五穀 2011-11-22 08:45:19 | グルメ 明日は「勤労感謝の日」で祝日。しかしながら、ここ数か月は 休日出勤や持ち帰りの仕事で、勤労尽くしの日々のため、 何に感謝すべきか、見えづらかったりして…… ならばいっそ、新穀の収穫に感謝する「新嘗祭」の方が 感覚的に納得できるわ。Viva 旧暦! 古来、日本人は五穀豊穣を願い、祈り、祝ってきたのだけれど、 さて、その五穀とは―― 『古事記』だと、稲・麦・粟・大豆・小豆、 『日本書紀』だと、稲・麦・粟・稗・豆になるよ。 そう、大豆も五穀のひとつに数え上げられることを忘れてはいけない。
鹿沼こんにゃく 2011-11-17 09:56:13 | グルメ 昨夕帰宅すると、土鍋に筑前煮らしき物が煮えていた。 炭水化物が欲しかったけれども、ご飯が無かったので、 冷凍の生麺を茹で、万能調味料「味覇」と醤油でスープを作り、 冷蔵庫の有り合わせの野菜を投じて、シンプルな湯麺を拵えた。 湯麺を啜りながら、筑前煮を摘まんでびっくり。こんにゃくの食感に、だ。 ……そこで、問題の品が某ルートから手に入った 栃木の地域ブランド「鹿沼こんにゃく」だったことを思い出す。 気泡を多く含ませているためか、“ため”のある歯応え。 牛蒡などアクの強い根菜にも負けない、こんにゃく本来の野趣。 伝統に裏打ちされた、こんにゃくの底力に唸らされた夜だよ。
餅どうふ 2011-11-15 08:45:28 | グルメ 大鷹不二雄『鏡花恋唄』(新人物往来社)を読み進めていると、 小説中に「餅どうふ」なるものが登場する。 当初の舞台となる「真葛」という名の店(=遊郭)に出る前の 幼い少女が切るものとして扱われ、作中では「真葛どうふ」とも呼ばれている。 ☆ 「きはちす、という老舗でつくったとうふのなめらかな手ざわりは、 毎日ふれるから、よくしっていたが、そのあじも、 舌にのせたやわらかさも、お鏡(=ヒロイン名)はまだ知らずにいた。 ただ、そのしろいうつくしさは、まき(=お鏡の友人)のうなじの白さに よく似ていて、お鏡は包丁をつかいながら、なんども、きゅっと唇をかみしめた」 ☆ 文章に平仮名を多用しているのは、はんなりとやわらかな世界観を 表現しようとの意図。また、13歳の少女であるお鏡の視点から 描かれているからでしょうか。文体分析はともかく、 この「餅とうふ」――豆腐に片栗粉を混ぜて拵えたものか? あるいは別名「真葛豆腐」から連想が働いてしまうように 葛粉を使用した葛豆腐、つまり「呉豆腐」の類かな?と いろいろ頭をめぐらしてしまいますねえ。間違いなく、職業病w。
1972年のエルニーニョ 2011-11-02 08:23:47 | グルメ 「私がエルニーニョという言葉をはじめて聞いたのは1972年であったが、 その翌年にエルニーニョは、日本にテレコネクションを起こすことになった。 1973年に突然、豆腐の価格が上がったのである。 当初は、商社の買い占めであると騒がれ、 主婦が三菱商事などに押しかけて、一騒動を起こした。実は、 それまで国際アグリビジネスは、肥料蛋白質にフィッシュミールを使っていたが、 これがエルニーニョにより採れなくなって、大豆が肥料の原因になったからである。 大豆の卸値が1.5倍から2倍に跳ね上がり、豆腐の価格を上昇させたのである」 (小松左京「地球文明人の記録と記憶」)
瓢亭 2011-11-01 12:54:18 | グルメ 先週末は、「お初天神(露天神社)」の近くで蕎麦を手繰る。 (“たぐる”なんて言うと、蕎麦通は怒るかしら?) 近松門左衛門『曽根崎心中』で有名な神社の脇へ入った ごみごみした(失礼!)小道に並ぶ良店が「瓢亭」。 独りだと駅前ビルで古書や中古CDを漁った後、 もしくは友達と呑み歩いたりした後に飛び込んで、 「夕霧そば」「お初そば」を頼むのが何か心地良いのね。 夕霧そばには、徳島産の柚子の皮が練り込まれ、 お初そばは、梅肉などが練り込まれている風情。 さっぱりとした食味で、呑んだ後の締めに最高!
