なんかこのー  Eso Que・・・ 

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Lo siento por los españoles poble

トルシエを再び

2014年06月25日 | 日記



トルシエの自信に満ちた挑発的な態度によってメディアは批判的な姿勢を固持していった。その積み重ねが「トルシエの人間性が悪い」という協会の意向に沿った形で作られたイメージに結びついて定着させた。日本人はこうした高慢な態度や自信を好まない。しかし、それは彼の個性であり経験から積み重ねられたプライドでもある。

6月で2年の契約が切れるトルシエの続投は無いという協会の動きに対して、キリンカップのスタジアムにトルシエ支持の横断幕が掲げられ、サポーターのトルシエコールが鳴り響いた。
スロバキアと引分け、ボリビアに勝利したキリンカップは優勝、そしてトルシエ支持の大きな声に動かされて協会は続投へと方向転換していく。「あの日サポーターが用意した横断幕は、毎日届く激励の手紙や花束をもらった時のように嬉しかった」とトルシエは語っている。

コアントの「異端児トルシエ」から、「選手たちは最初に、僕が彼らの習慣を一変させ、なにもかもそれまでとはちがう新しい方法で始めようとしたことに気がついた。協会上層部は僕が要求過多で、どんな些細なことも無視しないことを知った」
 「日本の代表チームのレベルアップを望むなら、チームはヨーロッパで少なくとも毎シーズン、5~6回は試合をする必要がある。(中略)僕の改革は選手たちに国際試合を定期的にさせるためのものだ。日程の問題をクリアにするだけでも、日本チームは20%はレベルアップできると思う」 
 「僕からみたら、Jリーグ自体が息切れしていた。経済不況の影響で、投資家はクラブへの援助を減額した。Jリーグは大手企業の資力で賄われていた。それにここでは選手全員にとてもいい給料が支払われている。施設も素晴らしいし、スタッフも優秀だ。だが、お金がかかる。予算のほとんどを大手スポンサーに依存し、クラブはテレビ放映料も少ししかもらっていない」と分析している。
 「選手はどこまでもよく走る。だが、デタラメに走っていて、中には無意味に疲れ果てる選手もいる。これからしなくてはいけないことは、彼らのやる気をまとめることだ」
 監督としては、アーセン・ベンゲルのように「フィリップは頭がよく情熱的で、なによりも集中力があった。ゲームの進め方について、毎晩遅くまで討論し、時に彼の大胆な着想に僕は驚いたものだった」と評価することになり、利害が絡んで既得権を脅かされると「あいつは無礼者、反抗的な人種差別論者、混乱を引き起こすはったり屋、騙し屋だ」(元アフリカ・スポーツ会長の言葉)と評価されることになる。よく観察するとその立場によって意見が分かれているのが理解できる。
世界ユース選手権の決勝、スペイン戦を前に「戦いはこれからだ」と力強く語るトルシエは、この大会を準優勝で終え、シドニーオリンピックでベスト8の成績を残したにもかかわらず、自分たちの意見を取り入れないと言う理由から協会は解任を決定した。例えば創価学会の推す中村俊介を「未熟だから」という確固たる哲学で起用しなかったことなどが協会としては面白くなかったのだろう。
一部の選手たちからも「厳しすぎる」という不満が確かに漏れていた。しかし、それは彼が日本代表として彼らを世界に通用する選手に育て上げる大きな責任感と強いプライドがあったからに他ならない。その証拠に日本で開催された2002年のW杯では、だれも予想だにしなかった世界16位に入る偉業を成し遂げたのである。その後、日本代表に就任した監督の誰一人としてこの記録を達成できた者はいない。

異端かもしれないがフィリップ・トルシエこそ日本を心から愛し、優勝に導く唯一の指導者だと思う。

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