文珠川慧久の道楽帳2

turezure naru mama ni

Freetel社のFT132Aという端末

2014-04-07 | Android
【はじめに】

ドコモが2009年に発売した最初のAndroid端末で、HT-03Aというのがありました。Androidのバージョンは1.5、CPUは528 MHzのシングルコア、RAMは96 MB、画面は3.2インチの480×320ドットでした。はじめてFreetel FT132Aを見かけたときの印象は、端末サイズや画面解像度があたかも往年のHT-03Aのやうでした。そして何気なく仕様表に目をやると、CPUクロックがほぼ倍の1 GHz、RAMが5倍の512 MBに強化され、Androidのバージョンが1.5から4.1.2へと進化していました。

【FT132A (Freetel社製)】

2013年11月16日に、プラスワン・マーケティング株式会社という日本企業が、12,800円で国内発売を開始。FT132Aには、SIMロックが施されていないため、ドコモ及びソフトバンクのSIM並びにそれらのMVNOのSIMを利用できるばかりでなく、海外渡航先で現地のSIMを挿して利用することもできます。テザリングも普通にできます。ちなみに、普通でないテザリングというのは、一体どういうことなのかと言いますと、ドコモブランドのスマホがそうなのですが、テザリングの際に端末が強制的に秘密のアクセスポイント名を使う特別仕様になっていて、しかもこの秘密のアクセスポイント名は変更できないようになっているわけです。従って、ドコモブランドのスマホは、ドコモを利用するMVNOのSIMだとテザリングができないという不利益が生じます。更にドコモにSIMロック解除してもらってもその不利益はが残ってしまいます。
FT132Aの端末本体の仕上がりは、ドコモブランドの初代アンドロイド機であるHT-03Aに比較すると、少々ゆるいところがあります。しかし、12,800円だということを考えますと、その仕上がりのコストパフォーマンスは抜群によいと言えるでしょう。
端末色の選択肢は、白、黒、緑、桃の四色展開です。今回は緑を購入しましたが、ドコモの昔の三洋製キッズケータイにあった淡い水色の端末を希望します。


【製品仕様】

 http://www.freetel.jp/smartphone/index.html

サイズ:116.5×61.5×11.3 (mm)  質量: 113 g
SC7710 (中華人民共和国Spreadtrum社製
   シングルコアWCDMA/HSPA+チップセット(1GHZ))
   GSM/GPRS/EDGE baseband
   EGPRS class12,type B
   (MCS1-9 in downlink and MCS1-9 in uplink)
   Cryptographic Algorithms:
    A5/1 A5/2 A5/3,GEA1,GEA2,GEA3
   Inter-RAT cell reselection & handover
    between GSM/WCDMA
   WCDMA/HSDPA/HSUPA baseband
   Compatible with WCDMA standard
    in 3GPP Release 6/7
   Support 3GPP
    Band I to Band VI
    Band VIII
    Band IX
    and Band X
   Support HSDPA & HSPA+ 21Mbps (Cat14)
   Support HSUPA 5.76 Mbps (category 6)
   Quad vocoders for adaptive multi-rate (AMR),
   enhanced full rate (EFR),
   half rate (HR), and full rate (FR)
 GSM:850/900/1800/1900 MHz
 WCDMA:850/1900/2100 MHz
 バッテリー容量: 1500 mAh
 OS: Android 4.1.2
 ディスプ:3.5 インチ (480×320 ピクセル)
 RAM:512MB + 8GB(microSDカード標準搭載済)
 ROM:512MB
 microSDカード最大対応容量:32 GB
 背面カメラ:2.0 Mpix FF (自動焦点機能無し)
 前面カメラ:0.3 Mpix VGA (自動焦点機能無し)
 Bluetooth:version 2.1
 GPS搭載、WiFi IEEE 802.11 b/g/n

【同梱品】

ACアダプタ、イヤフォン、USBケーブル、ユーザーマニュアル、保証書、端末カバー、保護フィルム。

【Google Playあり】

FT132A端末には、Google Playを標準搭載していますので、Googleアカウントを利用してAndroidアプリを端末へとダウンロードできます。

【かな漢字変換がプリインストールされているので困る】

Google日本語入力がユーザーエリアではなくシステムエリアの方にプリインストールされているためrootを取らないと消去できません。従って、ただでさえ少ないシステムRAMを無駄に消費してしまいます。Google日本語入力を使わない場合には、停止させることができますが、停止させても数メガバイト分は、システムRAMを占拠し続けます。
小生は、かな漢字変換アプリとして「OpenWnnフリック対応」を愛用しておりますので、Google日本語入力アプリは使いません。「Wnn Keyboard Lab」ではなくて「OpenWnnフリック対応」の方です。小文字qwertキーボードにアットマークがあること及びかなテンキー→qwerty→数字テンキーのモード切替順が良いです。

