goo blog サービス終了のお知らせ 

Polepole Life new

びわ湖の湖南に在住。
亡きA.コッカーNOIRと山歩きを愛すシニアライフを綴ります。

あこがれの・・・

2008-08-24 12:35:28 | 






へなちょこ探検隊―屋久島へ行ってきました (幻冬舎文庫)



写真&イラスト満載。
著者は、 『君はおりこう みんな知らないけれど』
UPしたことのある銀色夏生。






 なんていっても、屋久島だし興味深々で、読み始めた。

 タイトルどおり、内容は計画の段階から、
 同行者頼りで優柔不断なへなちょこぶり。


最終日の『沢登り』をパスしちゃたり・・・
わたしですら、え~~!!
唸りたくなるほどの軟弱さ。


でも、さすが物書き。
ちょっとした休憩時の同行者の視線の先を追っていたり
なにげない旅行記の合間にリアルな描写が垣間見える。


で、最後にイラストに書き込まれた言葉。



で、結局、屋久島は
どうだったのか
と言うと、
木が緑が多く
水もきれいで、
自然たっぷりの島.

特別なものは
感じなかったけど
気持ちいいところ
でした.




ええ~~。
憧れの屋久島への熱が冷めるようなまとめ。
それなら、わたし、信楽の山を歩けば充分ーー?
そういえば「君は・・・」に較べると
ユルい全体の感じも、旅の感動がなかったから??



いえ、いえ。
それでも<旅を終えて>を
読んでいると、作者にも魅かれるし
屋久島もやっぱり訪ねてみたくなる。



・・・わたしは、どんな風に感じるだろうかと。




この後、TVでスタジオジブリ関連で
女優の鶴田真由が屋久島を訪れていた。

ガイドとして、伐採が行なわれていたころ
森に住んで子供時代を過していた人が同行していて、
途中小学校跡に足をとめたり古い写真も出たりして
番組は興味深かった。

屋久島。。。きっといつか、行くぞっ。





はげみになります♪ ぽちっ、ぷりーず。
ブログランキング・にほんブログ村へ







望楼館追想

2008-07-28 10:41:13 | 







望楼館追想
当たり
が多い。

多忙な中、借り出しが多そうなものの中から、
冒頭を立ち読みして選んできてくれているらしい。

いいのだけでも、面白さを共有したいのだけれど
本人はそんな時間はこのところトンととれない。
・・・かわいそうに。


clover


主人公をはじめ登場人物はどこか風変わり。
その美しい名前に反して、みすぼらしく傷んだ古い邸宅、
望楼館と同様に世間から取り残された時間の流れの中いる。 

暗くじめじめした物語が、不条理に展開していくのかと思いきや
新しい住人が「動き」・「変化」をともなってやってくる。

まるで館全体にかけられた魔法を解かれたかのように
一人ひとりの過去が謎解かれ、よどんで停滞していた
それなりの平和が崩壊していく。
まるで壊れかけの機械にあたらしい強力なモーターを
つけてしまったかのように。

そして、館も人も消え去ってしまいそうな瀬戸際から・・・

・・・・この続きは書かないでおこう。




好みからすると、繊細で筋の通ったストーリーは筋が
通り過ぎていて、あいまいが残らないところが
読後感がすっきりしすぎてしまって寂しい。

ハッピーエンドに感動したのに、時間が経つと
そうでないほうが心に残りそうな気もしてくる。

けれど、この主人公とアンナ、それぞれに奇異で
それでいて妙にリアルな人間性を感じさせる2人の
真摯さは、ずっと心に残りそうだ。
この「人間」の描きっぷりに1番ひかれた。

ストーリーや構成も面白くてひきこまれると
いうだけではなく、作者の他の作品にも通じる
主題がはっきりと根底に流れている。



主人公のような、いろいろなおぞましさを
誰でも持っているかどうかはわからないけれど、
少なくとも、私は持っている。
だからこそ、やはりこのゆで卵をつるっとむいたような
拍子抜けするほどのエンディングはうれしい。

 ―いいんだよ。それでもいいんだよ。
  心に○○さえ持っていれば。

と、許されたようで。




clover



まったくもって、どうなっているんですかね?

