
Pファンクの“音の壁”の構築者、バーニー・ウォーレルの
(ロックなおじ様方には、トーキング・ヘッズやキース・リチャーズと組んでいた人?)
ソロ・1stアルバム『All the Woo in the World 』(1978年)が
再発されていますよ。歓喜! 1993年に発売されていたCDなんぞ、
某マーケットプレイスで 1万9,780円からのぼったくり価格で出品されてますもの。
お手頃な価格で、良い音にめぐり合えるのは非常に有り難いこと。
昔からPファンク関連は聴いてきたけど、あちこちで漏れていた音源を
こつこつと入手し、じっくり聴き耽るのも、新発見やら驚愕やらあって、愉しかりけり。
最近ジュニーのソロ旧作の変態度合いにめろめろなだけに、バーニーにも超期待。
ここ数年、CD等のパッケージだと、新譜以上に旧譜の方を買っているような……。

夏が終わってから、(以前に増して?!)仕事三昧な日々。
現在のぼくのささやかな悦びは、新譜のリリース待ち。
キース・スウェット、ジョニー・ギル……来るぞ、来るぞ。
他にもいろいろあるけれど、目下の最強盤は
ザ・タイムの復活アルバムよ。再結成は実に21年ぶり。
☆
プロデューサーとして名を成したジャム&ルイスも良いけど、
胡散臭さが魅惑的なリード・ボーカル、モーリス・デイ、
鏡持ち(笑)のジェローム・ベントン、
限りなく殿下に近い似非殿下、ジェシー・ジョンソンらが大好き。
殿下の不興を買ったのか、「The Time」というバンド名は使えず、
「The Original 7ven」でのリリースとなるようだけど。
☆
ジャム&ルイス談「もし皆が ザ・タイムの方が良ければ
そう呼んでもらって構わないし、全く気にしない。
俺たちはもう名乗ることはできないが、ファンは自由だ」
……殿下自身も前世紀、改名問題で揉めたことがあるはずなのに。

現在のBGMは今夏(7月23日)逝ってしまった
Amy Winehouse「You Sent Me Flying」。
捻りが無さ過ぎ? 歌詞カードを熟読することもなく、
And although my pride is not easily disturbed
you sent me flying when you kicked me to the kerb
With you battered jeans and your beastie tee
――の辺りの声(悲痛な告白?!)だけで、涙腺が緩むわ。
しかし、このナンバー。歌い出しから、アウトサイダーズや
エリカ・バドゥの名を引用したりして、音楽の趣味が憎いのよ。
どうしてもエイミー本人の声の魅力にばかり目(耳?)が向かうのは
仕方ないとして、それを生かし切った空間構成も良いよね。
極めて正統なジャズ・ボーカルのスタイルを踏襲しているようで、
きちんとヒップホップ以降の洗礼を受けていると伝わるのが親近感。

後期Pファンクを支えた功労者、ジュニー(Junie Morrison)の
ソロ・アルバムが再発されているので、早速入手しては
よだれを垂らさんばかりの勢いで聴き込んでいますわ。
ジョージ・クリントンやらブーツィーやらホーニー・ホーンズやら
曲者揃いの面子のせいで、意外と過小評価?!されることもないではない
ジュニーですが、あのオハイオ・プレイヤーズの初期メンバーにして、
(殿下を髣髴とさせて)一通りの楽器演奏はこなすマルチ・アーティストぶり
&変態センスw。最もファンキーである者が、最も哀愁を漂わせるという逆説。
BGMは名曲「(Not Just) Knee Deep」を敢えて避け、「I Love You Madly」。

台風が通過していくたびに、すっかり秋の風情。
涼しげな空気に合わせて、自宅では
エイミー・ワインハウスやシャーデーがBGMに。
ちょっとジャジーなアレンジがある方が、秋っぽいのよね。
それでも、夜が更けると、ファンカデリック『マゴット・ブレイン』w。
どういう刷り込みか、真夏にパーラメント『モーター・ブーティ・アフェア』、
秋口に差し掛かると『マゴット・ブレイン』を聴きたくなるのよねえ、昔から。

