My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

技術者が金儲けして何が悪い?-頭脳流出のススメ

2009-09-28 06:40:16 | 7. その他ビジネス・社会

Tech-Onの記事「だから技術者は報われない」を読んだ。
日本企業で「ものづくり」に関わる優秀なエンジニアが、安い給料で働かされ、しかも「好きなことやってるんだから、給料安くても仕方ない」と思わされてること。

この手の記事を読んでいると、私はいつも思う。
「技術者がお金を儲けて、何が悪い?」

別に金儲けを人生の目的にしろ、と言ってるんじゃない。
自分のスキルや仕事の成果に対して、相当の対価をもらうのはグローバルスタンダードだ。
それを、恥ずかしいことだなんて思わないでほしい。

だって日本の技術者はこんなに素晴らしい技術力を持ち、シリコンバレーのアメリカ人エンジニアなんかより、よっぽど真面目で、いつも遅くまで働いて・・・。
それなのに何でこんなに給料も安く、待遇も悪く、さらに皆それに甘んじているのか、と思うと、ものすごく腹が立つ。

私は、報われない日本の優秀な技術者は、こんな国でイジイジしてないで、
是非、シリコンバレーなどにある米国メーカーや、同じ能力でももっとお金がもらえる新興国のメーカーへ転職して、活躍したら良いのではないか、と勝手に思っている。
特に、転職しやすい若いときに気が付くのは重要だ。

渡辺千賀さんの「海外で勉強して働こう」の記事が、大反響を呼んだが、あれはエンジニアに関しては特にそうだ。
実際、千賀さんは日本のエンジニアは米国など海外で働いたほうが良い、と常々記事でも言っていて、どうやってエンジニアが海外に転職するかについて、具体的かつ論理的に方法論を書いている。

私は日本の将来と優秀な日本人のエンジニアの将来を真剣に憂いて、こんなことを書いている。

私が何故、優秀なエンジニアは米国などに頭脳流出したほうがいいのではないか、と思ってるかというと理由は3つ。

最初の二つはエンジニア個人の視点から。

1) 日本の技術者は、実際、給与的にアメリカの技術者より冷遇されている

2) (特にソフトウェア分野)日本企業の独自の技術やコードを色々学んでも、ガラパゴス技術に過ぎなかったりして、他でつぶしが利かない。
アメリカ企業は「独自のコードを作る」とかいう非効率はもうやってない(昔はそういうこともあった。IBMとか)ので、そういう悲劇は相対的に少ない

まず1)だが、日本の技術者って、年間にいくらもらってるのか?
このサイトによると、平均年収700~800万円。高度な技術を持ちながら300~400万ってところも多い。
このサイトによると、多くの人が400~500万。超大手だと800~1000万に達するらしい。

技術者といってもいろんな業種・分野・レベルがあって一概には言えないが、だいたいこのくらいか。

じゃあ、アメリカのエンジニアっていくらもらっているのか?
それなりの大学を卒業し、(移民で、学校のボイラーエンジニアやってます、とかいうのではなく)
シリコンバレーとかでIT技術者として働いてる、などの人がどのくらいもらってるのかを知りたい。

こんなページがありました。これによると、一流IT企業だけですが、
MicrosoftのSoftware development engineer $65K-$145K (650万~1450万円)
Yahoo!のSoftware engineer $70K-$150K(700万~1500万円)
GoogleのSoftware engineer $50K-$150K (500万~1500万円)

一流企業どおしで比べても、日本の1000万と比べてずっと高いね。
更に低い人(恐らく新卒)でも、500万とか650万とかもらってるっていうのが衝撃だ。

中小企業はどうか?
真面目なデータが無くて恐縮だが、例えばMBAで、スタートアップ出身の人たちに聞くと、修士終了後の初任給で500万、多いと700万はもらえるようだ。
Googleの初任給と実はさほど変わらない。
で、実績を認められれば、昇進して、年間100万くらいの単位で給料が上がっていく。
特に優秀なエンジニアは、給料をたくさん上げないと、他社に逃げていってしまうから、かなり高い給料をもらっている。

さらに驚きの資料を発見。
2008年のMIT卒業生の新卒時の給料の平均

それによると、卒業時の初任給はこんな感じ(2ページ目)。

                                                     Base salary        Bonus
SB(学士)                                      $        65,655   $     10,187 
MEng(工学部修士)                        $        85,830   $     15,269 
SM(修士)                                     $        79,570   $     12,188 
MBA                                             $      117,906   $     33,029 
PhDs Going Into Acad. Post-Docs  $        44,370   $       2,143 
PhDs Going Into Ind Post-Docs       $        89,720   $       6,000 
PhDs Going Into Industry                $      106,469   $     19,622 
PhDs Going Into Academia             $      101,857   $     15,667

工学部修士を出ると、新卒で、平均で86,000ドル(約860万円-100円換算)も基本給がもらえるらしい。
ボーナスを入れると10万ドルだ(約1000万)。
更に博士を卒業して、企業に勤めると、平均で106,000ドル(約1060万)の基本給に、ボーナスが2万ドル(約200万円)も付くらしい。

すごいね。
日本の技術者が生涯かけてやっと到達する年収に、MITの卒業生は、卒業後すぐに到達するんだそうです。

もちろん、この統計はアンケートベースなので、給料が高い人だけがアンケートに答え、実際より高く出ている可能性がある。
(と思って、MBA(MIT Sloan)が出しているくまなくサーベイした結果と比べると、平均が
$111,184なので、上の統計のほうが7000ドル(70万)ほど高めに出ている。
まあ、1割くらいはさっぴいて考えてもいいだろう。)

それにエンジニアの大学・MITといえども、エンジニアだけでなく、一般的に給料の高いバイオ系・製薬系や、投資銀行に行って高めの給料をもらう人も含まれている。
また、MITは一流大学だから特別で、普通の大学はそんなにもらってないんじゃないか?というのも正しい。

それでも、日本で例えば東大・京大卒の理系の人が、修士終了後平均900万もらってるか(1割さっぴいた)?
んなわけないでしょう。

日本じゃコツコツ勉強して、受験戦争に勝ち抜いて、一番の最高学府に行ったって、修士で平均初任給(ボーナス込み)900万なんて絶対にもらえないわけ。
もちろんアメリカは健康保険高いし(年間100万とか)、家賃補助とかもない。
でも、この数字はそういうのをさっぴいても驚きではないか?

長くなったが、アメリカの理系の給与水準って日本よりずっと高い、ということがわかると思う。
別に「金儲けをしろ」とかいうレベルじゃなく、ここまで差が出ると、日本の給与水準ってちょっと安すぎるんじゃないか、って思いません?

如何に、安く囲い込まれてるかってことですよ。
理系だと、好きなことを仕事にしてるから、給料が安くても仕方ない、って思う人が多いんだと思う。
好きなことを仕事にするのはいい、でもお金もちゃんともらってほしい。
だってアメリカ人に比べてエンジニアの技術力が低いわけじゃないでしょう?
その上、あんなに一生懸命で、夜中まで真面目にこつこつ働いてるのに。
やっぱおかしいって。

渡辺千賀さんが書くように「海外で勉強して働こう」ってことになるのは当然じゃないか?

