My Life After MIT Sloan

組織と個人のグローバル化から、イノベーション、起業家育成、技術経営まで。

世界第二の経済大国は、世界に嫌われた国のままでいるつもりか

2010-10-10 14:40:46 | 7. その他ビジネス・社会

隣国が念願の本土初のノーベル賞を受賞したが、反体制の獄中の人物だったということで大問題になっている。
個人的には、ノーベル賞受賞は祝福するけれど、その是非については中立だ。
それよりも、今回の受賞に対して中国政府が国際的に見せた態度にがっくりした。

劉氏の受賞に私がニュートラルなのは、かの国の民主化はあくまで国内問題と思っているからだ。
もちろんかの国が民主化をして、本当に世界全体の平和と繁栄のためになるなら、是非進めていただきたいと思う。
しかし実際にそれとこれは別だろう。
例えば、劉氏は国内の民主化には命をささげるだろうが、彼が尖閣諸島は日本のものと思うか、炭素排出権を中国は守るべきと思うかは別だ。
民度が低い国で民主化をしても、国際的な課題が解決されないことは良くあることだ。

これはいずれ記事に書くけれど、「民主主義」が成功して世界の平和と繁栄につながるには、それなりの民度と仕組みとインフラと人材などが必要となる。

(追記10/12:「民度」は「民主主義を受け入れるための動き方・価値観」という意味で書きました。
 これは私の個人的な意見で、民主化は「民主主義」というシステムだけではなく、国家戦略、政治家などの人材、
 行政全体のスキル、人々の動き方や価値観などが無ければ成功しない、と考えているためです。
  その人々の動き方や価値観が無いということを、「民度が低い」という言葉で書きました。
 詳しくはこちらの記事をご参照ください→
 My Life After MIT Sloan-民主主義はどんな国でも成功するのか

そういうわけで受賞の是非はともかくとして、今回の受賞に対して中国政府が見せた態度は、一流国のそれとはとても思えないものだった。

中国「劉氏にノーベル賞なら悪影響」外務次官がノルウェーに警告-毎日新聞
中国、ノルウェー大使呼び抗議-NHK
劉氏を祝福、中国の脅しには乗らず-ノルウェー首相 -時事通信
(10/14追加)
中国、ノルウェーに次々制裁。ミュージカルも中止-朝日新聞
中国、ノルウェー閣僚との会談相次ぎ中止-日本経済新聞

ノーベル賞選考委員会が、ノルウェー政府とは独立した存在であるということは、先進国なら誰でも知っていることだ。
それをノルウェー政府を脅したり、通常の文化的活動にまで圧力をかけるというやり方は、余りにも野蛮ではないか。

中国、「ノーベル平和賞」のネット検索を遮断-CNN
ネット閲覧統制、外国テレビ中断も、劉氏平和賞-読売新聞

これはいつものことだが、いくら成長市場であっても、こんなあからさまな自由が通らない国でマトモな商売が出来るのかと撤退をまじめに考えた世界中の企業はどれだけいるだろうかと考える。
人口が今後増えるとはいえ、この国の成長とは本当に持続的なのだろうか。

2010年のGDPでは、ついに中国が日本を追い越し、米国についで第二位の経済大国になるといわれている。
かの国は、「世界第二位の経済大国」として、世界に尊敬される国になるという発想はこれっぽっちも無いのだろうか。

私は、海外での仕事や留学で、いろんな国の人と友人になってきたが、その際は必ず「日本はどんな国と思うか、アメリカをどう思うか、中国はどうか」を話題にしてきた。(私の個人的な関心事だからだ)

アメリカについては、軍事行動や外交政策で全く尊敬できない部分は大きいものの、
多くの技術を生み出した国であること(電話もテレビも半導体もコンピュータも携帯電話も)、
何より次々に新しい世界的企業を生み出している活力は尊敬できるという人が多い。
食べ物はおいしくないけれど、何でも手に入るのはすごい。
大きな車に乗って馬鹿みたいだけど、車があれば生活できるのはすごい、など。
なにより世界中からあれだけの人をひきつけ続けているのはすごいことだ。

第二の経済大国だった日本は、政治的には全く尊敬できないけれど、東南アジア諸国では未だに目標となる国だ。
日本が生んだ企業ブランドは世界中で愛されている。
車もテレビもデジタルカメラも日本製の品質は世界で信じられている。
日本に旅行に行った人は、食事のおいしさ、文化や歴史の深さ、人々の親切さに感動し、日本が好きだと思うようになる。
確かに政治は馬鹿みたいだけど、人や企業はいい国で尊敬できる
と世界の多くの人は思っている。

しかし、「中国はいい国だ」「好きな国だ」「尊敬できる」などの言葉を聴いたことは、中国人以外では今まで一度も無い。
それも、直接中国の横暴ぶりの被害を受けている周辺諸国だけでなく、遠くアメリカやヨーロッパ、アフリカの人間まで中国を「嫌う」のは何故なのか、考えたことがあるのだろうか。

