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「トーヨー新報」食客日記

豆腐などの大豆(加工品)、こんにゃくを中心に、日本・世界の食文化……その他諸々について、あれやこれやと夢想する日々です。

煮れば締まる

2011-10-03 18:21:53 | グルメ

全給協全国給食事業協同組合連合会」のホームページに
「食のことわざ」なるページが設けられていた。
ことわざと呼べるほど、人口に膾炙しているかどうかは
かなり疑問な言い回しも散見されますが、面白ければ良いです。
ざっと見て、豆腐業界に関連しそうな言葉をピックアップ!
       ☆
煎り豆と十七娘はそばにはおけぬ」……ちょっと、エロいですね。
こんにゃくの裏表」……新日時代の藤波辰爾はこんにゃく社長
白豆腐の拍子木」……堅豆腐ならば、こんなことも言えないはず。
豆腐は煮れば締まる」……う~む。唯一、唸らされた名文句。
人は困難なことに直面して苦労すると、人間が練れるという意味らしいです。


田楽のソース

2011-10-03 08:18:28 | グルメ

豆腐を串にさして焙るを、など田楽とはいふ。
されば田楽の姿、下には白袴を着、その上に色ある物をうちかけ、
鷺足にのり踊るすがた、豆腐の白に味噌をぬりたてたるは、
かの舞ふ体に似たるゆゑ、田楽といふにや。
夢庵の歌に、
   たか足を踏みそこなへる面目を灰にまぶせる冬の田楽

       ☆
(豆腐などの)「田楽」の語源を、近世の日本芸能における
田楽法師の姿になぞらえたものだ――と知らない者は(この業界では)少ない
と思いますが、そのソースにまで当たった人は意外と少ない? 
落語のネタ本としても高名な安楽庵策伝醒睡笑』から引用したのが上掲。
(当然、これに先行する一次資料もあるかとは思いますが、有名どころから)
まず、田楽法師の下袴をベースになる豆腐の白色と重ねています。
次に、法師の乗る棒(高足)は1本なので、それを鷺が一本足で立つ姿に見立て、
そうして、(色ある物だけでなく)田んぼの中で踊っていれば泥の飛沫を浴びる訳で、
その汚しを白い豆腐に塗った味噌と見る――ヴィジュアル的に明快! 

平野蒟蒻

2011-09-29 08:49:04 | グルメ

近松門左衛門心中重井筒」(1707年初演)中之巻の冒頭で、
火廻し」という言葉遊びの一種が出てくるよ。
――大坂万年町の紺屋の養子・徳兵衛が深く契った
お房(徳兵衛の実兄の営む六軒町の色茶屋「重井筒」に居る)を
含めた面々で、頭に「」の付く言葉を次々に挙げていく。
その中に「平野菎蒻」という語が登場するのね。
       ☆
何だろう、これは!と思い、調べたらば、大阪・平野の名物でした。
平野郷は元禄、宝暦時代の頃から有名な蒟蒻玉の産地。
しかも近年、「京政食堂」において復活しているらしい。
ヒジキ、ニンジン、胡麻、銀杏入りで、特製の辛子酢味噌で頂くとか。
まあ、こういう大阪土産は抜きにしても、平野は由緒ある良い街よ。

うましもん!

2011-09-22 12:02:35 | グルメ

日頃から小泉武夫センセイの著作には助けられ、
笑かしてもらっているのですが、コンビニ本でも出ていましたわ。
発酵人 小泉武夫のうましもん!』(少年画報社)のタイトルで、
まだ途中までしか読んでいませんが、緩~い内容のようです。
新ネタは見当たらないようだし(今のところ)、
未読の小泉センセイの本を漁っていた方が幸せではあるかも。
(表題が『もやしもん』の二番煎じ?!なのも、つらいなあ)
まあ、ライトなグルメ・ファンの琴線に引っ掛かれば良いのかな。
       ☆
さて昨日、風雨の中を愛知へ向かったマラソン部長。
中部パックの特別企画、セミナーでの講演会の取材が目的。
ところが、台風15号の影響で新幹線がストップしてしまい、
肝腎の講演を行うはずの小泉センセイが来場できませんでした。
部長も悔しがっていましたが、最新講演に触れられなかったぼくも残念。

小麦・トウモロコシ・稲!

