● アイトベンハッドゥ
ワルザ゜ザートから西に33Kmほどの所にあるアイト・ベン・ハッドゥ(Ait Ben Haddou)
隊商貿易が栄えていた16世紀頃に、ハッドゥ族が築いた日干しレンガ造りのクサル(要塞化された村)。
カスバ街道沿いには、多くのカスバ(砦)やクサルが作られましたが、このクサルは、規模も大きく、保存状態も良いこともあり、
1987年に世界遺産(文化遺産)として登録されました。
小川のほとりの丘陵地帯に作られた、このクサルは立体的で見る人に、魅力的な空間を与えてくれます。また、周辺の景色も雄大です。
小山の頂上にあるのは穀物倉庫。
中に入り、見張り小屋から頂上部を望んだところ。
このクサルには、まだ7家族が住んでいます。この家はそのうちの一家族のようです。
世界遺産の旧市街(クサル)から新市街を望んだところ。新市街には電気、水道などが整備されていますが、旧市街にはありません。
ランプを使うなど、不便を強いられますが、先祖伝来の家を守り、昔ながらの生活をしたいという人達が住んでいるとのこと。
この集落で影絵の販売をしている店に映画の資料の看板がありました。
22本ものハリウッド映画がこのアイト・ベン・ハッドゥで撮影されているというのは驚きです。
最初の映画は、1954年の「アリババと40人の盗賊」、次に1961年の「アラビアのロレンス」とあります。
「インディ・ジョーンズ」や「サムソンとデリラ」、「クレオパトラ」なども載っています。映画人の眼にも、ここが特別なものと写ったようです。
世界遺産(文化遺産)の中でこれだけ映画に利用されているのは、数少ないのではないでしょうか。ワルザザートに映画スタジオが出来たのも、
このためであったのかも知れません。
● アラビアのロレンス
アラビアのロレンスの一場面
ロレンスと首長アリ
映画「アラビアのロレンス」は、1962年のイギリス映画。第一次世界大戦下のアラビアを舞台に、実在した軍人T・E・ロレンスの
孤高の戦いを描いた歴史映画であり、戦争映画です。イギリス人でありながらアラビアの人々の自由のために戦ったロレンスの勇姿、
そして奥深い人間ドラマを映し出します。
特に広大な砂漠、照りつける太陽と影、吹きすさぶ風、蜃気楼から現れる人影、空の青さ…これらの映像がとても美しい
当然のことながらCGが使われていないのが良い。
制作当時は、70mm 映画でしたが、最近、リメイクされてブルーレイディスクとなりました。大画面テレビで見る刻々と変わる
壮大な砂漠の風景は圧倒的です。まさに名画という名にふさわしい。
アカデミー作品賞、監督賞、撮影賞、編集賞、美術賞、音楽賞、録音賞の7部門を受賞しています。
舞台はエジプトのカイロ、シリア、ヨルダンなどアラブ地域ですが、今回の旅で、ガイドさんの話題に
何度もなったのが、「映画アラビアのロレンスは、ほとんどの撮影がモロッコで行われた」ということです。
アイト・ベン・ハッドゥでもロケされたということですが、私には映画の中では確認できませんでした。
詳しくは、めいすいの海外旅日記 第7日 アイト・ベン・ハッドゥ をご覧下さい。