持ち物は、持ち主に似るんでしょうか?
伝染性へそまがりor夏バテ??
休止宣言した途端に、
コメントのお返事に泣き言を並べた途端に、
何時間もねばってジタバタ苦戦しても
いっこうに働かなかったカメラのスキャンが
サクサク動き出しました。

nose4

信用できない不安定さ。今後、どうなることか。。。
 
なにはともあれ、
この本の感動を忘れないうちにUP出来て、うれしい。




快気祝いにポチッ♪
ブログランキング・にほんブログ村へ






そこでゆっくりと・・・

2008-02-12 10:38:08 | 







そこでゆっくりと死んでいきたい気持をそそる場所



この、自分と同年代の芥川賞作家を私は
知らなかったので、最初親世代の人かと思った。
文が丹精で、懐かしい時代色?があるのだ。

ところが、PCとかでてきて、「え?」。
取り上げ方が、やや構えているところで
「もしや同世代?」

いたるところ、思わずメモを取りたくなるような
表現にあふれている。
ああ、こんな風に言葉を操れたら!・・・とおもう。

松浦寿輝(まつうら・ひさき) 作家・詩人。
1954年東京生まれ。
『花腐し』芥川賞のほかにも
評論『折口信夫論』で三島賞、詩集で高見順賞
などの受賞歴。

装画・本文挿画に使われている
フィリップ・モーリッツの銅板画を所蔵し、
宮沢賢治「やまなし」のカバーバージョン「あやとり」の
イラストを自ら描くひと。

・・・すごく興味がわいてきた。





異色な本

2008-01-24 11:19:28 | 




時折、夫に図書館の本の返却と借り出しを頼む。

「え。○○いくの? ついでに図書館によって本返して来てくれる?」
  ・・・「あ。 ついでになんでもいいから借りてきてくれる?」

ついで』も二つ重なると、かなりの手間だろうに。

忙しい中でも、引き受けてくれる気の良い夫に感謝。

最初に頼んだときは、普段話しかけてもピントはずれな
返事を繰り返えすnose6人が、どんなnose4本を
持ち帰るのかと不安に感じていたものだけれど・・・
実は、コレがなかなか面白いので申し訳ないけど
ものぐさな使い立てから一層足が洗えなくなった。

自分では、手に取りそうにないのに読んでみるとなかなか
面白い本って、結構あるもんだ。


    

    



『ピーターラビットと歩く イギリスの湖水地方 
ワーズワースとラスキンを訪ねて』は、夫の「よみどおり」
映画『ミス ポター』の余韻がまだあってとてもうれしかったし、
こんな本を片手にいつかイギリスの湖水地方に連泊したい
と思ってしまうぐらい内容が詰まっていて楽しかった。
安全パイの『神の灯火』はそれなり。

ミスフォーチュン』・『ミスアドヴェンチャー』が今回の
ダークホースだった。

偶然にもそれぞれに処女作。次作を読みたいかというと遠慮するけど。。。
アッケラカンとした独白のように、波乱のない読みやすい箇条書きの
回顧録とも呼べそうな『ミスアドヴェンチャー』、
時間をかけ練りに練り上げた古典のかおりさえ漂ってくる
それでいて奇妙な味の『ミスフォーチュン』。

それぞれ妙に面白かった。



 


今回の本

2007-12-20 12:38:15 | 






  

    

    


□ 別冊『太陽』クマガイ モリカズ   
     何もかも、すごくステキ。美術にとりわけ興味のない人にでも
     この本を見せて廻りたい
とおもうような作品とその人柄。
     自由に、意のまま生きながら芸術に真摯で
     いきものを愛し、人好きで人にも愛された人。

□ ベルンハルト短篇集 ふちなし帽
     トーマス ベルンハルト (著), Thomas Bernhard (原著)
     西川 賢一 (翻訳)
     文章の雰囲気、あらすじは一つひとつ味もひねりもあって
     面白いのに。。。どこか肌が合わない。
     入り込めなかった。
     弱者の妥協や屈折した人生観・生き方にどうしても
     反発してしまう。