「切ない感じのラブソング」というリクエスト(?)を貰った。
ぼく自身は割とすぐ泣くwのですけれど、
「泣ける曲」と言っても、ツボが違うからねえ。
(強がりで意地っ張りなくせに、すぐ泣く女の子が大好き)
とりあえず、shai の「Comforter」(1993年)。
1990年代に綺羅星の如く現れたコーラス・グループのひとつ、
シャイだと「If I Ever Fall In Love」の方が挙がるだろうけど、
自分の想いより相手への献身を歌う方が、何となく気分。
最後に、毒っ気を含める意味合いで、やっぱり殿下。
「I Hate U」(1995年)……失恋ソングなんだけど、過剰過ぎ!

1960~70年代だと、最強のソング・ライティング・チームと思われる
アシュフォード&シンプソン。モータウンで大活躍した仲睦まじい夫婦
ですが、今夏、ニック・アシュフォードが亡くなってしまいましたね。黙祷。
彼らの代表作を挙げれば、山のように出てきて、限ない訳。だけど今回、
マーヴィン・ゲイでも、ダイアナ・ロスでも、チャカ・カーンでもなく、
ぼくが押すのは、The Dynamic Superiors「Shoe Shoe Shine」。
1974年、アシュフォード&シンプソンのプロデュース。
まあ、楽曲の素晴らしさは言わずもがな、
やっぱり、ダイナミック・スーペリアーズのリード・ボーカル、
トニー・ワシントンの妖艶なファルセットが決め手よねえ。
LPのジャケットから窺えるトニーたんは、薔薇の花が似合う素敵なお姐w。
(2in1のCDは入手し易いけれど、ジャケ写が縮小されるのが残念!)

昔から黒い音が好きだった。物狂おしいサウンドを偏愛した。
濃いめの小説を読み耽ったのと同じことか。
それが世紀を跨ぐ頃、同時代の音と距離を取り始めて、
一世代前の音楽ばかり聴き込むようになった(現在は復帰したけど)。
そんな事情から、個人的に2000年前後になると、
以前のような鬼リピート曲は ぐっと少なくなってしまうのだけれど、
例外なのかな、Gnarls Barkley の「Crazy」(2006年)。
☆
あの時のことを思い出す。思い出すさ
我を見失ったあの時のことは忘れない
あの場所では、如才のない何かが支配していた
あの広大な空間で、君の感情の残響に包まれ……
そこから放り出された君。気遣いなしで
そう。ぼくは外界から遠ざかっていた
ちゃんと理解していなかった訳ではないよ
逆に、ぼくは知り過ぎていたんだと思う
(拙訳)
Maybe I'm crazy
Maybe you're crazy
Maybe we're crazy
Probably
☆
昨年のソロ・アルバムも好調だった Cee-Lo Green ――
ですが、Goodie Mob に加え、ナールズ・バークレイ名義の新譜も準備中。
売れっ子なだけに、リリース時期も順延されるんだろうな。

今の気分に合うBGMは、アイズレー・ブラザーズで
「Harvest For The World」かな。秋だしね。
オリジナルではなく、「Power Station」のカバーで耳馴染み
――なんて言うと、時代がばれるのよねw。
☆
All babies together, everyone a seed
Half of us are satisfied, half of us in need
Love's bountiful in us, tarnished by our greed
When will there be a harvest for the world
☆
すべての子供たちは皆、誰もが世界の種子なのに
満ちたりた者がある一方で、他方は欠乏に苦しんでいる
ぼくらの中に愛はあふれていたにせよ、意地汚さから別物に変わる
世界が収穫の季節を迎えるのは一体いつになるのだろう? (拙訳)