写真・記事とも福井新聞より
山あいの〝桃源郷〟として知られる福井県大野市西勝原で、ハナモモが満開になった。先週末からの陽気に誘われ、一気に開花。例年より2週間ほど早めで、地元住民は「桜と同じ時期に咲くなんて初めて」と驚いている。
JR越美北線沿いの土手や広場に100本余りが、ふっくらとした白やピンクの花を付けている。周辺では桜のほか、コブシ、シバザクラ、水仙なども見ごろを迎えており、まさに百花繚乱(りょうらん)。
13日は、満開を知った家族連れやお年寄りが散策して楽しんだ。福井市の50代の水彩画愛好家は「様子を見に来たら満開でびっくり」と、早速スケッチブックを広げて風景を描写。住民の一人は「こんなに早く満開になるなんて」と驚きながらも、あふれる花に目を細めていた。
ハナモモは、地元の林しのぶさん(82)が1980年ごろ、苗木11本を植えたことがきっかけで少しずつ増えた。近年では近所の人たちも手伝って世話している。
まとまって咲く姿の美しさや、桜よりも長く花を楽しめることから話題となり、見ごろとなる4月末には毎年、大勢の行楽客やアマチュアカメラマンが集落を訪れるようになった。