2)のつぶしがきかない問題については、特にIT分野ではよく言われている。
最初に配属された部門が、たまたまLinuxとかネットワーク分野とか、世界で通用する技術なら良いが、
いわゆる「組み込みソフトウェア」とかに配属され、そこでその企業でしか使われない特殊なコードを習得しても、他でつぶしが利かない。
日本の精細な半導体プロセス技術なんかも同じく、ガラパゴス技術かもしれない。
掲題の記事に取り上げられているように、会社の方針で、その技術をやらなくなってしまうと、行き場がなくなってしまうのだ。

だから、エンジニア個人の視点で考えると、若いエンジニアは「海外で勉強して働く」方が得をするんじゃないか、ということになってしまう。

3番目は企業からの理由。

3) 日本企業が、今後国際的に競争力を持つためには、一時的に痛みを覚えてでも、「優秀な技術者は優遇しないと来てくれない」ということを思い知る必要がある

私が「技術者よ外に出よ」なんてことを書くのは、優秀な技術者を安く囲い込んでいる日本企業につぶれて欲しいと思ってるからではない。
むしろ、日本企業が、これからも本当に国際的に競争力を持つためには、優秀な技術者に高い給料を払い、かつ効率的に研究開発を進めていく必要性を認識してほしいと思っている。

実際、海外進出をしている一部の日本企業はこの問題にすでに直面している。
R&Dオフショアリング、といって、研究開発部門を米国や中国など新興国に移す日本企業が増えている。
なぜなら、海外での売上が重要になってるので、その国の市場向けに、その国の技術者を採用するのは急務になってきている。
それに日本も少子化で、技術者自体、数が減ってきており、今の事業規模を維持するには、海外で技術者採用するしかない、という声も聞かれる。

しかし、ここで、日本国内と同じ給与体系を維持しようとすると、(中国ですら!)全く優秀なエンジニアが確保できないという問題に多くの企業が直面している。
または、卒業時には来てくれても、2,3年たって漸く技術が身についたところで、給料が高い外資系メーカーに逃げていくとかね。
そうすると、海外では日本より給与水準を高くして、優秀な技術者を保持するか、給与水準は変えられないので二流の技術者で我慢するか、どちらかしかない。
 

結局、日本のコスト競争力は、「給料は安くても優秀で真面目に働く日本人」に支えられてきた部分も大きいが、グローバル化に伴い、このモデルは通用しなくなっている、ということだ。

日本が今後もグローバル化を進め、海外市場でも成長していくためには、「優秀で、給料は安いのに、真面目に働く人たち」に頼らないコスト構造の強化が本当に必要になる、と思う。

それに(ここが大事)一人当たりの給料が高くなれば、無駄な仕事が減る(減らさざるを得ない)わけで、
「外資のメーカーが10人の精鋭で開発してるのを、日本のメーカーは50人のチーム
で開発してる」
みたいな非効率も解消されていくと思うのだ。

もちろん、「痛みを伴う」って一言で言うけど、実際には大変なことだ。
出来るだけ痛くないようにシフトするにはどうすればよいか、は考える必要がある。

でもね、こういうことも、エンジニアであるあなたが、まず海外に頭脳流出してくれないと、みんな真剣に考えないんですよ。

だから。
手遅れになるまえに、優秀な技術者が「ちゃんと世界的に当たり前の給料で待遇されたい」と考え、
頭脳流出してくれることが、ひいては日本企業の強化にもつながり、技術者の地位向上にもつながる、と私は思っている。

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29 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2017-08-02 10:09:26
エンジニアとしての生涯年収で比較しないと
全く意味がない気がします。
ピークと言われる35歳までに稼ぐのがアメリカ人の考え方です。
会社からはっきりと戦力外通告、解雇され、その後の保証が全くありませんから。
(日本の保証がないのとは次元が違います)
ここに書かれている話は、瞬間気温が高い東京のほうが、
ハワイより暖かい土地だと言っているようなものです。
返信する
Unknown (TTT)
2010-12-28 21:25:27
僕は高校生なのですが・・・
本当にビックリしました。
そろそろ将来の事も考えなければいけない年齢だと思い、色々探していてたどり着きました。

将来の参考にさせて頂きます。
返信する
半導体とイノベーションのジレンマ (Lilac)
2010-01-06 13:11:02
追記です。
前コメントで、「半導体はイノベーションのジレンマは置きにくい、何故なら装置産業で新規参入が困難であるため、破壊的イノベーションを運んでくる新規企業が成長しにくいから」ということを書いたのですが、以前はまさに破壊的イノベーション起きてましたね。

そもそもコンピュータ会社(IBMのような)が内製していたメモリチップを、外で作って、アーキテクチャまで変えてしまったのがインテルや日本の半導体企業などの8社。
これが産業の構造を大きく変えてしまったのですよね。

また半導体界、といえるか不明ですが、CDDとCMOSもそうですね。

「イノベーションのジレンマは全ての業界で必ず起こるわけじゃない」ということを言いたかったのに、言い過ぎてしまいました。
返信する
ガラパゴスとイノベーション (Lilac)
2010-01-06 10:24:38
>masa302さま

お久しぶりです。
>どういう意味で「市場が拡大してる」
確かにここ2年は拡大はしてないでしょうね。。

>日本「半導体」敗戦 -イノベーションのジレンマ
http://bit.ly/4ga1ip
実は日本に帰ったら読む本リストに入っていたので、今読んでます。
以前からウェブニュース等でこの人が取り上げられていたので、注目してました。
情報有難うございます。

>Freedomさま

ちと誤解を生みかねないところだけ反論しておくと、
>半導体では席巻している台湾、韓国勢にいまだ破壊されていないし

半導体とシステムSIを一緒にしてはいけません。
半導体は産業の構造上、イノベーションのジレンマは起き難いです。

産業によって「イノベーションのジレンマ」に陥りやすいところとそうでないものがあります。
規制産業や半導体のような装置産業では、参入障壁が高いので本質的にはジレンマには陥りにくい。
破壊的な技術が出てきても、高い参入障壁で守ってるうちに、既存大手が追いついてしまうからです。

また出てくる技術自体が、破壊的か親和的か、というのもあります。
Utterbackらの1992年、2005年の論文にもあるように、「破壊的イノベーション」が起こるのは、ごく一部の産業、限られた技術だけです。

一方でシステムSIは「おきやすい」産業です。
返信する
人材流出 (freedom)
2010-01-06 03:01:08
>実は、海外への人材流出は既に起こり始めてる、と思ってます。
わかっている人は気づいて危機感を持っておられますよね。
半導体業界では悪夢が進行しているのは誰の目にも明らかですよね。半導体製造装置が日本国内でだぶつき、日本でもMBA的な会計の考え方が浸透してきているので余剰の生産設備は会計上の表面的な数字のため処分されてしまいます(誰もが海外に流出するのがわかっているのにとめられない)。それが10~20%位の価格(半導体製造装置メーカーの首も絞めます)で中国(以前は台湾、韓国だったが)に輸出され、日本企業の10分の1程度の設備投資で半導体製造を行い更に安くすることができるという最悪のことが行われつつあります(行われています)。以前は経営者は設備があるからといってそんなに容易に品質の良いものを作ることはできないとたかをくくっていましたが、数年前の半導体相場の暴落で人員も縮小され、ある程度は他部門で吸収されてはいるものの魅力的なオファーで個人を優先して流出する人材もあるわけです(以前問題になったように日本企業に所属しながら週末だけ韓国で小遣い稼ぎをするのとは違って流出です)。そしてその人が核になって日本の半導体産業の将来性を鑑みて自分の居所を求め流出を始めているのでしょうね。昨年まではそういう核になる人材の一部は学術の分野が受け入れていましたが、それも事業仕分けでばっさり切り捨てられてしまったのでそれも期待できません。将来に振り返ってみれば今年が中国の半導体生産の元年とみられるでしょう。日本の産業振興をしてきたつもりで何かと首を突っ込む護送船団の司令官を自負してきたK産省が何もしないのは不思議中の不思議。瀬戸内海の巨大模型の管理をして(即ち何もしないで)税金から高給をもらっている方が楽で良いと考えているのでしょうか。

