My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

おひとりさまとIndependent

2009-07-01 09:09:02 | 8. 文化論&心理学

上野千鶴子が「おひとりさま」を言い始めてから、女性が一人で行動することが何でも「おひとりさま」といわれるようになってしまった。
もともとは、シングルの女性のライフスタイルのことだったはずだけど、今や何でも「おひとりさま」。
雑誌なんかでも「おひとりさまでも入れる店」特集とかあったりして。
日本でも、女性が一人で行動できる自由を(社会的に)漸く手にしはじめた、ということか。

そういう意味では、私は昔から「おひとりさま」を実践してきた変な人だ。
高校生のころ、一人でラーメン屋に入ってご飯を食べたことがあるのを皮切りに、
「女性一人では入りにくい」といわれるところは大体クリアしてきていた。

ひとりでも、どうしても食べたいものがあるときは、一人で行ってしまう。
ただの食いしん坊なのかもしれない。
こんな風に、一人だけで出張なんてしてるとなおさらだ。
いつもいつも、友人と一緒に食事ってわけにも行かないし、一人で外食が自然多くなる。

・ひとりで定食屋
・ひとりでそば屋
・ひとりで焼き鳥屋
・ひとりでとんかつ屋
・ひとりで寿司屋
・ひとりでバー

こういうところは女性だと行きにくいかもしれないが、カウンター席があるし、男性だと一人客もいるので気にしない。
特に、バーなんかはずっと行きつけのところばかりだから、一人で行っても「おかえりなさい」って出迎えてくれて、美味しいカクテルを作ってくれる。
彼氏や友人と行ってもいいけど、ひとりで行くのも楽しいのだ。
この前は、隣に座っていた中年のカップルに、「作家さんですか?」と聞かれた。
女性が一人でバーでお酒を楽しんでいるのは、作家っぽいんだろうか。

あと、なかなか男性でも実践しづらい「おひとりさま」も実践したことがある。
こういう店は、複数名で入ることが前提とされてるから、ちょっと入りにくいんだよね。

・ひとりで居酒屋
・ひとりで焼肉屋
・ひとりでもつ鍋屋

「一人でもつ鍋屋ってどうやって行ったの?」と友人に聞かれたことがあるが、何のことは無いです。
もつ鍋は二人前以上の注文なので、普通に二人前を注文する。
ビールを飲みながら、もつと野菜を食べておなかいっぱい。
美味いよ。

(とかいって、普通に質問に答えると、最後に雑炊とかうどんとか食べなければ、2人前でもいける)

焼肉は、普通に1人前からの注文が出来るので、問題なく。
最近は焼肉やさんにもカウンターがあったりして、広いテーブル席を一人で占拠せずにご飯が食べられるし。

ただ、昨日、居酒屋に入って夕食を食べようと思ったときは、流石に不便だな、とちょっと思った。

まず、ビールを注文。
そして、かつおのたたきと、寄席豆腐を注文。
とりあえず、これでいいだろう、と思って、若い店員さんの顔を見る。
と、もうすこし注文してよ、という顔をしているので、見つめあいながら、
「以上です」と言ってみる。

で、出てきた寄席豆腐を見ると、なんと一丁くらいある。
横のビールと比べると、いかに大きいか分かるんじゃないかと。

そんなに食べられるか?と思ったが、何とか一丁食べ終わった。
豆腐自体は割と美味しかったので。
途中でかつおのたたきをはさみながら。
もうおなかいっぱい。

ビールも一杯で十分って感じ。

ものの30分で食事を終えて、「お会計お願いしまーす」とさっきの店員さんに言うと、
「え、もう出るの?」みたいな顔をされてしまった。

そんな、店の回転率向上に貢献してるんだから、いいじゃん。
と思いつつ、お金を払う。

なんとなく、居心地の悪い「おひとりさま」だったので、行きつけの銀座のバーに行って気を取り戻してきた。

前に、アメリカ人の友人に、
「日本では女性が一人で行動するのは、社会的になかなかやりにくいことなんだよ。」
と言って、「おひとりさま」という概念を伝えてみた。

発音に苦しんでいたが(アメリカ人には発音しづらいらしい)、意味は分かったらしく、
「アメリカでは、そういう行動は Independent(自立している)と言われて、逆に尊敬される行動だと思う。
離婚率も高いから、老後をひとりで、とか女性の友人と一緒に過ごす女性も多くなっている。
一人でも気兼ねなく、自分がやりたいと思う行動が出来ることが尊敬される女性の条件だと思うわ。」
と言っていた。

日本の「おひとりさま」行動が、アメリカでは尊敬される女性の行動!
日本では、ちょっとそこまでは行かないと思うけど、「おひとりさま」という言葉が出てきてから、せいぜい開き直ることができるようになってきた。
そういう意味で、「おひとりさま」キャンペーンを張ってる上野千鶴子は偉い。
きっと日本もこうやってだんだん変わってくるに違いない。

それがいいのか、悪いのか、というのは賛否両論だけど、女性が優雅さを失わずに、普通に「おひとりさま」出来たら、素敵な世の中じゃないかと。

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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (M)
2009-07-06 22:09:28
初めまして。ワイン検索から来ました。楽しく読ませていただいています。
上野さんの”お一人様の老後”(だったか)を楽しく読みました。女性、特に酒場関係は何だかもの欲しそうにみえて行きづらいですね。特に独身だと。自分がしたい様に行動すればよいのでしょうが。。。
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おひとりさま (Lilac)
2009-07-07 03:09:28
>M様

はじめまして。コメント有難うございます。
「おひとりさまの老後」私も読みました。
ついでに「おひとりさまマガジン」なるムックも買ってしまいました。
完全に出版社の商法にはめられてますね(笑)
必ずしも同意しかねるところもありますが、面白く読みました。

バーは行き慣れると「このひとは一人で飲みに来るお客さんなんだ」と認識してもらえるので、一人でも居心地がいいんですが、
初めて行くバーは一人で行くのはなかなか敷居が高いです。
仕事のときは、スーツで行くことで、そーゆー目当てとかではないことをアピールしようとしています(意味はあるのか?)
しかし何よりも行きにくいのは、普段ダンナと二人で行ってるバーに、一人で行くことですね。
心配されないように、ついつい気を遣っちゃいます。
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Unknown (M)
2009-07-08 13:16:33
なるほど。。。スーツで防備もありですね。男だったらよかったのに(ただ便利なだけ?)と思う数少ない時ですね。
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Unknown (Lilac)
2009-07-09 00:38:46
女の人一人だけで来てるお客さんも実は結構いるんですよ。
バーに一人で来るような人は、男でも女でも必ずといってよいほどお酒には強いので、話が合います。
意気投合すると、みんな名刺交換するような真面目な方が多いです。
世の中の「バーに一人で来る人」のイメージは必ずしも合ってないのかも。
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