
大阪府が「
ニート」から「
レイブル」への呼称変更を訴えている。
「レイブル」って……「
late bloomer」(遅咲き、大器晩成)の略らしいけど。
何だかなあ。気持ちや意図はわからないでもないのだけれど、
社会的に「ニート」そのものが蔑称のように考えられている現状がある以上、
「レイブル」と言い換えたところで、結果的に同じでしょ。
☆
「
NEET」自体も「
Not in Education, Employment or Training」の略語。
(日本においては、25~34歳の若年者)
まだ「
教育、労働、職業訓練のいずれにも参加していない状態」であって、
それだけで見るならば、決してマイナスの価値評価を与えるべき筋合いはない。
特定の体系に偏することのない、純粋にニュートラルな状態と言ってもよい。
☆
かつて「浮浪者」が放送禁止用語に加わったことで、
「路上生活者」「ホームレス」と言い習わされるようになりはしても、
差別意識が残っているならば、事態が変わるはずもない訳。それと同じ。
例えば、「浮浪者」という語を覚える前に、「ホームレス」という語を教えられた
子供たちが、「ホームレス」という言葉で何を思い浮かべるか、考えてみればよい。
☆
文章を扱う職掌柄、こんなことを言うのも何なんだけど、
言葉は常に“表面”にとどまるもので、それこそ単なるレッテルに過ぎない。
(それ故の難しさが、運用する上でどこまでも付きまとってくる)
「ニート」と呼ばれようが、世間からどう思われようと、
自分でやるべきことは自分でやる。それでいいんだと思う。
部外者が勝手に押し付けてくるイメージなんぞ、Bullsxxt!だ。