>若手自身のことを考えると、記事にも書いたように、飛び出した方が本人のためになると考えてます。
個人の利益を考えればそれはそうですけど、日本人として生まれた以上、日本の国益も考えて欲しいところですね。ただ私も若手に個人的に相談されればチャンスがあれば試してみたらと言ってしまうかな。腕を磨いて将来日本で活躍してくれたらいいかな。優秀な人材には一度海外に出ると自分の経歴を失いガラパゴス人にはグローバル人と競争すると失敗しますよと言いましょう。

>今後起こりうる、ローエンド型の破壊的イノベーションへの対処が遅れることになるでしょう。・・・
個人的には10年のうちに、典型的なイノベーションのジレンマに陥るだろう、と見ています。
半導体では席巻している台湾、韓国勢にいまだ破壊されていないし、アメリカが日本に破壊されていない(政治的手法を使って守ったということもあるが)ところからするとこの分野では急速な進歩により、破壊的イノベーションだけではイノベーションのジレンマには追いつけないのでは。それに、陥ったとしても問題ないのでは、現状でも経済的利益をあげられているわけではないのだから。多くは技術開発のために一定の仕事の循環ができればよいと考えているのでは。利益をあげているのはベンダーではなくてそれを使うコンシューマーでしょう。
返信する
ガラパゴスって (masa302)
2010-01-05 14:09:21
>こういうところでは、日系顧客の品質ニーズが他国より圧倒的に高いため、
>実質日系+IBMしか対応できず、その結果多少開発効率が悪くても生き残ってる、と言う>意味でのガラパゴスに陥ってるといえます。...

同意です。どういう意味で「市場が拡大してる」とおっしゃっているかはわかりませんが、
日本の社会は、過剰技術、過剰品質の限られたマーケットを開拓していく文化を持っていると感じます。IT分野で顕著ですが、わりあい、業界や産業を超えて。
#IT産業内でも、言語がオープンでも、組み上げたシステムがガチガチとか:)


日本「半導体」敗戦 -イノベーションのジレンマ
http://bit.ly/4ga1ip

既読かもしれませんが、この本面白いです。
これから10年ではなくて、過去20年の実話をベースとした話です。
組織論まで踏み込んでいます。
返信する
それでは私からも一言 (Lilac)
2010-01-04 11:43:29
>mittyさま、freedomさま

明けましておめでとうございます。
私のいない間に盛り上げておいて下さって有難うございます。
基本的には、面白い議論を喚起したいと思って記事を書いてますので、こういうの大歓迎です。
今年もよろしくお願いします。

さて、かいつまんで私見を書きたいと思います。

>それも確かに有効だと思うのですが、人材流出によって一度低下した日本の競争力が簡単には回復しないのではと危惧しています

実は、海外への人材流出は既に起こり始めてる、と思ってます。
しかも、それは若手ではなく、本当に技術力を持った熟練技術者の流出。
まずは半導体、メインフレーム、そして最近は通信分野や自動車ですら起こりはじめてますよね。
どれも、日本がかつては世界一を誇り、今は勢いが落ちてきている分野で、技術者があぶれてるため起きているといえます。
こっちの方が若手の流出より本来深刻な問題だと思っています。
若手はポテンシャルはあるでしょうが、技術は無いし、人材とともに技術や暗黙知が流出する心配もありません。

しかし、未だに終身雇用システムがメインである日本企業は若手の頭脳流出には非常に敏感です。
だから、若手が流出し始めれば、すぐに気付いて対処され始めるのでは?と思っているのです。

それに、若手自身も若いうちから海外で経験を積んでいれば、彼等の一部がいずれ日本に帰ってきたときに、大きな変革の助けになるんじゃないかと思ってます。

ただ、おっしゃるように、本当に中から変えられるのであれば、そうするのが理想的だと私も思います。

もうひとつは、若手自身のことを考えると、記事にも書いたように、飛び出した方が本人のためになると考えてます。

>ぼやき、つぶやき

ぼやきですか・・・(笑)
いや、本当に若手本人たちのことを考えると、海外に流出した方がいいと思ってますよ、現時点では。
でも、実際には「僕は日本に住みたいよ~。お金なんかいらないもん」という草食系(?)な方が増えてるので中々実現しないでしょう。
それに対してフラストレーションを感じてるって意味ではぼやきかもしれません(笑)

>ガラパゴスシステムを否定的に捉えられることが多いですが、本当のところはガラパゴスには大きなメリットがあり非常に素晴らしい

ええ、日本が成長市場であればその通りですね。
どこかにも書きましたが(独占企業の研究開発の記事かな)、まさに中国がガラパゴス化を進めて、海外企業が入らないようにしようとしてるわけです。
でも今の日本だと、多くの市場でガラパゴスは良くない方向かと。
もちろん「ガラパゴスはダメ」で思考停止してる現在の風潮に警告を発したいというFreedomさんの意図には全面賛成ですが。

>メインフレームはこのところのオープン化の流れのなかで廃れているでしょう。

この辺はfreedomさんとmittyさんでご意見が分かれてるようですが、まさに世の中でその意見の対立がありますよね。

しかし、そもそもメインフレーム自体がオープン化してますから、この議論自体が意味がなくなってくるのではないか、と思います。
(ここでの「オープン化」とはかつての System360のような専用OSではなく、オープン化された言語や標準を使用が増えてるということ)

それを踏まえた上での、メインフレーム VS オープンシステム、という対立軸でしたら、私もメインフレームは変化(オープン化)しながらまだまだ生き残るだろう、と考えます。
メインフレームの主要ユーザーは、軍事、政府機関、金融などであることを考えると、信頼性を第一とする彼等はこれからもオープンシステムではなく、一部オープン化に対応してコストダウンしたメインフレームを今後も使い続けるだろう、というのが現実的な予測ではないでしょうか。


>企業向け情報システムに関しては標準化が進んでおり、他でつぶしが利かないなんてことはありません。
ここでは、技術を習得する個々人の立場で書いておられ、それを必死で身に着けても他では使えないことを言っておられるのですよ

恐らくmittyさんは情報システム系大手の五大SIer(IBMとNTTData含)か、その系列にいらっしゃる開発者の方なのかもしれません。
一番オープン化が進んでる世界で、逆にグローバルな競争に晒されてますから、ガラパゴス技術って何?ってな感じだと思います。
顧客が日系に限られてるとしても、市場は拡大してますし、競争相手も自滅したりして(Sunとか)、当面大きな問題は見えないかもしれません。
(中小企業の開拓時にイノベーションのジレンマに向き合ってるくらいでしょうか。)

こういうところでは、日系顧客の品質ニーズが他国より圧倒的に高いため、実質日系+IBMしか対応できず、その結果多少開発効率が悪くても生き残ってる、と言う意味でのガラパゴスに陥ってるといえます。
しかも市場が拡大してるからたちが悪い。
そうすると、今後起こりうる、ローエンド型の破壊的イノベーションへの対処が遅れることになるでしょう。
具体的には、現状では品質は低いがコストが安いシステムを作って、中小企業や途上国向けに売ってるプレーヤーの技術・品質が上がってきて、日系+IBMの牙城を脅かすようになるだろう、ということです。
個人的には10年のうちに、典型的なイノベーションのジレンマに陥るだろう、と見ています。

