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Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

母なる色

2011-07-08 07:40:00 | 











美術館のサポーター控え室の本棚には、
関連の本や、今は一般公開していないVIDEOとかあって
ノートに必要事項記入するだけで
お隣の県立図書館に足を運ぶまでもなく
比較的自由に借りることが出来ます。




で、志村ふくみさんの本を2冊。




字のサイズ・数から言えばさらっと読み終えるとおもいきや
特に『母なる色』の方は、時間が掛かりました。




□ □ □



以前、別の本を読んだ時の印象より
ストロングな文章。




凛としているというより
どっしりと根を張った木のような
重みのある強さ。



その根は、さまざまな分野の養分を吸収して
今も、遠くへ遠くへ成長を続けていて、
豊かな感性や知的な思考は広がる枝。
そして、作品は花。



大きな桜のような人だと感じました。








今日、返却する前に、特に心に残った部分を抜粋。
『母なる色』  P64~





(四)山の手帖ー密なる通路


「ここに独りでいること、-それ自体が、喜びなのではないのさ。
ここにいることで、今をいきているという
意識が鋭くなる、それが喜びなのさ。
そのためには独りの方がいいのさ」  (『伊那谷の老子』加島祥造)



 この言葉はそのまま私の生活を語っているような気がする。
老境に入る、とか、死が近づいている、とかの意識もまた、
生きているという意識が鋭くなることかもしれない。だから、
特別孤独になる必要はない。ともいえるが、やはり身近な
人達や交際のまっただ中にいるいるとつい意識は鈍くなる
ような気がする。そんな中でますます意識を鮮明に生きてゆく
ことができればそれは達人だろう。
 私は時々この山の中の家へ来て生活しはじめると、何となく
自分の輪郭がはっきりみえてくるような気がする。
自分ばかりではない、身近の人達も、仕事のことも、
行く末のことも、鳥や草々や川の流れのことまで鮮やかな
光と影を伴ってみえてくる。そしてそれが善いことも、
悪いことも、喜びも哀しみも、ある均衡を保って私の中で
みえてくる。これは私が七十という歳月を生きてきたからだろう。
 満ち潮があるように、豊かに実りの時があれば、どこかで必ず
潮は干いていて、木の葉が散っているはずだというあたり前の
ことを、幾度となく限りなく見てきて、身に楔が打ちこまれる
ようなこともあって、そこから芽が萌え出るようなことも
あって今の、こういう状態がやっと均衡を保って自分に
与えられているのかと思う。
 月の中天にかかる森のうしろにして、蜘蛛の巣が空間に
かかっている。風に揺らぐでもなく、儚げでも、寂しげでも
なくただ空間に銀の糸を、これ以上の精微な紋様は考え
られないほどのたしかな存在でかかっている。それがどこかで
私の内部と通路を密にしているような気がする。




全身で共感を感じるようで、いや、私の気持ちなどは
浅くて、わかるような気がするけどまだまだ薄っすら
表面的に感じているだけだとも思う。
ジンワリと、大事に心に留めて・・・年月がたってから
また、味わってみたい一節だ。






収穫

2011-02-02 22:02:00 | 







風邪を引きまして、
六日間、ダウン。


転んでも
タダでは起きない貧乏性。。。


少し楽なると
久しぶりに
本を存分に読みました。
 




オットさんの『通勤のお供』をさしあたり借りたので
私のこのみではないのですが、タダだし・・・
次の巻を枕もとに運んでもらえるし・・ぐらいのつもりで。。。



沢木耕太郎   『深夜特急』1 香港・マカオ
             〃   2 マレー半島・シンガポール
             〃   3 インド・ネパール
             〃   4 シルクロード
             〃   5 トルコ・ギリシャ・地中海
             〃   6 南ヨーロッパ・ロンドン
          『凍』

藤原正彦    『若き数学者のアメリカ』
          『数学者の言葉では』
          『数学者の休憩時間』
          『遥かなるケンブリッジ―一数学者のイギリス―』


最初は、一行の途中でしんどくなって、とことん寝て、食べて、
薬を飲んで、また寝て食べて、ちょこっと読んで、叉寝て・・・。



雑誌掲載中に読んだことがあったような
沢木耕太郎の『深夜特急』は、
同じような旅を経験したインド・ネパールぐらいから
体調も回復も手伝って段々引きこまれ・・・
著者2人の旅を無意識に比べたり、
共感したり、羨ましく思ったり・・・
気がつくと、次々に読んでいました。
結果的に、著者達の青年期から現在までを
フォローした感じ。。。