【Dual SIM のこと】

FT132A端末は、Dual SIM サポートです。SIM1及びSIM2の挿入口があります。SIM1はWCDMAによる音声及びデータ通信用途で、SIM2はGSMによる音声通話用のSIMを設置することができます。海外渡航先で使うGSM用SIM(又は現地のWCDMA/GSM対応SIM)は、無くさないようにSIM2に入れっぱなしにしておけばよいでしょう。日本国内では、GSMサービスが提供されていませんので、Freetel FT132AのSIM1だけ利用することになります。GSMサービスのある国や地域へ行ったら、SIM1に現地でデータ通信する方のSIMを入れ、日本で利用していたSIMはSIM2へ移します。こうすることで、普段日本で使用している電話番号(SIM2)でGSM網を利用して通話の発着信が可能となり、同時に、現地SIM(SIM1)でデータ通信が可能となります。現地SIMが通話もできるプランだった場合には、SIM1でも電話番号を利用した通話の発着信が可能です。要するに、GSMサービスのある国や地域では、SIM1及びSIM2の通話用電話番号が両面待ちできるということです。以上は、CPUの仕様書から読み取れる内容であり、実験結果ではありません。実験する機会があったら、このブログ記事に手を加える予定です。

【対応周波数帯】

FT132AのCPUは、中華人民共和国の企業Spreadtrum社製で、SC7710という型番です。仕様書によれば、3GPPで規定されているBand I~Band VI,Band VIII, Band IX及びBand Xをサポートしているということですので、CPU自体は、以下の4つの周波数帯に対応している模様です。
Band I 2100MHz = ドコモ,ソフトバンク
Band VI 800MHz = ドコモ(FOMAプラスエリア)
Band VIII 900MHz = ソフトバンク(プラチナバンド)
Band IX 1700MHz = イーモバ,ドコモ
では、SC7710を搭載したFT132Aは、端末として上記周波数帯に対応しているかどうかについては、FT132Aの販売元が明らかにしていません。
誰かのブログ「FOMAプラスエリア対応可能 SIMフリー スマートフォン」によれば、上記周波数帯に対応しているハズだとされていますが、2chやその他の誰かのブログでは、FOMAプラスエリアには対応していないとの書き込みもあります。また、信頼できそうな情報として、b-mobileのサイトでFT132AはFOMAプラスエリアには対応していないと明記されています

【イヤホンの左右がわからないこと】

イヤホンは、ステレオなので、イヤーピースが二つありますが、その短い方のケーブルの先に付いているイヤーピースを左耳に、長い方のケーブルの先に付いているイヤーピースを右耳に入れます。

【普通のUSBケーブルが使えないこと】

FT132A用のUSBケーブルは、マイクロBコネクタの金具の長さが少し長めです。多くのUSBケーブルがFT132Aでは利用できないでしょうから、FT132Aの販売元が売っているいわゆる純正USBケーブルを入手するのが無難だろう。しかし、単にマイクロBコネクタの金具の長さが少し長めなだけですから、プラスチックのモールドの部分をナイフで削って長さを少し長めにしてやれば利用できます。あるいは、ダイソーで売られている(らしい)マイクロBコネクタのUSBケーブルを入手してもよいでしょう。

【無線LANの不都合解決方法】

FT132Aには、無線LAN機能があり、自宅の無線LANや公共無線LANホットスポットに接続することができます。更に、FT132A端末自身が無線LANのアクセスポイントになること、すなわち無線LANルーターになることができます。ところが、自宅の無線LANへの接続がつながったり切れたりを繰り返すという変な症状に見舞われてしまい、とても困りましたが、Freetel社の関係者のamebaブログにその暫定的な対処方法が紹介されていました。この方法を適用したらとりあえず問題を避けることができました。
http://ameblo.jp/freetel/entry-11801745312.html
どのような対処方法かと言えば、自宅の無線LANルーターの設定を変更するというものです。認証のパラメタ設定を変更します。WPA/WPA2 mixmode-PSKだったものをWPA2-PSK固定に変更しました。WPA固定に変更でもOKらしい。要するにmixmodeでなく固定にするという事です。自宅にある他のPCやスマホには全く影響ありません。