その他のソフトウェア技術、と言う意味では、通信系、組み込み系、製造プロセス系など日本独自、というよりメーカー独自が普通になっていて、つぶしが利かないところもたくさんあります。
返信する
Lilacさん今どこにおられるのでしょうね! (freedom)
2010-01-03 19:44:46
mittyさん 面白いからどんどん盛り上げましょう。

>メインフレームはこのところのオープン化の流れのなかで廃れているでしょう。
コンピュータ業界全体で見れば廃れているということができるでしょうが、まだまだ社会で大きな役割を果たしているし、なくなることがないだろうと予想できるのも確かなことです。そしてメインフレーム事業で収益が上げられていなくてもそこからからでてきた技術が他のカテゴリーで活躍しているということも見逃せません。それがわかっているからどの社もメインフレームから撤収していないでしょう。ただLilacさんは破壊的イノベーションにイノベーションのジレンマで乗り遅れているのだとおっしゃるかもね。

C系と書いたのはただ単にCから派生していったものという意味だけです(全部書くの大変でしょ)。言語を分類しようとしたわけではありません。
技術に関する部分はミクロな話になりがちですが、ここではMBAに関係する要素で日本経済あるいは世界経済の中でどういう意味があるかということで議論していくのが良いかと思います(ミクロな部分も社会経済にインパクトのある部分であればそれも必要ですが大勢に影響がない議論はそういうサイトで良いかと)。

>私の先輩たち(40代)が集まるとどのCPUのアセンブリ言語の命令セットが一番きれいかなんていうことで一晩話していたりしてちょっと引いてしまうこともあるのですけど。
こういうことって技術者の醍醐味で楽しいんですよ。わからない人には何が楽しいのかわかりませんが、タイガーウッズの話をするのと大差ないことなのです。

>本当にそんなに簡単なものなのかが心配ですね。
簡単なわけではないでしょう。それには相当な努力が必要だし、失敗もあるのは予想されることです(だから現状はやらない人も多い)。やらざるを得なくなれば、やる能力はあるし、チャレンジする人たちも多くなるということです。
返信する
論拠と訂正 (mitty)
2010-01-03 17:39:04
少し古いですが、「メインフレームはこのところのオープン化の流れのなかで廃れている」、「言語も今時はJava」という主張の論拠です。JUAS(日本情報システムユーザ協会)が作成している資料です。
http://www.juas.or.jp/project/survey/it06/

資料を読み返して思ったのですが、廃れていると言ったものの、基幹系を中心にメインフレームがまだかなり残っていますね。そういえば、去年の案件で知り合ったユーザ企業の若手技術者も「新人研修はJavaだったけど、現場にいったらIBMホスト専用言語だったのでびっくり。この先ちょっと心配。」って言ってました。
 正確には、新規案件開発はJavaやC#が主流ですが、既存システムの保守・運用をする技術者に関しては必ずしも私の主張は当てはまらないかもしれません。私は新しい技術の研究開発やその実適用を主な業務としているので、少し見方が偏っていたかもしれませんね。訂正します。
返信する
ご指摘ありがとうございます (mitty)
2010-01-03 15:54:54
freedomさま

ご指摘ありがとうございます。
---
例えばNECのメインフレームOSのACOSに習熟していてもUNIXが使えるわけではないということです。アメリカからも警戒されるほど一世を風靡したTRONプロジェクトなんてご存知かな。いくら優れたシステムでも使う人が少ないと意味がないのですよ(優れたシステムなのでやっている人は未だに諦めておられませんが)。
---

その通りだと思います。この業界、必ずしも優れたものが普及するというわけではないですよね。

誤解があるようなのでもう一度説明します。
私が言いたいのは、「ここ10年間に作られた情報システム、そしてこれから作られるシステム」は世界標準の技術で作られることがほとんどだから、日本のソフトウェア業界で働いているからといって必ずしも世界で通用しないなんていうことにはならないんじゃない?ということです。

メインフレームはこのところのオープン化の流れのなかで廃れているでしょう。そういう意味で僕の話の前提として「ここ10年で作られているシステム」と限定して書いたつもりです。言語も今なら当然JavaあるいはC#といったオブジェクト指向でメモリ管理機能のあるマネージドな言語(中間言語を生成することで移植性を高めた言語)を使って開発するほうが主流です。メインフレーム上のCOBOLシステムをJavaで再構築するという案件は未だにありますから(去年もそんな案件をしましたが)、いま動いているシステムでCOBOLっていいうのは結構ある気がしますが。FORTRANは科学技術の分野ではまだ使われているのかなあ。大学院の頃はFORTRANでしミューレーションしていたものですが、後輩は最近はだいぶC++化が進んでいると言ってましたがどうなんでしょうか。研究分野や研究室の方針にもよるのでしょうけど。

なお、アセンブラ、というのはアセンブリ言語、という意味で用いています。アセンブリ言語の通称はアセンブラですので。アセンブリ言語こそ機種依存の最たるものです。私の先輩たち(40代)が集まるとどのCPUのアセンブリ言語の命令セットが一番きれいかなんていうことで一晩話していたりしてちょっと引いてしまうこともあるのですけど。。。上で述べたとおり、だからといって習得した技術が無駄になるわけではないと思います。アルゴリズムは汎用的なものですから。上で述べた私の先輩たちもみなJavaやC#を自在に使いこなせる優れたプログラマです。

 ちなみに、「C系言語」というのはどういう意味で書かれていますか?文脈的にはメモリ管理をプログラムでゆだねている言語というのがC系言語の定義のように思われますがあってます?
C++はC系言語という定義でしょうから、JavaはC++やSmallTalkをベースに、C#はJavaをベースに作られていますけど、JavaやC#はC系言語ですか?通常はいわゆるC系言語というと、文法が似ているJavaやC#も含まれることが多いような気がします。ここではプログラム言語の分類を議論することが種目的ではないのですが、通常は手続き型言語(C,Fortan,Java,Javascript,rubyなど)、関数型言語(Lisp,Scala など)、論理型言語(Prolog など)のように文法のタイプで分類するか、コンパイラ型言語 vs インタプリタ型言語のように実行方法によって分類するのが普通だと思います。
(脇道にそれて申し訳ないです。一応、私の専門分野に近いので)

「ガラパゴス」に関する意見興味深いですね。確かに最先端だから周りがついてこれていないドメインであるという見方もできると思いました。
ただ、気になるのは、
この先、日本は人口が減っていくことが予想されるので、国内だけを相手にした事業が成り立つかというところが気になります。国内だけではだめとなったとき、「その気になればグローバルにやれる」というのが本当にそんなに簡単なものなのかが心配ですね。孤高のつもりが、気が付いたら、周りに先をこされてひとりぼっち、ということにならなければよいのですが。
返信する
勝手に盛り上げておきますね! (freedom)
2010-01-02 10:50:59
Lilacさんがブログにご不在のようですので、“皆さん”しばらく私たちで勝手に盛り上げておいておきましょう。
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それではmittyさんのコメントに

