「わたしのいないテーブルで: デフ・ヴォイス」丸山正樹
【コロナ禍の2020年春、手話通訳士の荒井の家庭も様々な影響を被っていた。刑事である妻・みゆきは感染に怯えつつも業務をこなし、一方の荒井は二人の娘の面倒を見るため手話通訳の仕事も出来ない。そんな中、旧知のNPO法人から、女性ろう者が起こした傷害事件の弁護団への通訳としての参加依頼が届く。些細な口論の末に実母をナイフで刺した事件。聴者である母親との間に何が? コロナ禍でのろう者の実態と苦悩を描く、〈デフ・ヴォイス〉シリーズ最新長編。】
「デフ・ヴォイス」シリーズ第4弾。
いろんなことを教えてくれるこのシリーズ。
今作ではディナーテーブル症候群という言葉を初めて知った。
家族は家族として大切だけど分かり合えるとは思っていない、
なんて、いつも一緒にいる家族であるのに
そこで自分だけが疎外感を感じているなんて。
言葉と言えば普段話している言葉のことばかり考えがちで
声で話す人、手で話す人、
それぞれの常識がある。
心の行き違いは哀しく、
行き違いを正すことはとても難しいようだ。
行き違いになる前に愛していると
伝え合うことができるといいけれど。
それにしても
手話の種類の多さに驚かされる。