紅葉豆腐の謎を解く 2011-10-27 12:02:27 | グルメ 映画『豆腐小僧』によって、世間一般的にも 忘れ去られていた「豆腐小僧」という妖怪の存在は ちょっとはメジャーになったかなと思いますが、 この豆腐小僧が手にした豆腐には、紅葉の模様が入っています。 例の「紅葉豆腐」です。貞享元年(1684)刊の『堺鑑』を見ると、 紅葉豆腐は堺の名物だったとの記述も見られます。 ☆ しかし、なぜ、豆腐でなければならなかったのか? よく聞かれる説に、「紅葉(こうよう)」と「買うよう」の洒落 が挙がりますが、商売人が商品を買ってほしいのは当たり前。 納豆だって、蒟蒻だって、「紅葉」を付けても不思議ではないのに。 以前、豆腐小僧の周辺を探っていた時に、 引っ掛かっていたことがあったのですが、今回、ようやく裏を取れたかも!
妄想豆腐(2) 2011-10-21 12:09:41 | グルメ その場で、出来たて豆腐。チルド飲料みたいな容器 (温める必要もあるので耐熱性)に豆乳が入っていて、 開封時、にがりが注ぎ入れられるように加工されているのね。 名付けて「モバイル豆腐」!(あるいは「ユビキタス」を駄洒落で使えないか?) 小鍋に容器ごと投じて、温豆乳の温度が適度になったかな と思いきや、引き上げて開封。同時に、にがりが混入されて おぼろ豆腐がもやもやもやと出来かかってくるのをスプーンですくう。 これは豆乳や凝固剤などの原料よりも、容器メーカーさんに頑張って 工夫してもらう必要があるなあ。しかも手間暇かかり過ぎやし。 簡易加熱剤を使用すれば、お湯で温める必要もなくなるけど、コストが……。
茶飲料 2011-10-12 17:05:49 | グルメ 「食品衛生法」において、清涼飲料水は 「乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量%未満を含有する飲料」 と定義される。この清涼飲料水(アルコール1%未満)は、さらに個別に 分類されており、例えば「茶系飲料」として 紅茶飲料、ウーロン茶飲料、緑茶飲料、麦茶飲料、混合茶(ブレンド茶) ――が具体的に挙げられる。(紅茶とウーロン茶を除く)茶系飲料は、 炭酸飲料や果実飲料のように農林水産省の管轄にもなければ、 乳飲料のように厚生労働省の管轄にある訳でもない。 果実飲料、コーヒー飲料、乳飲料は、公正取引委員会の承認も要る。 ただし、紅茶飲料、ウーロン茶飲料については、ミネラルウオーター類と 同様に、農水省の品質表示ガイドラインに従わねばならない。
真味 2011-10-06 08:17:30 | グルメ 弊紙に(不定期)掲載している洪自誠『菜根譚』。 以前、会長も前集7を取り上げていましたが、 「醲肥辛甘は真味にあらず。真味は只だ是れ淡なり」 ――まさに豆腐のことに当てはまるわ、と感嘆。 ただし個人的に、豆腐という食材によっぽど魅かれてしまうのは 行こうと思えば醲肥辛甘の方にだって振れるんだぜ! という、豆腐の懐の深さ、融通無碍の趣にあるのだろうなあ。
ネッスル 2011-10-05 08:44:25 | グルメ インスタント・コーヒーなどでお馴染みの 「ネスレ日本」(Nestle Japan Limited)。 ぼくが子供の時は(年寄り話かよw)「ネスレ」でなく 「ネッスル」と英語読みしていた記憶が。 現在は、フランス語風(?)に「ネスレ」で通りますけど。 ところで、ネスレのコーヒー・ブランド「ネスカフェ」の文字面が 近年、インターネット・カフェの略語「ネカフェ」と取り違えそうで困る。 耳でも、「ネットカフェ」を早口で言うと「ネスカフェ」と近づくしね。