星月夜に逢えたら

[hoshizukiyo ni aetara] 古都散策や仏像、文楽、DEAN FUJIOKAさんのことなどを・・・。 

三回忌追善「九世竹本源太夫を偲ぶ会」

2017-07-09 | 観劇メモ(伝統芸能系)
昨日7月8日は三回忌追善「九世竹本源太夫を偲ぶ会」に行ってきました。



会は二部構成。
一部の「対談 九世竹本源太夫を偲んで」では対談相手の亀岡典子さんが
進行する形で、文楽三味線の鶴澤藤蔵さんがお父様の生前の思い出や
エピソードを披露してくださいました。

源太夫さんの子ども時代から現役時代までの写真の数々を見ながら、
文楽の家らしい人のつながりにあらためて感じ入ったり、技芸員さんたち
の意外だったり楽しかったりする表情にどよめいたり笑ったり感心したり。
役者さんに憧れていたとのことで歌舞伎役者かと見紛うような写真と映像も。
三代目猿之助さん(現猿翁さん)との親交の話も聞けました。
また、貴重な音源に聞き入ったり。「妹背山婦女庭訓」妹山背山の段での
若かりし頃の住太夫さんとの掛け合いはすごい迫力。文楽の豊かな香り、
味わいにしばし耳を傾けました。

私自身たくさん見ているわけではないのですが、「桂川連理柵」帯屋の段
での綱大夫さん(当時)のチャリ場の語りが今でも忘れられません。

二部は素浄瑠璃。「鬼一法眼三略巻」菊畑の段、五条橋
出演者:
菊畑の段  竹本津駒太夫 竹本千歳太夫 豊竹呂勢太夫 鶴澤藤蔵
五条橋  竹本津駒太夫 豊竹呂勢太夫 鶴澤藤蔵 鶴澤清志郎 鶴澤清馗

大好きな技芸員さんばかりだし、今回は人形がいないので浄瑠璃にたっぷり
集中でき、そんなことを語っていたのかと気づく箇所多し。
菊畑の段も五条橋も藤蔵さんが通しで弾かれ、いつもの力強い演奏はもちろん、
情緒で聴かせてくれるところもあり、やっぱりええもんやなあ〜と素浄瑠璃の
よさをかみしめました。



思い出話の中で面白かったのが見台のエピソード。
ある時、素晴らしい見台を見つけ、源太夫さんはその場を動かなかったとのこと。
ご夫人が仕方なく購入されたそうです。まるで高台寺蒔絵かと思うような
立派な金蒔絵の見台がロビーに展示されていました。
台本を掲げる時はただの所作ではなく、毎回魂込めて気持ちを入れて
していたと、ずっとお父様の隣りで演奏していた藤蔵さんのお話でした。




コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« テレビ情報と7/7のTweet。 | トップ | けっきょく昨日はDEAN DAY。 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

観劇メモ(伝統芸能系)」カテゴリの最新記事