miu-srブログ

MIUコンサルティングオフィス・社会保険労務士三浦剛のブログです。

改正労働契約法が成立

2012年08月05日 | 労働法
 改正労働契約法が3日午前の参院本会議で、民主、自民、公明3党などの賛成多数で可決、成立しました。来年4月に施行する予定です。

 改正の大きなポイントは、同じ職場で5年を超えて働く契約社員らを対象に、本人の希望に応じて契約期間を定めない無期限の雇用に変えることを企業に義務付けたことです。
 改正は、有期雇用(パートや契約社員など)約1200万人の雇用安定や待遇改善が目的です。
 一方、企業にとっては雇用管理の見直しが迫られることになります。

 有期雇用(契約社員)の中で5年を超えて働く人が3割。この人たちが希望すれば無期限の雇用への切り替えが企業に義務づけられます。
 労働基準法は1回の雇用契約を原則3年以内と定めていますが、何度も契約を結んだ場合の雇用ルールはこれまで作られていませんでした。この法律により、契約更新を繰り返し、5年を超えて同じ職場で働いたパートや契約社員は企業から突然雇い止めされる不安がなくなくなります。

 「私は来年の5月で5年超えたから希望しよう」はダメです。改正法が来年度中には施行される見通しです。このルールは、施行後に結んだり、更新した契約が対象となります(そこからカウントが始まります)。施行直後に契約を結んだ契約社員の方が5年を超える勤務期間になるのは最短で平成18年度からです。


 企業にとっては、慌てる必要はありませんが、法改正への対応準備は始める必要がありそうです。


 さて、この法改正でパート等で働く方々の雇用安定と(理不尽な)待遇格差の改善への道が開けたといえるのか?

 「これからは契約社員を雇う期間を5年以内にする」という対策がすぐに浮かんできます。
 一方、長期間働いて「それなりにやる気があって、経験も積み重ねて、ウチの貴重な戦力」というパートさんも多くいらっしゃるでしょう。5年目直前での契約を打ち切ることは考えづらいが、負担増もつらいという会社も多く出そうです。

 いわゆるクーリングオフ期間があります。改正法では、別の会社で働くなど会社を離れた期間が6カ月以上あれば、5年の積み上げの対象にしない規定を盛り込まれています。つまり、途中に雇用契約のない空白期間を挟めば、企業が何度でも契約更新できることになります。
 もちろん、これを悪用されると雇用が不安定になるという指摘もあります。

 これを機会に「気持ちよく一生懸命に働く、働いてもらう」そんな良い労使関係を作るために必要なことを改めてじっくりと考えていきたいものですね!

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。