>Lilacさんは日本の競争力を高めるために、一種のショック療法として技術者の海外流出を勧めている
Lilacさんは既に日本を見限っておられる千賀さんと比べればかなり穏健派でむしろ日本をなんとかしなければと構造改革を意図して書いておられると思いますよ(千賀さんはグローバル世界に立脚した個々人中心主義に基づいた立場で書いておられ、Lilacさんは愛国心やアイデンティティー郷愁がある立場で書いておられるでしょう)。流出を勧めておられるように見えるのは知人や周辺の方あるいは関係された経営者の読者を意識されて、こんなことにならないようになんとかしましょうねっという自分の限界を感じる部分でのフラストレーションによる呼びかけで昨年のはやり言葉でいう「ぼやき」「つぶやき」なのでしょう。

>企業向け情報システムに関しては標準化が進んでおり、他でつぶしが利かないなんてことはありません。
ここでは、技術を習得する個々人の立場で書いておられ、それを必死で身に着けても他では使えないことを言っておられるのですよ。元々標準や共通のものをつぶしが利く利かないと言っておられるわけではないでしょう。
例えばNECのメインフレームOSのACOSに習熟していてもUNIXが使えるわけではないということです。アメリカからも警戒されるほど一世を風靡したTRONプロジェクトなんてご存知かな。いくら優れたシステムでも使う人が少ないと意味がないのですよ(優れたシステムなのでやっている人は未だに諦めておられませんが)。

>最近はソースコードはアセンブラではなく、CかC++で書いている場合が多いのではないでしょうか。
(アセンブラは種類名で、CやC++はプログラム言語名なので比較するのは用語のカテゴリーが違い用語を定義しないと厳密には意味不明ですよ(意図はわかりますが)。Cもアセンブラに定義される場合がありますからね。)
Cの世界におられるようでそのため気づかれておられないようですが、パソコンベースではCやC++が主流になっていますが、マクロで見ればそんなことはなく、科学技術分野では今でもFORTRANが用いられ、事務処理システムではCOBOLが用いられていますよね。近年の企業合併でCOBOLのシステムとCのシステムを統合するためひどい目にあっている技術者も多いですよね(どちらも多く使われている証拠)。今はJavaを使って仕事をしている方も多いでしょう。(JavaもCの一種との定義かな?)
CやC++が持つデメリットがバグを発生させやすくて何度も何度もコンパイルを繰り返さなければならなず、プログラマを知能労働ではなく肉体労働化している元凶であったりもしますからC系では使い物にならない場合もありますよね。
Cは元々UNIXを利用するために開発された経緯で、その後UNIXが多くの教育機関で導入された結果、多くの人が初めに学ぶのがCであるため(BASICを知らないプログラマもいるのは驚異です。入口は誰もがBASICだったのは今や昔)C系プログラマが多く、C系が全てのように誤解されている面もあるかな。コンピュータそれぞれの目的に合ったものを使うのが普通でコストが合えば汎用のものもカスタマイズされていくでしょう。CフリークやCしか使えない人が無理やりCを使うこともあるようですが(そういえば昔はコボラーなんて人種もいましたね)。

ガラパゴスシステムを否定的に捉えられることが多いですが、本当のところはガラパゴスには大きなメリットがあり非常に素晴らしいものですよ。
ガラパゴスをマスコミが否定的にとりあげるのは日本人の自虐的性質が災いしていることと遅れをとった欧米企業のマーケティング戦略にひっかかっているのですよ。
日本でガラパゴスに見える部分は先端分野にいてふと周りを見ると誰もいなかったという現象で、先を行っている証左というもの(ガラパゴス化の象徴の携帯電話の分野でも世界のどこにコンテンツで1兆円を超える市場があるでしょうか)。本来ならそれを遅れたところへ広げていくのが良いのでしょうが、日本はその中で完結できる十分な規模のマーケットが存在しており、多くの企業は敢えてリスクを冒して海外マーケットに出て勝負しなくてもやっていけるという要素があり、ガラパゴスの内部に留まっているだけなのでその気になればグローバルにやることも可能なのですよ(日本には特定の分野で世界シェアが7割を超えているような中小企業がいかに多いことか(その気になればできるという証左))。
ガラパゴスでの競争で技術がミクロに練成化し、ガラパゴスによって参入が困難になり市場が守られています。ガラパゴス内での競争が激しく利益が出ない構造になり、労多くして益のない市場に敢えて参入しようとする企業は少なくなります。世界市場では席巻しているサムスンやLGも日本では安っぽくてコンマ以下のシェアで相手にされてないし、アメリカで最もシェアを伸ばした現代自動車に至っては完全撤退ですからね。缶コーヒーを自動販売機で売るというガラパゴスでガラパゴス化したコカコーラは圧倒的シェアをとっているので成功するにはむしろ自らをガラパゴス化するかどうかということが鍵ですね。
中国は日本に多くを学んでいて、既にガラパゴスのメリットにも気がついており、自ら中国のガラパゴス化をはかっているのですよ。例えば中国は自国開発と吹聴しているが実質はT芝のHD-DVDを独自規格として推進して中国で4割のシェアをとっているなんてこともありますよ。T芝は技術者のプライドを優先して自らの首を絞め、日本商工会議所会頭社であるにもかかわらず国益を損なっているのにね。
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ショック療法もいいけど。。。 (mitty)
2010-01-01 13:38:41
あけましておめでとうございます。

日本の優秀で真面目な技術者が冷遇されているというLilacさんの意見に基本的に同感です。
その人の生み出す価値に応じた報酬が支払われるべきだと思います。

ただ、それを解決する方法としては、Lilacさんと少し違う意見を持っています。Lilacさんは日本の競争力を高めるために、一種のショック療法として技術者の海外流出を勧めている、と私は理解しています。それも確かに有効だと思うのですが、人材流出によって一度低下した日本の競争力が簡単には回復しないのではと危惧しています。というのは、技術者の仕事には単に技術力だけではなく、品質に対する姿勢やチームワークといった企業文化というべきものも必要であると感じており、そういったものは、簡単には育たないと考えるからです。(トヨタのカイゼン マインド、等その典型でしょう。)
高い報酬を払って、優秀な学生や、中途のエンジニアを集めれば解決する問題ではないではないでしょうか。
(成功している外資系企業での人材の流動性を見ているとこの考え違うかも?と思う時もありますけどね。上記のポイントは主に従来型の日本製造業の強みなのかもしれません。このあたり、思うところはありますが、それはまた別の機会にでも)

そこで、私はもう少し穏便に、日本企業の中から解消する方法がないか?と考えています。
例えば、
・技術者は専門分野だけに注力するのではなくて、幅広い領域の能力
- 例えば、経営の基礎や交渉力、ディベート力など- を持って、堂々と自らの価値を主張していく

・市場を的確に分析し、あるいは自らイノベーションを起こして、新しいビジネスを開拓し、さらに、組織や組織を構成する技術者自体を変えていく

という方法など。

(そのために、私はこれからMBAあるいはMOT的ことを学びたいと思っているわけですが。)

---
2) (特にソフトウェア分野)日本企業の独自の技術やコードを色々学んでも、ガラパゴス技術に過ぎなかったりして、他でつぶしが利かない。

主旨とはそれますが、日本のソフトウェア技術者として反論しておきます。組み込み系はさておき、企業向け情報システムに関しては標準化が進んでおり、他でつぶしが利かないなんてことはありません。ここ10年間に作られた情報システムはほぼ全て世界標準の技術で作られています。日本語表示など若干のローカライズはありえますが、それは本質的な部分ではありません。多くの場合、設定変更だけで対応できる部分です。(テストは大変なのですが。)
組み込み系ではまだ独自部分はあるかもしれませんが、最近はソースコードはアセンブラではなく、CかC++で書いている場合が多いのではないでしょうか。(あまり詳しく知らないので怪しいですが。ごめんなさい)
いずれにしても、アルゴリズムは言語や環境に依存しないですし、ひとつのアーキテクチャをきちんと理解できれば他に応用が効くはずです。
ですので、世界で通用しないということはないと思います。
---

