原田芳雄が昨日、71歳で亡くなってしまいました。合掌。
(畏敬および敬愛の念を込めての、敬称略でございます)
誰の目から見ても味のある役者さんで、映画内で顔を見かけるたびに、
つい笑ってしまいつつも、何をやらかしてくれるんだろう
と当方で勝手に高まってしまったものです。気ままに
「秘密のビデオ会」などを催しているぼくとしては、よくお世話になる
鈴木清順・監督との『
ツィゴイネルワイゼン』(1980年)や
寺山修司・監督の『
田園に死す』(1974年)などが、ぱっと頭に浮かびます。
しかし、これらはまだ評価されている方の作品ですよね。
☆
一押しは、やはり鈴木清順が監督の『
悲愁物語』(1977年)。
同監督の、あの問題作『
殺しの烙印』から10年ぶりの復帰作。
内容が、
梶原一騎 meets 清順!という何とも得体の知れない怪作w。
脚本も
大和屋竺だし、ぼく的には言うことないんだなあ。
女子プロ・ゴルファーをヒロインに据えてのスポ根物……と
前半で思わせておいて、後半からどろどろとした主婦の嫉妬サスペンス(?)。
少年少女のプラトニック・ラヴwという謎のシークエンスを挟み、
想像の斜め上をすっ飛ぶ超絶ストーリー展開に目眩を誘われます。
☆
原田芳雄演じるヒロインの鬼コーチ役も、途中から何をしたいのか訳がわからなくなるし。
(『
エル・トポ』の主人公が蜂蜜を頬張りながら、砂漠で絶叫するシーンを思い出しました)
あと、
高橋源一郎先生・原作にして出演もなる
『
ビリィ★ザ★キッドの新しい夜明け』(1986年)も永久保存版。
原田芳雄にとどまらず、キャスティングされた一人ひとりが壮観でもあるのです。