【カメラ】

オートフォーカスではありませんし、画質は悪いです。従って、別途デジカメが必要になるでしょう。
それならば、いっそのことFT132Aにはカメラを搭載しない方が良かったと思います。
その分安くした方が良かったと思います。

【受話音量】

通話の際の受話音量は、歪を極力抑えて、必要最小限を確保できていて好感が持てます。しかし、カメラのコストを受話品質向上及び音量増大に使っても良かったのではなかろうかと思います。騒音の中で余裕で相手の言っていることがわかる程の大音量の受話器を備えているスマホは価値があります。

【着信音量】

着信音量は、歪を極力抑えて、必要最小限を確保できていて好感が持てます。しかし、カメラのコストを着信音品質向上及び音量増大に使っても良かったのではなかろうかと思います。騒音の中で歪無く余裕で聞こえる大音量着信音を出せるスマホは価値があります。

【通話録音機能】

FT132AのVoIPでない方の電話アプリには、通話録音機能が付いているのでとても便利です。先方と当方の声をAMRフォーマットで録音してくれます。但しHiFiではありませんが必要十分な感じです。録音した声は、オーディオファイルとして専用フォルダに保存されますので、音楽プレーヤ等で再生できます。音楽プレーヤですので背面スピーカーから音が出まして、受話器で聞くことはできません。受話器で聞けるといいんだけどな。

【留守番電話(伝言記録機能)】

FT132Aの電話アプリには、ありません。

【050plus運用】

IIJmioのSMSオプション付きのデータ通信専用SIMでしばらく運用してみました。通勤は電車で片道50kmの距離を移動しています。フル充電して8時間くらいで電池が無くなってしまいました。本体が熱くなることはありませんでした。050plusへの着信成功率は、かなり良好です。090の普通のケータイに比べると着信音がなかなか鳴り始めないので、050plusへ電話してもらうときには、最低でも10回以上は呼び出し音を聞いてくれと言っておく必要があるでしょう。メール数通、通話1分、スケジュール管理数回、ツイッター閲覧3回、ウェブ検索5回、マップ3分程度の運用でした。電池寿命については、データ通信専用SIMで050plusを利用した電話待受では、一日持たないことから、実用性無しと言わざるを得ません。

【SMARTalk運用】

IIJmioのSMSオプション付きのデータ通信専用SIMでしばらく運用してみました。通勤は電車で片道50kmの距離を移動しています。フル充電して10時間くらいで電池が無くなってしまいました。本体が熱くなることはありませんでした。SMARTalkへの着信成功率は、かなり悪いです。050plusに比較して着信音がなかなか鳴り始めません。SMARTalkの050番号へ電話してもらうときには、最低でも20回以上は呼び出し音を聞いてくれと言っておく必要があるでしょう。メール数通、通話1分、スケジュール管理数回、ツイッター閲覧3回、ウェブ検索5回、マップ3分程度の運用でした。データ通信専用SIMでSMARTalkを利用した電話待受では、一日持たないことから、実用性無しと言わざるを得ません。PUSH通知に設定してあるのに意外に電池持ちませんでした。

【日本通信株式会社(b-mobile)"スマホ電話SIMフリーData"で運用】

090番号を入れたデータ通信SIMでしばらく運用してみました。自宅内及び自家用車で数キロ離れたスタバへ出かける程度の移動の場合、フル充電して24時間経過後でも、電池残量が23%ありました。片道50kmの距離を通勤のため電車で移動した場合には、10時間経過後の電池残量は16%でした。メール数通、通話1分、スケジュール管理数回、ツイッター閲覧3回、ウェブ検索5回、マップ3分程度の運用でした。050plus及びSMARTalkに比べると電池の持ちが良好という感じです。使うアプリによりますが、ぎりぎり24時間程度は持つかもしれない感じがします。10万円近くする最新鋭スマホだと大容量リチウムイオン電池搭載で2~3日持つ機種が増えていますが、12,800円の端末ですから、この辺りで妥協していいのかもしれませんが、3800mAh程度のデカ電池とそれ用裏蓋をセット販売してくれたら尚都合が良いと思います、あるいは、5000mAhのエネループを背中に装着してUSB給電でなくて直接本体へ給電する直結アダプタを提供してくれると尚更都合が良いと思います。