富の配分の問題は確かに難しいですね。私にはこの問題を扱う知識も能力もまだないですけど、個人的には、アメリカほどの格差報酬体系(この点は本当はよく知りませんが)と
日本の年功序列的横並び報酬体系の間に最適なポイントがあるのでは?と思っています。ただし、国民全員が最低限、衣食住に困らないことが保障されていることが前提です。そういった社会が実現できる方法があるといいのですが。。。

東京は快晴の元旦でした。
ボストンもこれから本格的に寒くなることでしょう。体に気をつけて元気にお過ごしください。
今年もよろしくお願いします。
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実績と英語力と、自力で問題解決する能力 (Lilac)
2009-12-14 03:41:27
>東京大学情報系修士1年さま

はじめまして。
質問者さんの英語力や学生時代のインターンなど実際の職務経験に拠るのでひとつの答えはないと思います。

ネイティブ並に英語が話せ、学生時代にそれなりの業績を上げていれば、業界に顔の利く教授何名かに推薦書を書いてもらえば、いきなり海外企業の海外オフィスに勤務ということは可能だと思います。

そうではない場合、ひとつの方法は日本に来ている外資系の企業に入り、海外のExposureが高い仕事を積み重ねて、社内転勤するか、転職する、と言うのがあります。

二つ目に海外の大学院に留学して、そこから就職するというものです。
この辺りはChika WatanabeさんのブログOn off and beyondが詳しくかかれてますので、ご参照ください。

いずれにせよ大切なのは、三つ。
まずは仕事が出来るくらいのある程度の英語力を身につけること。
それから英語が多少出来なくても文句が言えないほどの実績を積むことです。特にアメリカは実績主義ですから、学位も重要ですが、実績があれば高く評価されます。
最後に、自分の頭で考えて、手足を動かし、自分でどんな問題でも解決しようという情熱と、その力をつけることで、これが一番大切だと思います。

上に書いた二つの方法は、正直どちらもチャレンジングです。
例えば外資系メーカーに就職しても、社内転職できるのは、ほんの一握りの人。
私は何人かそういう人を知っていますが、かなり大きな壁を自分で乗り越えて来てる人たちです。

Googleで検索すれば、そういう人がたくさん、ブログなどで経験談を書いたり、具体的な情報がたくさん書いてあると思います。
是非色々調べて、考えて、一つ一つ解決していくことを強くオススメします。

ご健闘をお祈りします。
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海外で働きたいのですが、、 (東京大学情報系修士1年)
2009-12-11 23:24:35
初めまして、Lilacさん
ちょうど就活まっさかりな院生です
技術者が冷遇されているというのは前々から耳にしていて、外銀外コンなどを文系就職を中心に受けていたのですが、このブログを読んで海外のメーカーへの就職という選択肢もあるのだと再認識させていただきました。

しかし、実際就職を考えるとなると、日本で求人を出している外資系メーカーくらいしか情報が無く、どうやったらこのエントリーにあるような「報われる」外国メーカー就職が出来るのか分からないと言うのが現状です。(他の多くの就活生もそうではないでしょうか?)

そこでLilacさんがご存知でしたらもう少し具体的な情報を教えていただけると有難いです。よろしくお願いします。
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Unknown (Lilac)
2009-11-18 22:53:33
>きゃとるさん

>人間のモチベーションは金銭にもありますが、イノベーション論を専攻しているのに狭小ではないでしょうか

私も「自分が金儲けをすることだけを目標にしろ」とは言っていないですが(それはこのエントリでもそうだし、他の記事を読んでも感じていただけると思いますが)、結局社会に富をもたらさなければイノベーション論なんかやっても机上の空論だと思っています。
社会に富をもたらす一環として、どうやってイノベーションを金にするか、という発想は重要だと思います。
例えばMITで自閉症向けの技術を開発してる人たちがいますが、彼らは自閉症の人からお金を取りたくないので、同じ技術を銀行向けに開発してそこで金を取って儲けることで、自閉症の人に安く商品を開発してます。
技術を何らかの形で社会に還元する際、どこかで金儲けしなければ出来ない。
「金儲けは悪いこと」のように最初から思考停止に陥るのはまずいと思うのがこのエントリを書いたきっかけです。

>本で仕事をしていても幼児教育から変更していけば、日本国内でも十分に独創的な人材を輩出できると考えており、現在の会社を引退したらそういう仕事をしようと考えています

良い人材が出る可能性があるのは、日本だけではないと思いますが、とりあえず日本で集中してやってみるというのはいいと思いますよ
頑張ってください
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エンジニアの給与、その他 (きゃとる)
2009-11-18 20:28:15
単純な金銭論は解りやすいですが、脆いです。
人間のモチベーションは金銭にもありますが、イノベーション論を専攻しているのに狭小ではないでしょうか?
個人的には日本で仕事をしていても幼児教育から変更していけば、日本国内でも十分に独創的な人材を輩出できると考えており、現在の会社を引退したらそういう仕事をしようと考えています。
Lilacさんへ日本も未だすてたもんではないと思います。米国のCrazyで破壊的な思想もエンジニアとしては気に入っていますが...
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富の分配は難しいですよ (Lilac)
2009-10-22 13:59:25
>医療関係者さま

>それだったらもうちょっとあげてもいい職業が他にもあるかな?と。

これは難しい問題です。
自分で書いていて矛盾してますが、富の分配は、その人が生み出した価値によって分けられるのではなく、需要と供給で決まってますから。
お金を出すお金持ちの人たちのお金を増やすような人たちの給料が高いのは当たり前ともいえます。

教育の問題もあります。

>陽にあたりたい人はあたればいいし、そうでなければそうしなければいい

というのもそうですが、実際には日に当たりたくて一生懸命走ってるのに、どんどん日に当たらない方向に行っちゃってる人もいます。(いわゆるワープワとかがそうです)
その人たちは、日が当たる方向に走ることが出来ない(=学歴・スキルとかがなくて走る方向が限られている)というより、どの方向に走れば日が当たるのか知らない(=今現在、学歴・スキルが無くても、ちゃんと働けばお金をもっともらえる方向があるのに、知らない)のだと思います。

それを解決するのは私は基本的には教育だと思っています。
学歴ではなく(高学歴でも方向見失ってる人はいます)、
世の中の仕組みを知る、という意味での教育です。
たちが悪いのは、為政者がそれを分かってなくて、単に職業訓練をすれば解決すると思ってたりするところです。
たまたま自分たちが運良くその地位(官僚とか)にたどり着いたのだということを分かっていないのでしょう。

