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「トーヨー新報」食客日記

豆腐などの大豆(加工品)、こんにゃくを中心に、日本・世界の食文化……その他諸々について、あれやこれやと夢想する日々です。

石丸謙二郎

2012-03-14 18:04:29 | 映画・演劇

俳優の石丸謙二郎が、納豆がバターになる「世紀の大発見」
――と、ブログ発信のニュースが流れていたよ。
要は、魯山人的なかき混ぜる回数の問題だろうなあ
と思っていたらば、実際にその通りだったw。
石丸謙二郎といえば、『世界の車窓から』のナレーション? 
いえいえ、「仮面ライダー電王」のオーナーのイメージだわ。

毛虫

2012-02-20 12:05:55 | 映画・演劇

自宅で若松孝二・監督の『キャタピラー』(2002年)を鑑賞する。
ついでに、途中まで観て、放ったらかしにしていた
ゆけゆけ二度目の処女』(1969年)も通しで観た。
(昔、観た『処女ゲバゲバ』とよく似た手法の作品だったなあ)
よくよく政治的な主張が突出しがちな若松監督ではあるけれども、
“戦争”や“死刑”制度……つまりは国家的なもの、体制に対する
あの世代特有(?)の激しい怒りをぼくは決して否定できないし、
そういった集団、組織に対して、個人的な暴力を前面に持ち出して見せた
水のないプール』(1982年)なんて、大好きな作品のひとつだ。
まあ、あれは内田裕也の半端じゃない存在感が凄いのだけれど。
(時折、役者としてのビートたけしの空気感に、内田裕也の系譜を感じる)
本題の『キャタピラー』は、江戸川乱歩の原作。
乱歩、というより、戦前の探偵小説愛好家としてのぼくは元々、興味津々。
戦時下に原作が発表された当時も、原作に対して
これは「反戦小説」ではないか?との嫌疑をかけられて、
社会的な意識に疎かった(戦前の)乱歩が冷や汗をかいたという話も笑える。
確かに、そういった要素をも含む原作『芋虫』ではあったけれども、
その(作者としては無意識的でもあった)政治的な要素を選って拾い上げ、
一点集中攻撃をかけ、アジテートすると、『キャタピラー』の出来上がりだ。
メッセージはわかり易い。直球ど真ん中のストレートで、ぐいぐい。
でも、(あくまで別ジャンルの作品を比較した場合のことだけれど)
原作に流れていた淫靡なセクシュアリティの秘密
軍神・黒川久蔵の最期の哀切さは消え失せてしまうんだよなあ。
ちなみに、毛虫や芋虫を英語で「キャタピラー(caterpillar)」。
戦車のキャタピラの動きと毛虫などの蠕動を頭の中で重ね合わせて、
なるほど!と英単語を暗記していた中学生時のぼくが、感動していたかも。

2012-02-20 09:39:20 | 映画・演劇

大学の卒論のテーマは、何ということもなくニーチェだった。
当然、その手になるテクストを精読するのだけれど、
周辺のテクスト――ニーチェ自身の書いた物ではなく、ニーチェについて
書かれた物、ニーチェの周りにいた人間の著作など――も避けられる訳もなく、
そこで、どうしようもなく記憶の底にこびり付いたエピソードが
ニーチェと馬に関する逸話だった……。
(酔っ払うたびに、その話を思い出し、共に泣きたくなる。誰と?)
       ☆
ハンガリーのタル・ベーラ監督の
そのまんまの表題の映画『ニーチェと馬』も
ぼくと同じエピソードにインスパイアされたものと知り、
特撮ドラマでも カルトでも B級映画でもなく、“普通”の映画として、
久しぶりに 真面目な顔して 鑑賞したくなった作品であることよ。

檜の匂い

2012-02-03 12:10:39 | 映画・演劇

2009年、「第13回上方演芸の殿堂入り」を果たした夫婦の浪曲漫才コンビ、
浪漫リズム」で知られたミスハワイ・暁伸の有名な話、らしい。
(以下も敬称略……改まった感じで記すと、どうにも気分が出ないので)
       ☆
上岡龍太郎「あのころ ハワイ・伸さんが大変に売れていて、あの人たちの
かけもちの仕事のために 千日劇場の出番をグチャグチャにされてしまっていた。
普通ならば自分らの仕事のために 出番が無茶苦茶になってるンやから、
師匠連中に『すいません』と頭を下げに行くところが、
プリンス・スカイラインに“ハワイ・伸”と書いて走り廻っていた時代やから、
それこそ楽屋の挨拶もそこそこに ギターを片手に、
『ど~も~』という感じで行こうとしたら、浅田家寿郎師匠が呼び止めて、
『お前らみたいなドサ芸人は礼儀を知らん。ここへ座れ! 俺の足の裏のニオイを嗅げ
俺の足の裏にはヒノキのニオイが染みついているんじゃー!』」
       ☆
たぶん、現在でもどんな職場でも垣間見られるであろう、
売れっ子の若手と 現場で叩き上げられた“主”のような存在の葛藤、衝突
……劇場舞台の檜板の匂いが 足の裏にまで染み付いている。
その年季に裏打ちされた啖呵「俺の足の裏のニオイを嗅げ!」が素敵過ぎ。
       ☆
上岡「聞いてた周りが、『ええセリフや』(笑)。
のちに当のハワイさんに聞いたら、『いや、あれはよかった』と。
『ええセリフやった』(笑)。いや、怒られたンは あんたらやと(笑)。
それぐらい いいセリフ」――『米朝・上岡が語る昭和上方漫才』(朝日新聞社)


ピーコピコ(繰り返し)

