ゆかいな床井くん

ゆかいな床井くん
戸森しるこ 講談社


わたしは、六年二組の三ヶ田暦 みけたこよみ
同じクラスの男の子床井くんはわたしに向かって
「さんけた？」
「みけたです。三ヶ田暦」と
いうと
「みけたか！じゃあミケだな」と言った。
「ミケはロングロングヘアーだよな。おれは
ロングロングアゴーだけどな」←あごが長いという
こと。
ある朝などバッタを連れてきて「これは
スタバッタっていうんだ」←スターバックスの
前あたりで付いてきたから。
「ソウルミュージックは韓国の音楽だと思ってた」
などと、ボケることも。
小学生にしてこのボケ力はすごいと思う。さぞかし
周りを明るくしていることだろうと思う。それだ
けでなく床井くんは、ここぞというときは、相談に
のってくれる。女同士のいさかいにだってコメント
してくれる。こんなことしたら、〇〇ちゃんが
かわいそうとか、女子は気を回すことがあるけど
床井くんは「気にしてないと思うぜ。」などと答え
てくれる。それも、適当に言っているのではなく、
説得力のある解説付きで。
床井くんは結構深みのあるいい男の子でした。