この手の議論は、イイタイコトがたくさんありますが、私も言い出すと庶民の愚痴になります。
ちゃんと学問的に勝てる議論が出来るように勉強してるところです、経済学とか。
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Lilac様 (医療関係者)
2009-10-21 20:33:03
私のほとんど愚痴ともいえるコメントに真摯にお答えいただき、感謝しています。Lilac様のおっしゃるとおりだと思います。
ただ、金融関係者より圧倒的に少ない給料の職業はエンジニアだけではありませんし、同じようにエンジニアより圧倒的に少ない給料の職業もあります。
私はどうしてもそういった「格差」に目が行ってしまうのですね。
ちょっと多めにもらってはいけないのか?
と書いておられますが(もらっていいと思うのですが)、それだったらもうちょっとあげてもいい職業が他にもあるかな?と。
あと、アメリカですが、確かにワークライフバランスの質の高い生活をしている人はいます。しかしそれと対照的な苦しい生活をしている人のいかに多いことか。私は個人的にはそうした人々を横目に見ながら自分がいい生活をするのに抵抗があるのです(偽善といわれればそれまでですが)そして多分そういう苦しい生活をしている人が多いおかげで楽な生活をしている人がいるのだと感じています。世の中金融業界だけの人間しかいなければ回らないでしょう。陽があるところには陰がある。要するに限られたパイを仲間同士で分け合えばそれでよい。あとは知らない(というと言い過ぎですが)。何だったら寄付するからそれで何とかしろと。
Lilac様のお言葉を借りれば、陽にあたりたい人はあたればいいし、そうでなければそうしなければいい、ということでしょうか(それはそう思いますよ)。
私は皆様のように経営・経済的なバックグラウンドがないので、庶民的な意見しかいえませんが、ついつい書き込んでしまいました。こんな意見を削除せずお返事くださるLilac様の人格には感服いたします。
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Unknown (Lilac)
2009-10-21 11:03:04
>医療関係者さま

コメント有難うございます。真面目にお答えすると、

1.アメリカでもこれらCEOが、今回の不況を巻き起こした責任があるにもかかわらず、20億円以上の年俸をもらっていることに、今ものすごい市民からの反発があるんですよ。日本でもNHKの特集などで報道されていることかと思います。

2.
>アメリカのエンジニアがもらっている金額の方が異常という考えがあっても良いように

個人的にはどちらが「異常」でもないと思います。
てか、異常かどうかはどうでも良い。
アメリカと比較して、日本が低いというだけのことです。

世の中には、お金は指標じゃない、関係ない、という人も沢山います。
ただ、日本のエンジニアの給与水準は、アメリカのエンジニアより低いというのは事実。
それをどう解釈し、どういう行動に落とすかは個人の価値観によることと思います。

絶対にお金が大切だ、という人はアメリカへの移住を考えてもよいし、お金よりも大切なものが日本では得られる(安心して住める。食事が美味しい。より文化的)と思う人は残れば良いと思うわけです。

>どなたかが書いていらっしゃるようにお金は有限です

お金と書くと経済学的に問題ですが、「冨」は有限であるのは確かです。
そして、その冨のパイを増やすのがイノベーション。
人類の冨を増やしているのは、イノベーションを生んでいるエンジニアの人たちなのです。
その人たちが、ちょっと多めにもらってはいけないのか?
何で、何の冨も生んでないはずの(というといいすぎですが)金融関係者より圧倒的に少ないのか?と疑問には思いませんか?

別に、そういった社会的行為をしているエンジニアが、「お金なんて要らない」というなら、そうでも別に良いのです。無理にもらえと強制はしません。
私は、彼らが実際に生み出している価値に比べて、Undervalue(過小評価)されてないか、ということを問題にしています。
その過小評価を解消する方法のひとつが、優秀なエンジニアがアメリカに逃げちゃうことだ、と思っているわけです。
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Unknown (医療関係者)
2009-10-21 09:41:43
アメリカで支払われている給料が世界的な標準な金額だとどうして言えるのでしょうか?それならゴールドマンサックスやJPモルガンのCEO達がもらっている金額も世界的に標準的な金額なのでしょうか?
結局は比較の問題なのですから、アメリカのエンジニアがもらっている金額の方が異常という考えがあっても良いように思います。
「たくさんもらっている方が正しい」という考えは危険です。
どなたかが書いていらっしゃるようにお金は有限です。誰かが儲けているカゲでは誰かが損しています。
金銭感覚については強者弱者も含めて皆さん考え直した方が良いように思います。
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経済学 (Willy)
2009-10-02 12:50:34
経済学は勉強したことないです。前職が統計屋とエコノミストの中間みたいな仕事だったので、実務に関しては部分的に分かるのですが。
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エンジニアを金銭経済に入れること (Lilac)
2009-10-02 04:34:06
>Willyさま

いつもコメントや記事を見ていておもうんですが、Willyさんは数学者(統計学者)なのに、マクロ経済学はどこで勉強されたんですか?自力?
私は、マクロ的な話は感覚的にしかわからない(経済学の用語を知らない)ので、良くダンナにバカにされます。
「MBAで経済学やったんじゃないの?」って。
MBAはミクロ経済しか真面目にやらないんですよね。
一応去年のミクロ経済学はA+だったんですけどね(自慢)、マクロはLM曲線くらいしかわからない。

MITは経済学の権威がたくさんいるんだし、経済学部のマクロ経済の授業とかもぐってでも勉強すべきかな・・・

>Tさま

コメント有難うございます。

>アメリカの理系給与水準が高い=文系の水準が低いということですよ。

まあ、アメリカでは理系・文系の区分が日本より少ないと思うので、一口では何ともいえないですが、
メーカーなどでは日本より相対的にエンジニアの地位が高いのは確かにそうかな、という気はします。
どこかでデータで実証したいところですが、日本よりアメリカのほうがイノベーションに対して金銭対価を支払っている印象がありますね。

おっしゃるような、営業職の給与水準がエンジニアより低いか高いか、というのはデータが無いので何ともコメントできないのですが、実際どうなのでしょうね。

>Freedomさま

Freedomさんもやっぱり「日本の構造改革をしていかなければ」と熱くなることがあるんですね~。
ちょっと嬉しいです。

>記事に9割同意で1割違意の場合でも私は敢えて1割の方を書いていますが、その方がおもしろいでしょ

議論はアウフヘーベンですからね。
敢えてポジション取って、それを超える方向に進ませていくというのは私も好きなスタイルです。

ただ、変な方向にポジション取られると、あれれ、そっちに行くんでしたっけ?と思うこともありますが・・・
返信する
Japan as No.1 (freedom)
2009-10-01 01:25:13
>90年代前半には、彼我の給料の差は・・ ・・別にエンジニアに限らず、どの業界でもそうです。
まさにそうですよね。

日本(アメリカもか?)のソフトウェア業界ではチームを組んでいても結局は特定の人に頼ることになってしまい(能力の問題と人間関係の問題で)その人が遅くまで働かざるを得ないことになり、チームの他の人も気兼ねして遅くまで働いているように見せる必要があるということもあるでしょうね(双方がそれぞれの立場でよくぼやいている)。

>「議事録を作る」「会議の進行予定表を分刻みで作る」みたいな無駄な仕事
会議については経営者の考え方によってかなり分かれているところでしょうね。コンセンサスを大切にする旧来の日本文化の中では必要な仕事だったのではないかと思います。そういう文化のところでは小企業でももちろんありますよ(以前は私もこれに多くの時間を使っていました)。
ただ文化は変わりつつあると思いますし、代替手段も発展してきているので、少なくはなっていくでしょうね。
労働時間だけでみればアメリカでも長時間労働の文化はあるでしょう。SEX and the CITYでミランダが週50時間とか55時間働くのでも少ないというイメージなのですから。

