - 宗旨替え

2018-10-29 09:41:42 | 沖縄
本活動では、数年来定着していた行程を全面的に見直して、九年ぶりの船旅を実現しましたが、見直しの対象はレンタカーにも及びました。今回はオリックスレンタカーの世話になります。
沖縄で長年愛用してきたのはOTSレンタカーです。圧倒的な安さに加え、地場の業者を優先して使うという方針があってのことでした。ただし、OTSレンタカーには一つだけ難点がありました。営業所が豊見城に移転して以来、貸出と返却の手続きが面倒になってしまったことです。壷川の駅前に営業所が新設されたことで、その難点は一旦解消されたものの、今回その営業所が閉店してしまったと知りました。宿泊施設に間借りした小規模な営業所だったため、採算が合わなかったのかもしれません。真相のほどはともかく、これによりどこの営業所を使うかが新たな問題として浮上しました。
那覇の都心に近いのは泊港の営業所です。しかし、最後に那覇空港へ移動する関係上、ゆいレールの駅に近い方が何かにつけて便利です。欲を言うなら、宿から歩いて行ければ申し分ありません。その条件を満たすのが、美栄橋にあるオリックスレンタカーでした。料金もOTSより安かったため、宗旨替えした次第です。

三日間の相棒となるのはトヨタアクアです。コンパクトカーを選んだはずが、配車の都合でこうなりました。同じ料金でハイブリッド車が割り当てられれば、燃料代が浮くと喜ぶ人々が多数派かもしれません。しかし、以前プリウスに乗った経験から、ハイブリッド車はガソリン車と似て非なる乗り物と分かっています。移動の手段と割り切るならともかく、運転する楽しみを求めるのは筋違いです。こちらにとって必ずしも歓迎できることではありません。
とはいえ、あながち悪いことばかりでもありません。乗り心地には意外なほどの重量感があり、ステアリングにも手応えがあります。そのステアリングは革巻き、運転席と助手席にはステッチ入りのバケットシートが奢られるなど、車格の割に内装が凝っています。フィットに比べて車高が低いことからしても、いわゆるスポーティな路線を目指したのでしょうか。コンパクトカーにありがちな、ドラムブレーキ特有の不自然な減速感がないのも好印象です。腿が持ち上げられるような着座姿勢は落ち着かず、何より物音一つ立てずに起動するところには相変わらず違和感を覚えるものの、そのうち慣れてくるでしょう。
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海を渡って沖縄へ 2018 - 三日目

2018-10-29 07:28:43 | 沖縄
おはようございます。昨晩はhinode一軒限りで完結となりました。すっかり腹が満ちたのもさることながら、船旅で疲れていたという事情もあります。前者については想定の範囲内だったのに対して、船旅の疲れは自覚を上回っていました。乗船時間の長さもさることながら、時化ていたのも大きいのでしょう。しかし、足取りが覚束ないという症状は一晩休んで解消されました。心機一転沖縄での活動に注力できそうです。
本活動における目玉の一つとして、那覇に三泊できることを挙げましたが、これは終日滞在できる日が二日あることを意味します。昨年までは、着いた日は昼過ぎから、帰る日も同じく昼過ぎまでしか使えなかったため、終日滞在できるのは中日だけでした。それに対して、今回は着いた日こそ投宿するだけで終わるものの、その後の二日を丸々使え、最終日も昼過ぎまでは活動できます。つまり、日中の時間についていうと、二日相当から半日増えるだけではありますが、終日滞在できる日は倍になるということです。この半日が数字以上の効果をもたらしてくれるかもしれません。
外は今のところ平凡な曇り空です。しかし、最新の予報によると、最終日こそ曇るものの、終日滞在できる一両日はいずれも晴れるとされています。いずれ的中してくれると期待したいものです。
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海を渡って沖縄へ 2018 - ロコイン沖縄

2018-10-28 20:33:11 | 沖縄
港から宿への移動手段が未知数だった中、一時間に二本のバスがたまたま通りがかったため咄嗟に乗車。幸運にも宿まで最短経路かつ最安値でたどり着きました。投宿後、船上で浴びた飛沫を洗い流し、ひとまずさっぱりしたところです。