2012-02-03 09:38:33 | 映画・演劇

変なシンクロニシティは やはりあるもので、
朝方読んでいた本で「ピーコピコ」の元ネタにぶつかって、
中島らもの芝居を思い起こして、その記事を投稿した後で、
気になって検索をかけていたらば、
つい先日、ワッハ上方(大阪府立上方演芸資料館)で
若井はんじ・けんじの台本が初公開されるとあった!
       ☆
ヒットしたニュース・サイトの記事によると、
若井はんじ・けんじは兄弟漫才師で、1960~70年代の前半に活躍。
本年度「第15回上方演芸の殿堂入り」に選ばれているとか。
「ピーコピコ」や「ごめーんね」のギャグで売れたといい、
1966年に「第1回上方漫才大賞新人賞」を受賞。しかし、
はんじさんが1976年に急逝(42歳)。けんじさんも1987年に52歳で亡くなる。
台本のタイトルがまさに「頭の先からピーコピコ」で、この作者が永六輔

頭の先からピーコピコ

2012-02-03 08:57:42 | 映画・演劇

今は亡き中島らもの主宰していた劇団「笑殺軍団リリパットアーミー」の
1995年公演『こどもの一生』(後に中島自身の手によって小説化)で、
あの恐るべき“山田のおじさん”を演じたのは、中井重文だったか。
(……初演時は古田新太だったらしい!)
そのホラーな山田のおじさんが 子供返りした連中に披瀝するギャグで、
しつこく繰り返される「頭の先からピーコピコ!」というものがあり、
若い時には何のことだかよくわからなかったのだけれど、
実は往年の漫才コンビ、若井はんじ・けんじの持ちネタだったと今更に知る。
その時は意味不明でも、妙に引っ掛かり、後々にじわじわと来るネタが大好き。

DUNE

2012-01-11 09:08:33 | 映画・演劇

カルト映画好きとして、デイヴィッド・リンチも敬愛する監督の一人。
その監督作品『デューン・砂の惑星』(1984年)にまつわる、何か良い話。
       ☆
『デューン』の原作は、実は児童文学。いわばトールキンの『指輪物語』的な位置付け。
作者は米国のSF作家、フランク・ハーバート。
最初に映画化を試みたのは『猿の惑星』のプロデューサー、アーサー・P・ジャコブ。
       ☆
次に『デューン』の映画化権を獲得したのは、あのアレハンドロ・ホドロフスキー! 
ぼくの崇愛する映像作家。原作にこだわらない独自の脚本は想像できる範疇として、
皇帝役にサルバドール・ダリをキャスティングしようとしたと聞き、腰が抜ける。
ホドロフスキーも大概だと思うが、ダリにしても作品中に自分のデザインした
イルカ型便器を使用することなど強硬に主張して、プロジェクトは空中分解。
       ☆
続いて、映画化権を取得したプロデューサーのディノ・デ・ラウレンティス。
まずはリドリー・スコットに白羽の矢を立てるが、脚本の改訂で難航。
そこで浮上したのが、『エレファントマン』で名を知られ始めていたデイヴィッド・リンチ。
が、プロデューサーとその娘は、リンチの初劇場映画『イレイザーヘッド』(1977年)を未見。
一見“感動的”な『エレファントマン』の物語に目を眩まされ、監督の強烈な癖を認知できていなかった。
       ☆
同時期に、リンチは「スター・ウォーズ」シリーズ3作目『ジェダイの復讐』の
監督の打診もジョージ・ルーカスから受けていた。
ジェダイを蹴って、『デューン』を選んだのは、誰が撮ろうが大差ない
シリーズ作より、自分にしか撮れない映画を作りたかったから。
       ☆
しかし、リンチに『デューン』のファイナルカット(最終編集)権は無かった。
その恨みつらみが、同じくラウレンティスと組んだ
ブルーベルベット』(1986年)で爆発。本領発揮と相成る。

作家主義と職人

2012-01-11 08:53:21 | 映画・演劇

映画史についての基本了解事項だから、別に誰からの引用でもOK。
下村健寿「一九四〇年代から六〇年代の中頃にいたるまで
映画が『映画監督の作品』であるという考えは全く定着していなかった。
当時、映画とは映画監督の作品ではなく
スタジオ(製作会社)のものだった。

通称『スタジオ時代』と呼ばれる時代である。
この頃、ハリウッドのメジャースタジオで映画を撮っていた監督たちは
自らのことを『雇われ職人』と呼んでいた」

市川森一

2011-12-10 12:04:48 | 映画・演劇

脚本家の市川森一さん(1941~2011年)が亡くなりましたね。
世間的には大河ドラマ「黄金の日々」などで通るのでしょうが、
ぼく的には「帰ってきたウルトラマン」の第33話、
怪獣使いと少年」を絶対に外せません。
じゃり向けドラマと鼻で嘲う方々は、センサーが鈍感なのだな
と思うようにしているwくらいです。神々しく奉るつもりもないけど、
差別やら、(出来合いの)ヒューマニズムの問題を考える際の
雛形になってしまう程度のインパクトはあり、昔よく
ビデオ会などで、プログラムに組み込んだ演目なのでした。

赤つながり

2011-10-23 09:59:12 | 映画・演劇

日曜出勤だけれど、朝の「スーパーヒーロータイム」のチェックは欠かさず。
今朝の「海賊戦隊ゴーカイジャー」はレジェンド回。
炎神戦隊ゴーオンジャー」の江角走輔(ゴーオンレッド)こと
古原靖久がゲスト出演。当時よりアクションの切れが良かった! 
で、金髪をやめ、頬から顎のラインがシャープになっている。
現在、公開中の井口昇・監督『電人ザボーガー』でも主演を張っているんだ。
若き日の大門豊はゴーオンレッドだけど、熟年期を演じるのは
敬愛する板尾創路先生だけに、来週、どこかで時間を設けたいなあ。