体力だけではなく、気力もなえがちだったところに
いい本にあたったかも知れません。



人生はあっという間だけれど・・・
もしかしたら力と感受性に満ちた旅を
ふたたび経験することは出来ないかもしれないけれど・・・



寝てられへんわ。
とりあえず起き上がって
ファイティングポーズをとろう。



まだ、旅は途中なのだから。
まだまだ、旅は続くのだから。。。



なんとなく、そんな気持ちになりました。








仔猫と俳句

2010-03-13 14:01:00 | 









たまりません。




まあるい頭。

その、両脇にはなれたみみ。

かしこそうにむすんだおくち。。。 




fish



これらは、同時刊行された猫と俳句のコラボレーション写真集です。
姉がコンビニで見つけて購入したのと同じものを父の為に買い足し、
私が貰って帰ってきました。

この本の『はじめに』で、
「ちょっとでも多くの人に現代の俳句を読んでもらいたくて、
坂東さんちの猫の手をかりることにしました。
・・・無理やりにでも、いや、だまくらかしてでも、
俳句を人々の目にふれさせるしかありません・・・」
と、このステキなコラボ(わな)について書かれています。

こんな「わな」なら、喜んではまりますが
それぞれに充分魅力的なので、別々に味わいたい物もありました。



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俳句って、わずか数語で季節・風景・おもい・・・を無限の広がりで
現せる、すごく洗練された文章表現。
ひねれたらなー。
しかも、句会・・・あこがれます。


一度だけ、近くに転入されてきた年上の方に句会に
誘っていただいたことがありました。
今まで俳句の心得がなくても、お仲間に入れて
いただけばよかった。。。
気後れから、せっかくの機会をお断りしてしまったことが
今も、とても悔やまれます。
数年後、その方がお亡くなりになって・・・
意を決しても、もうかなわない夢になってしまいました。。。






言葉

2009-02-23 12:05:18 | 








洛中ねずみさんのコメントから知った
茨木のり子という人をインターネットで検索してみた。

『倚りかからず』と『自分の感受性くらい』に、
胸を打たれたて、久しぶりに図書館に行った。



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『自分の感受性くらい』は生憎含まれていなかったけど
『倚りかからず』は何度読んでも鼻の奥がツンと来る。

詩人は
「われながら威張った詩ですね、散文と違って詩は、
言葉をけずっていくからどうしても言葉がつよくなるのね」と
笑いながら語ったという。

それを記した山根基世さんの解説
『誇るのではなく、羞じる人』がまた、すごくいい。

表紙裏の詩人の写真は
やや「飾りすぎている人」でがっかりしたけれど、
他の作品のなかで、『倚りかからず』を読んでみると
時代背景や詩人の周辺などもリアルに感じるので
その上っ面でない力強さがいっそう胸に迫る。

『ー金子光晴の詩と真実ー 個人のたたかい』も
面白かった。
人を語ることで、語っている人の人となり・思想
そこから来る価値観がかなり現れている。

辛い時代に生まれて、でもそんな中だからこそ
見開いた目には、ありありと真実が見える。

この人の詩が世に認められて良かった。

もし、日の目を見なかったとしても
『小さな渦巻き』を書いた人は、
自分の目で見たもの・心で感じたもの、
そこから生まれたものを書き続けただろうけど。





老いの心境

2008-10-31 14:12:13 | 




 

いいかげんワールド


例によって、図書館の本。


前回、返却が遅れてしまってnose4
良心が痛みまくりだったので、
回避機能が働いて比較的ライトなタイトルの
背表紙を抜いていった結果、
オモチャ箱をひっくり返したような
色とりどりのイラストだらけの表紙になった。


5冊の中ではマイベストは、いいかげんワールド


SF・ファンタジーは、星新一と阿刀田高の短編しか
読んだ事が無いのだけれど、同じような感じで
読みやすくストーリーはテンポ良く面白かった。


・・・が、最初から気になったのは主人公の年齢、
そしてドラマチックな展開の渦中にあっても
「本気になれない」主人公の気のなさ。


最後まで読んでよかったと思った。


『第0章 六十五歳の手記』と『あとがき』まで読んで
やや若いわたしにも実感として解るストレートな言葉で
主題があった。


みじかな年長者からは聞けない、痛々しいほどの
率直さが胸に刺さる。


これからの人生で思い出しそうな数行があった。


  
(左)
ツリーハウスがすき。仲間が好き。
誠実なあたたかい心がすき。
何か物事が動き出す時の感じが好き。
(右)
白雪姫・シンデレラ・にんぎょ姫・赤頭巾ちゃん・・・
童話のブラックな面が書かれた本は
読んでみたかったけれど・・・
思っていたより読後感が。。。。nose4

  
(左)
この表紙、結構かわいくていいなぁ。
1999年、初版にしてはちょっとどことなく時代がかっていて
しめっぽくって、ちょっとエロくて、でも白状するとなかなか面白かった。
(右)
うふんsymbol4 
自分ではおとなしーいコーディネートしか身につけないのだけど
若いときにアンティックが今ほど気軽に手に入ったら・・・
こてこてにかわいいカラフルな銘仙とかも着て、ポップな帯留め。。。
とかおもいつつ、こういう本を涎をたらしながら見て楽しむ♪



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