往路を船旅にできるばかりか、現地に三泊できるのも今回の行程の目玉だと申しました。滞在中世話になるのは定宿のロコイン沖縄です。無料だった駐車場が一泊千円となってしまい、かつてほどの圧倒的な優位性が失われた結果、去年は二泊のうち一泊を他の宿に切り替えるという自衛策をとりました。しかし、仮にそうしたところで五百円も違いません。わずかな金を出し惜しむより、慣れたところがよかろうと思い至った次第です。
そのようなわけで、那覇ならここという点では迷いがなかったものの、三連泊で押さえた後、よくよく考えると違う手もあったことに気付きました。たとえば中日に名護で泊まれば、長らく無沙汰している北部を旅するという選択肢も出てくるからです。しかし結局見直しはしませんでした。北部へ行ってみたいのもさることながら、それ以前に那覇でもう一泊したいという考えをかねがね持っていたからです。
十数年通い続けた経験から、沖縄の呑み屋がはしご酒には向かないことに気付いてきました。実際のところ、近年は連泊しながら三軒ほどしか行けないという結果が続き、訪ねる店も固定化されていたのが実情です。それだけに、もう一泊できれば多少なりとも選択肢は広がるだろうと思ったわけです。今日のところはなじみの店へ行くつもりですが、明日は趣向を変えるのも一興だろうと考えています。

それにしても、下船した直後こそ感じなかったものの、しばらく経ってから足取りが覚束なくなっていることに気付きました。船上で揺られ続けたことにより、三半規管とやらがそちらに順応した結果、陸の上ではかえって違和感を覚えるのかもしれません。
船酔いするほど揺られた経験は他にもあります。しかし、下船後にふらついたのは初めてです。この状態で酔いが回ったときはどうなるのでしょうか。今から早速試してきます。
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海を渡って沖縄へ 2018 - 那覇港

2018-10-28 19:34:20 | 沖縄
本部からは波、風、飛沫ともに収まり、甲板で暮れ行く空を見届けました。とっぷりと暮れたところで那覇港に到着。25時間20分に及んだ長旅はこれにて完結です。
昨晩の錦江湾では劇的な場面に遭遇しましたが、今日も印象的な黄昏時の光景に出会いました。秋らしい薄雲が茜色に染まる中、残波岬と一目で分かる灯台が見え、やがて真横を通過しようとしたその瞬間、またも陸地で花火が上がったのです。昨夜は花火で見送られ、今日は花火で出迎えられるとは出来過ぎています。全くの偶然だった昨日の花火に対し、こちらでは船の通過に合わせて毎日上げているのかもしれません。とはいえ、仮にそうだとしても粋な計らいではあります。
入港の案内放送が流れたとき、「最終港」なる一言を聞いて、そこはかとない感慨が押し寄せてきました。決して広くはない川幅を目一杯に使った、180度回頭してからの接岸にも見応えがあり、最後までめくるめく場面の連続でした。それを含め、船旅のよさをしみじみ実感した次第です。
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海を渡って沖縄へ 2018 - 本部港

2018-10-28 17:14:45 | 沖縄
茶花港を出て左の方へ旋回すると、いよいよ沖縄本島が見えてきました。しかし飛沫がさらに強まり、甲板に立ち続けられる状況ではありません。食堂のテーブルから窓越しに眺めつつ、入港間近となったところで外に出ました。最後に寄港するのは本部港です。ここからの乗客は当然なく、またここから積み込む荷物もありません。荷下ろしが済み次第出航すれば、30分ある停泊時間を使い切ることはないでしょう。寄港地の変更により生じた遅れを、多少は回復できそうです。
ちなみに、日が傾いてきたため再び雨合羽を羽織りました。波がようやく収まってきたのか、与論島を出てからはそれほど揺れを感じません。飛沫さえ凌げるようなら、このまま日が沈むのを見届けるのも一興でしょう。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 大逆転

2017-10-24 14:45:49 | 沖縄
レンタカーを返し、ゆいレールに乗って那覇空港に移動してきました。沖縄編はこれにて完結です。
飛行機嫌いについては常々公言しているところですが、ついでにいえば空港というものも好きではありません。駅や港に対して抱く旅情が、空港というものには一切感じられないのです。生活感の乏しい無味乾燥な雰囲気に、興ざめさせられるとでも申しましょうか。
多くの駅と港の周辺には町があり、そこから人々の生活臭が漂ってくるのに対し、空港の周辺には何もないのが通常で、それは那覇、福岡など市街地に近いところであっても変わりません。言い換えると、駅や港であっても生活臭の乏しいところは面白くなく、その典型として七戸十和田に上越妙高など、市街を外れた場所にできた新幹線の駅が挙げられます。自分にとって、それらは単なる乗降のための施設でしななく、積極的に滞在したいと思う場所ではありません。最後の最後をこのような場所で終えなければならないことも、空路を嫌う理由の一つなのです。
もっとも、三日にわたる滞在は上々でした。10月下旬から11月初めの時期が定着してからというもの、好天に恵まれる機会が格段に増えましたが、その中でも今回はとりわけ上出来だったような気がします。実際には終始晴れていたかというとそうでもなく、晴れたり曇ったりの天候でした。それにもかかわらず天気がよかったように感じられるのは、暑からず寒からず頃合いの気候だったのに加え、適度に浮かんだ雲が絵になっていたからでしょう。出発前の予報と対極の好天に恵まれたという点では、近年稀に見る大逆転だったと改めて思います。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 具志川城