>Willyさま

Lilacさんのご指摘のようにもちろん一種のジョークなのです。わかり易くしてみただけです(だから都合のいい部分だけを書いているわけです。Lilacさんも100円で書いておられるでしょう(私も普段は100円で換算して比べていますが実質はそれくらいの方が合っていると思うから(アメリカと比べると日本は工業製品は安いが、日用品やサービスは高く、食品はかなり高いのでその人の生活の内容によって感じ方はかなり違うが)))。だから最後にフォローの文を入れているわけです。日米給与差を経済の問題として論じる場合は購買力平価で論じる必要もあると思いますが、単なるコメントとして一つの見方を取り上げただけなので、かえってわかりにくくなる(購買力平価の問題点も書く必要もでてきたり)ので省略でした。
言いたいことの本論は、為替で数字上の感じ方は違ってくること、そして1985年をピークに日本経済がいかにひどいことになっているかを世界全体の視点でみないとわからないということです。少なくとも見かけ上は日本の給与水準は平均では世界一だったのですから。「Japan as No.1」 をもう一度見てみないといけないと思うのです。それまでは経済的に発展途上で相手にされていなかったのに、その存在を認識され、警戒され、バッシングされ、政治は足を引っ張り続け、振り返れば惨憺たる20年、OECDの各種統計ランキングも日本は駄々下がりだったでしょう。
現状に安住していてはいけないし、構造を改革していかなければならないということです。

記事に9割同意で1割違意の場合でも私は敢えて1割の方を書いていますが、その方がおもしろいでしょう(この記事についても格差は実感しているし記事の趣旨はそのとおりだと思っているのです)。
返信する
Unknown (T)
2009-09-30 17:52:33
こんばんわ!

お金は有限ですから
アメリカの理系給与水準が高い=文系の水準が低いということですよ。

例えばIBMが不況時に行った対策は
営業や経理部門を子会社化し社員をそこ預かりにして給与を下げました。
エンジニアはこれらの職種に比べれば割を食う部分は確かに少なかったです。
だいたいのアメリカのメーカー等はこんな感じで序列がかなり明確です。

GMだと組み立て工場の工員が年収800万で営業より上です。破産前後に読売新聞にこのへんが載ってたような気がします。

トヨタやソニーで同じことやったら暴動起きるでしょうね。
文系の学生は基本的にこういうところに就職するのに血道を上げてるわけですから。

「外資のメーカーが10人の精鋭で開発してるのを、日本のメーカーは50人のチームで開発してる」
というのもそうで、50人で仕事を回すと色々雑事生まれますよね。
そこで事務等の雇用が発生するわけで
これを無くしたら派遣切りどころの騒ぎじゃないですよ。
経営者に会ったこともありますが雇用の為にわざと効率化してないそうです。

効率化したら理系の2割、文系の5割が無職になるでしょうね。

私はこうなるとかなり困ります。
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Unknown (Willy)
2009-09-29 12:02:06
>freedom さん

横槍ですが、購買力平価(PPP)で見ると為替が動いてもそんなに変わらないですよー。OECDによるPPPは現時点で1ドル=110-120円くらいです。

購買力平価と実勢為替レートが近いと、比較しやすいので差を感じやすいという側面はありそうですが。
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真面目にコツコツ (Lilac)
2009-09-29 05:45:44
>freedomさま

為替のところは冗談で書いてらっしゃるんだと思うんで、敢えて反論はしませんけど。
90年代前半には、彼我の給料の差はここまでは大きくなかったという話もありますから、その後日本はデフレ、片やアメリカは年2-3%の成長が15年続きましたから、1.4倍くらいの差がその間だけで広がったという話もありますね。
別にエンジニアに限らず、どの業界でもそうです。

>ガラパゴスでは評価されるので、真面目で、いつも遅くまで働きますが

私も外資系なんで、「遅くまで働く=能力なし」文化から来た人間ですが、
日本人が遅くまで働かないとならないのは、能力の問題というより、組織の問題で無駄な仕事が増えてるせいじゃないか、と思っています。

感覚論ですが、ソフトウェア業界などなどでは、日本の会社のほうが、一般的に外資より、一人のもつ裁量権が小さいように思います。
外資だと、自分で枠組みを決めて、結果を出せばいいが、日本だと、仕事が切り分けられすぎていて、単純にやるしかない。
その結果、大量の無駄(業界用語で「のりしろ」と言ったりするそうですが)が発生したりする。

あと日本の大企業にあるような「議事録を作る」「会議の進行予定表を分刻みで作る」みたいな無駄な仕事は、流石にアメリカの企業にはもうなくなってきてますね。

このあたり、「巨像も踊る」を読んでると、昔のIBMにはこういう仕事があったらしいことがわかり、今の日本企業を見ているような気持ちになります。

日本企業も変わっていく必要があると切に思います。
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為替マジック (freedom)
2009-09-29 03:08:32
まずは今日のレート1ドル89円でみてみましょう。そして年内には85円をうかがうと多くのエコノミストが言っているので85円でみると印象は違うかな。実効為替レートでみても95年からずっと円安傾向だったのがリーマンショックの後、円高に転じているし、今のトレンドではドルキャリー取引が増えておりドル安が進んで更に円高が進むのは自明の理、来年中には75円は予想の範囲だし、ドル安容認の今のアメリカの政策が続き、日本の民主党閣僚の不用意発言が続けば70円もありえるでしょう。そうなればこの差は解消するので、みんな日本で働く方がよいと思い、頭脳流出は起こらないということか。そうなれば渡辺千賀さんも考え変えられるかな(別の要因で海外流出を勧めておられるように思うので考えは変えられないでしょうけど)。
何れにしても日本の技術者のインセンティブは給料だけではないということでしょう。安く使われていても変わらない実は愛国心の強い国民ということか。
為替マジック効果があるので私たちは何もしなくても問題がないというわけではありませんけどね。

>シリコンバレーのアメリカ人エンジニアなんかより、よっぽど真面目で、いつも遅くまで働いて・・・。
ガラパゴスでは評価されるので、真面目で、いつも遅くまで働きますが(そう見せかけている人も?)、「真面目でも結果がだせなければ評価は低い 遅くまで働く=能力が劣る、疲れて結果がだせない」というのがグローバルスタンダードの見方でしょう。だからグローバルスタンダード国ではそういう人が少なく感じるが人間の本質はそんなに違わないのでは。今やガラパゴスは国の祝休日は世界一だから一面では最も働かない国ともいえますけどね。
返信する
これはこれは (Lilac)
2009-09-29 02:03:24
>Willyさま

早速データ有難うございます。
やはり多くの人が考えて、データで裏付けてるんですね。

「米系IT企業の日本支社で働いていた友達」のお話は生々しいですね。
合併しても、出自が違うと違う給与体系で働くんですね・・・

最近の金融機関の合併なんかもまさにそうなんでしょうね。
しかもその差が1.5倍とかでなく、2倍、3倍なのかもしれない。

日本企業の給与体系って、グローバル化のせいで、人材を確保するには本当に見直さないとまずいとこまで来てるな、と思います。
返信する
エンジニアの待遇の日米格差 (Willy)
2009-09-28 10:02:49
以下の記事によると、米国のエンジニアの給与は日本の6割増(現在の1ドル90円換算でも3割増)で、労働時間は1割少ないらしいです。更にサービス残業も考えると。。。

日米エンジニアの平均年収に500万円の差
http://japan.techinsight.jp/2007/11/200711071808.html

以前、米系IT企業の日本支社で働いていた友達が、買収の影響で日本企業に移ったのですが、相手先日本企業の賃金は約3分の2だったそうです。「米系の出身者の方が優秀なの?」と聞いたら、「そんなことはない。日本企業側の人は優秀でよく働く。」って言ってました。
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