□ 聖地チャームンディ・ヒルへ
       ―「気づき」までの1001の階段

     Ariel Glucklich (原著) 小川 敏子 (翻訳)
      インドへ友人に誘われるまま療養に来た青年が聖地に
     続く階段で出合った老人は青年を導くかのように寓話を
     語り始める・・・。

      インドへ向かう人は、どこかこんな出会いを期待
     している部分があるのかもしれない。
     実際、インドで聖地を訪れると、どこからかふわりと訪れる
     怪しげなガイドや、いたるところで修行する人を見かける。
      著者もそんな実体験から刺激されての執筆かと想像したら
     ヒンドゥー教、サンスクリット文学を専門とする大学教授だった。   
      青年に声を掛けてきた不思議な老人の寓話は宗教観
     にそったインドの人々には理解しやすいものなのだろうか?
      
      インドの賢老人とアメリカ人の青年の会話の間で、
     どちらの文化にも属さない日本人である自分を意識しながら、
     この本は青年と一緒に老人に翻弄されながら面白く
     読み進んだ。

□ 理想的な結婚の後始末
     エイヴリー・コーマン (著), 大谷 真弓 (著)
     原題 『A Perfect Divorce』: 完全な離婚。
     この本に書かれているのは、ずばり離婚後両親と
     その一人息子が、それぞれのあたらしい居場所を
     見つけて、大きなダメージから再び立ち上がるまでを
     描いている。
     といってもその離婚は、それほど悲惨だったわけではない。
     両親の双方が経済的恵まれて、双方が息子を大切に
     思っている。息子も、反発する事無く親の離婚を受け止め
     やがて自立していく。

     心に残るのは両親のそれぞれが一人暮らしの息子の部屋で
     1つの家族としてうまくいっていた頃の三人の写真が
     飾られているのを見て、息子の心中を知りショックを
     受けるシーンだ。離婚にあたって、子供が受けるいたみを
     この本の主人公達は過小評価していたのだ。

     この本は、おしゃれなTVドラマを見ているよう。
     それでいて離婚後のそれぞれの心の中の復縁の可能性や
     互いの新しい家族関係や恋愛・仕事を軽妙に描き
     ながらも、大人のエゴや社会的なヒエラルキーなど
     随所に生々しく現実感を現し、・・・見かけより中身があった。
     最後はちょっと息子の未来を中心に、ご都合主義に
     景気よくハッピーにまとめてしまっている感あり。
     
     
□ ミルン自伝 今からでは遅すぎる
      A・A・ミルン (著), 石井 桃子 (訳)
     『クマのプーさん』の著者の自伝。
      恵まれた幼少期と恵まれた才能。
      努力しても本人より秀でることのなかった兄を
      何度も協調するあたり。。。鼻持ちならない。
      インテリのやさしいおとうさん像を想像していたので
      読まない方がよかったかな。^^;

□ 12番目のカード
      ジェフリー ディーヴァー (著) 池田 真紀子 (翻訳)
      内容(「BOOK」データベースより)
      ハーレムの高校に通う十六歳の少女ジェニーヴァが
      博物館で調べものをしている最中、一人の男に
      襲われそうになるが、機転をきかせて難を逃れる。
      現場にはレイプのための道具のほかに、タロット
      カードが残されていた。単純な強姦未遂事件と
      思い捜査を始めたライムとサックスたちだったが、
      その後も執拗にジェニーヴァを付け狙う犯人を
      まえに、何か別の動機があることに気づく。
      それは米国憲法成立の根底を揺るがす百四十年前の
      陰謀に結びつくものだった。そこにジェニーヴァの
      先祖である解放奴隷チャールズ・シングルトンが
      関与していたのだ…。“百四十年もの”の証拠物件を
      最先端の科学捜査技術を駆使して解明することが
      できるのか?ライムの頭脳が時空を超える。

      うーん。残念。貸し出し期間切れで読み終えることが
      出来なかった。予約が多くついているので、
      再度借りることはないだろう。どこかで、ブックレヴュー
      を読んで借りてみたけれど、面白さをすごく感じる
      とこまで至らなかったし。。。