2017-10-24 10:52:31 | 沖縄
まずは具志川城にやってきました。眼鏡が曇るほどの潮風が吹いていた昨日に対し、本日は波、風、日差しともに穏やかで、時折吹く微風が心地よく感じられます。赤トンボが飛び交い、茂みからは虫の声が聞こえ、名実ともに秋の趣です。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 四日目

2017-10-24 08:27:21 | 沖縄
おはようございます。今日も朝から晴れました。しかし、例年通りの経路をなぞった上陸後の二日に対し、三日目の使い方が確立していません。これは、二時までにレンタカーを返さなければならず、実質的な持ち時間が限られて、どこへ行くにも中途半端だからです。
結論から申しますと、今日は南部をもう一度走ろうかと考えています。というのも、一昨日喜屋武岬の方から那覇へ戻ったところ、豊見城のバイパスが全通していたのです。堂々たる高架橋で海沿いを貫く快走路でした。その道を明るいうちに走ってみたいというのが直接の動機です。加えて、例年の行程では夕暮れ時に訪ねることが多いため、時間帯を変えて再訪してみたいという考えもありました。バイバスで一気に南下してから東へ回っていき、時間切れになり次第那覇に戻ります。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - ロコイン沖縄

2017-10-23 20:26:31 | 沖縄
三日月が沈んでいくのを眺めつつ、58号線を南下して那覇市街に戻りました。北海道でもなかなかない、200km超もの距離を一日で走ったことになります。
昨晩予告した通り、二泊目は定宿に回帰し、ロコイン沖縄の世話になります。宗旨替えをするに至った直接の理由は、無料だった駐車場が有料化されてしまったことですが、すぐ近くに時間貸の安い駐車場があったため、そちらに車を止めてきました。200円ほどの違いとはいえ、せめてもの自衛策を採れたのは助かります。
チェックインの際にポイントカードを提示したところ、積算されたポイントにより無料で宿泊できるとの案内があったため、今回はその恩恵に与ることになりました。ポイントで無料になったというと、会津のフジグランドホテルで一度あっただけのような気がします。あちらに匹敵するほど散々世話になったことに感謝している次第です。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 屋我地ビーチ

2017-10-23 17:54:00 | 沖縄
本部半島を時計回りに周回し、屋我地ビーチに着いたところで日が暮れました。先ほど夕日が小高い山の陰に隠れたところです。
たとえば東北の汽車旅、あるいは花見の旅のように、毎年同じ時期に同じ土地を旅することによって、行程が固定化されてくることがあります。九州と沖縄を掛け持ちする今回の旅についても然りです。特に中日は、那覇から58号線沿いに北上していき、名護から本部半島を周回するという経路を繰り返しており、今回も見事なまでに同様の展開をたどりました。
ここへ行きたいという強い意志があったというより、気の向くままに走った結果こうなったというのが実態です。何度も走った経路だけに、地図もほとんど見ていません。我ながら、多少趣向を変えてもよさそうな気がしないではありませんが、今日に関していえばこれでよかったと納得しています。去年は途中から曇ってしまい、実質的に往復の移動だけで終わってしまったのに対し、今日は時折日が陰りながらも最後まで晴れたからです。出発前は滞在中一貫して雨などという予報だったことを考えると、奇跡の逆転勝ちといってよいでしょう。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 残波岬

2017-10-23 13:00:09 | 沖縄
昨日と同様雲が多く、時折日が陰る場面はあるものの、おおむね過ごしやすい好天が続いています。こうなると、月並みながら寄りたくなるのが残波岬です。観光客が群がる灯台の周辺を避け、東に回った崖の上から見渡すのを自分は好みます。嵐が去ってもここだけは相変わらずで、海の方から強い風が吹き、荒波が絶壁に打ち寄せて砕け、飛沫が崖の上にも飛んできました。誰が撮っても様になる完成された眺めです。
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九州沖縄縦断ツアー 2017 - 那覇新港

2017-10-23 09:48:34 | 沖縄
このところ中国人観光客が少なくなったような気がしていましたが、泊の漁港は相変わらずで、何台もバスが乗り付け取り付く島がありません。冷やかすだけで切り上げて、那覇新港にやってきました。
唯一発着していた阪神航路が廃止され、待合所はどうなるのかと思いきや、何事もないかのように開放されていました。フェリー乗り場としての役割こそなくなったものの、船会社の事務所が入居しているため、建物はこのまま使うつもりなのでしょう。旅客輸送の廃止後も貨物輸送が残り、かつての駅舎がそのまま使われているようなものと思えばよいのでしょうか。同様の例が他にあるかは不明ながら、貴重な物件には違いなさそうです。
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