2011-09-16 08:54:45 | グルメ

今は亡き(?)「仮面ライダーOOO」を偲んでのタイトル。
余談はさて置き(まあ、ぼくのしゃべくりは 98%余談ですが)、
小麦、トウモロコシ、稲は、世界の作物の栽培面積でベスト3。
第4位はジャガイモに当たるとか(山本紀夫『ジャガイモのきた道』)。
じゃあ、大豆は何位?と調べたら、統計データで微妙に異なるなあ。
       ☆
時折、ドイツ人を気取って、ジャガイモが主食とうそぶいて、
黒ビールを呷りつつ、茹でたジャガイモを頬張り、
日本酒のアテに肉じゃがが出ると、にんまりするぼくなので、
ジャガイモの再評価(?)は好ましい次第。
近年のお気に入り品種は「インカのめざめ」。
暖かい色合い、ほっくりした舌触りが何とも言えません。
       ☆
そんなジャガイモも西欧社会に持ち込まれた当初は迫害され、
悪魔の植物」と罵られたそうです。
(「悪魔の舌」とも呼ばれるこんにゃくを髣髴)
理由は「聖書に載っていないから」……失笑。
人を超えた存在を畏れ、憧れるのは悪くないと思いますが、
他の“神々”を排斥するような偏狭さは、どうにも相容れません。

妄想豆腐

2011-09-15 08:34:50 | グルメ

通勤電車の中で、ゲランドの塩についての新書を読みながら考えた。
(考えたことは、読んでいる本とは無関係)
四コマ漫画のネームに使えるだろうか? 頭をめぐらせ、否、否、否。
豆腐を培地に仕立てて、そこに大豆の種子を植え付け、もやしを栽培。
名付けて「萌やし豆腐」! もやしにはGABAがいっぱい。
GABA豆腐のように付加するのではなく、直接的に野菜そのものと合体。
でも、凝固する前に大豆種子を投じようとすれば、豆乳温度を
種子が死なない程度に冷まさないといけないなあ。
あと出来上がった豆腐を冷却保存する温度で、種子が発芽してくれるかしら。
それから、妄想を無理やり実現できたとしても、パッケージが大変。
       ☆
P.S. さらに調理することまで考えたならば、
普通の豆腐ともやしを別個に買っても、結局一緒じゃないかwと。

祝200丁

2011-09-10 15:07:21 | グルメ

つい先日、前田なな画伯に「連載 200回、おめでとう!」なんて
つぶやいていたらば、メール(添付画像付き)が返ってきたのです。
何と、画伯のおばあちゃまがプレゼントで祝ってくれたそうで。
その贈り物とは……豆腐(笑)。やるなぁ、おばあちゃん! 



ご覧のとおり、丁寧にリボン付き。
祝 200丁 ババより」とのメッセージや
金一封の入った封筒とともに、冷蔵庫に入っていたそうです。
(実生活でも、漫画のネタかよ!と突っ込みたくなったぉ)
ちなみに、お札は冷え冷えだったとか。

冷凍○○

2011-09-05 12:31:41 | グルメ

冷凍させることで成分が変性したり、食感が変わったりしたものを
楽しむ食品がある。有名どころで、高野豆腐とか、凍結酒とか。
ウェブ上の記事で、意外な冷凍食品に行き当たった……「アイス梅」! 
これはなかなか美味しそうなだけでなく、健康にも良さそう。
元をただせば、ただの梅干しなのだから、身体に悪い訳がない。

シチューうどん

2011-08-29 08:20:13 | グルメ

某大型掲示板で、カレーうどんはあるのに
何でシチューうどんはないの? みたいなスレが立っていて、
思わず「あるのに……」と呟いてしまいます。
大阪、と言うまでもなく、お家の近所(中崎町)の飯屋の
メニューに「シチューうどん」が掲げられ、表にも張り出されていますね。
ただ要注意は、シチューと言っても、クリーム・シチューでもなければ、
ビーフ・シチューでもないこと。肉うどんと見紛うばかりの見てくれです。
何でも昔(文明開化もそう遠くはない頃?)は、
お肉を食べるのがハイカラな習慣で、滋養たっぷりの肉を
出汁で煮込んだものが「シチュー」と呼ばれていた名残の模様。
まあ、そういう変化球的ネーミングによる「シチューうどん」以外にも
日本のどこかでは、直接的なシチューうどんも存在しているようですが。

からし豆腐の問題

2011-08-24 18:37:26 | グルメ

行き詰まったら、現場(の人)に聞く。
岐阜の豆腐業者にお電話を差し上げ、
戦後のからし豆腐の変遷について、お話を伺いました。
その発祥、変遷についての謎は、
一部で解き明かされつつ、他方で深まるばかりの面も……
ですが、ぼんやりと見えてきたアウトラインはあります。(現時点での仮説は本紙に)
       ☆
岐阜のほか、北陸、京都、大阪などで、からし豆腐が流通していることは有名ですが、
高知においても、からし豆腐らしきものがある!との新情報も頂きました。 
加えて、以前は「からし豆腐=茶碗豆腐」の認識を得ていたのですが、
岐阜周辺のからし豆腐と、北陸(および派生系の京阪?!)の茶碗豆腐とは
似て非なるものではないか?との示唆が、とても勉強になりました。
ご多忙の中、電話取材をお受けくださった関係者の方には、大感謝なのであります。