今まで読んだ椋鳩十さんの作品は、
人間と動物の深い関係や、動物の親子の情など
感動するものばかりでしたが、このネズミ島物語は、
全く雰囲気の違うものでした。
全部の木を伐採し、畑を耕しさつまいもを育て生活していた
ある島に、無人の船が漂着した。
何十年も前に難破した船なのか、何千ものネズミが
船から現われ出たのだった。
みるみるうちにネズミは、何万もの数になり
畑の芋を食べ人間の生活を脅かす。
畑に黒いじゅうたんが敷き詰められたように
群れをなして人里に現れるネズミの姿を想像すると
恐怖映画のよう・・。
あの手この手と、ネズミ退治を試みるのだけれど
ねずみ講という言葉がある通り、ちょっとやそっとの作戦では
追いつかないのでした。
自分ならこうしてみるのに・・なんて考えながら
読むと、どんどん物語の中に引き込まれていきます。