WOWOW 2021/11/20
絶大な人気を博するプッチーニの名作オペラ「蝶々夫人」(Madama Butterfly)は、
アメリカ海軍士官と恋に落ちた芸者蝶々さんのひたむきな愛を〈ある晴れた日に〉、
〈花の二重唱〉などプッチーニならではの甘い名曲で悲劇を彩るドラマ。
さらに、アカデミー賞に輝く名監督A・ミンゲラが演出した伝説の名舞台により、
東洋の美を結集した幻想的な世界が、このオペラを盛り上げる。
作曲:ジャコモ・プッチーニ
演出:アンソニー・ミンゲラ
管弦楽 メトロポリタン管弦楽団 指揮カレル・マーク・シション
出演:蝶々夫人・・・ホイ・ヘー
ビンカートン・・・ブルース・スレッジ、
シャーブレス・・・パウロ・ジョット
スズキ・・・エリザベス・ドゥショング
上映時間:3時間9分 MET上演日 2019年11月9日
言語:イタリア語
19世紀末の長崎。駐屯しているアメリカ海軍の士官ピンカートンは、斡旋屋ゴローの
仲介で芸者の蝶々さんと「結婚」する。だがこの「結婚」は契約で、いつでも解約できる、
つまり蝶々さんは現地妻だった。しかし蝶々さんはうすうすそれを知りつつ、ピンカートンを
本気で愛してしまう。ピンカートンがアメリカに戻って3年が経った。その間に彼の子供を
生んでいた蝶々さんは、ピンカートンの帰りを待ち続ける。ついにある日、
ピンカートンを乗せた船が長崎に着くが…。
第1幕
「蝶々夫人」が舞台に登場。華やかな着物と鏡張りの天井に映る影が美しい。
第1幕の終わり。「愛の二重奏」。このプロダクションでは、黒子の持つ提灯と、きらびやかな背景が
見どころの一つ。しかし、このアリアそのものは「偽りの恋?」のためか、今ひとつ人気が無い。
第2幕
あまりにも有名なアリア「ある晴れた日に」は魅力的な旋律だ。
蝶々夫人とスズキとの「花の二重唱」。こちらも親しまれているアリアである。
第3幕
冒頭、蝶々夫人の人形とピンカートンとの劇。この先の出来事を暗示しているようだ。
【感想】
蝶々夫人と息子「坊や」とのシーン。文楽を模したという人形は三人の黒子によって演じられる。
喜怒哀楽をも表現し、人間よりも親しみが湧きやすいらしい。このため、この物語の悲劇性を一層高めることになった。
前々回(2008年)の「蝶々夫人」を演出した故アンソニー・ミンゲラのプロダクションの再々演であり、
すでにMETの定番となっているようである。それだけに障子や提灯といった日本風のアイテムを駆使し、
豪華絢爛たる和服で着飾る出演者にも、なるほどと納得する簡素で繊細、鮮烈で、素晴らしい演出である。
このオペラの他の演出版はいくつか見ているが、プッチーニのオペラそのものの音楽的な充実感で満たされる上に、
衝撃的で圧倒的な感動を受ける優れた内容となっている。。
世界を席巻する蝶々さん歌いホイ・へー、演技派バリトン、シャープレスのパウロ・ジョット、ビロードの声と
完璧な技術で絶賛されるスズキのエリザベス・ドゥショングなど今回のキャストも万全だ。
キリテカナワを見に行きたかったのですが、日にちが合わず知らない出演者のオペラでした。
3時間を越えるもので長かったです。
ミュージカルやくるみ割り人形あたりが私にはあっていました。
好きな歌手のキリテカナウの声を聞くことが出来たら、さぞ素敵だったでしょう。