先日の排出権討議では、中国は自らが「途上国である」として、先進国並みの排出権制限受け入れを拒否した。
今後は自身が経済大国として、世界一のCO2排出をするようになるというのに。

メコン川流域では、中国が上流にダムを作りすぎて、下流のラオス、タイ、カンボジア、ベトナムの農業経済に大きな打撃を与えている。

アメリカもヨーロッパも多くの人は、「中国の製品は信頼出来ない」と思っている。
日本で冷凍餃子事件が起こったのと同様、米国では中国製の食品や製品への毒物混入が何度も事件になっている。
例えば、中国製のペットフードで犬や猫が死んだり、歯磨き粉に毒物が混入していたり、
プラスチックのおもちゃに毒物が入ってたりが大きな事件になった。
EUもことあるごとに中国政府に警告を出しているが、殆ど回答を得られないことが話題になっている。

中国に知的財産権を侵害されているのは、日本のメーカーだけではない。
アメリカの最大のメディア企業であるディズニーは、キャラクターの使用で常に中国と係争しているし、
映画産業は常に中国の海賊版と戦っている。

アフリカの某旧フランス宗主国出身の留学生の友人は、中国がODAを投入して橋や道路を建設しているが、工事の末端労働者からレストランまで全て中国から運んできて、地元に全く金が落ちないことを嘆いていた。
結果、道路は出来るけれど、莫大な農地や鉱山が中国に買われてしまっていると。

世界においてはこういうことに続けて、今回のノーベル賞報道だったわけだ。

「ノブレス・オブリージュ」とまでは言わないが、せめて世界第二の経済大国にふさわしい、
紳士的な国際対応と世界から少しは尊敬されるような行動をとってほしい。
それで、世界中から優秀な企業や人をひきつけられるような国でなければ、成長など持続的にはならないだろう

←面白かったら、クリックで応援してください!



最新の画像もっと見る

34 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
北京市機械工業局技術顧問 山本市朗さんのこと (Heineken)
2011-05-18 07:17:55
Twitterの方で、北京に行かれるご予定とのこと。なので、お役に立つかどうか分かりませんが、私自身が一人の日本人として、中国という「国」に対してつい腹を立ててしまう時にいつも思い出すようにしている本をご紹介します。(山本市朗著 岩波新書「北京三十五年(上・下)」)

今は絶版状態のようですが、神田古書街等では比較的容易に入手できると思います(今調べたらamazonでは1円でした。shock。。。)もしかしたら既に読んでおられるかもしれませんが。著者の方は、東北帝大の工学部で冶金を学ばれ、三菱鉱業の技師として大戦中に中国に赴任、日本支配時代→国民党時代→共産党時代 と激動の時代の北京で仕事をされ(「文化大革命」の時にはスパイ容疑で収監されたことも(!))、そしてこの本を出版された1980年の時点では、北京市機械工業局機械工程工業公司技術顧問をされていました。それだけに、コンピュータ時代の今、技術関係の仕事をされている方には、もしかしたら古典的な魅力もあるのではないかと勝手に思っております(カンチガイでしたらすみません。。。)

「…そこで、私は、名前だけは立派な設計室を作って、燕京大学(今の北京大学)の中途退学生や、トラックの運転手の助手や、ちょっと気転のききそうな街の青年を、五、六名集めてもらって、その連中に、「製図の鉛筆の芯は、こうやって平べったく削るんだよ」からはじめて、透視図の見方はもちろんのこと、トレース用の烏口(からすぐち)の研ぎ直し方まで、手を取って教え始めた。青写真の紙の薬品づけも、焼枠の製作も、自分たちの手でやった。
 女の子たちでは、大きな焼枠は重くて運搬に不便なので、焼枠の脚に大きな車輪を4つつけてやったところが、その車輪が大変滑りがよくて、ある風の強い日に、戸外で青写真焼きをしていたときに、風にあおられて、その青写真焼きの枠が、ちょうど帆かけ船のように凄い勢いで走り出した。番をしていた女の子が、それをつかまえようとして、工場の庭中追いかけ回したが、非力でどうしても止めることができず、そのうちに焼枠は、工場の正門から表の大通りに飛び出して、舗装路の上をなお勢いよく走り出した。そして、曲がり角で、電柱にぶつかって滅茶滅茶にこわれてしまって、女の子が破れた図面を持って、泣きながら私を呼びにきたこともあった。」

(中略)

「私の養成した若い連中たちも、実戦の中で涙の出るほど鍛え上げられて、彼らのやっている専門部門ただひと筋についてのみ言うならば、どうやらこうやら技術員らしい体をなしてきはじめた。浮選機の設計だけを担当していた一人の弟子が、ある日、鉱冶研究所へ受注機械のことで商談に行って、浮選機の構造のことで、そこの研究員と大激論をして帰ってきた。どうも、話を聞いてみると、その弟子の主張の方が正しいようであった。ズブの素人であった彼らが、大体その程度にまで成長した。
 その彼らは、今はもう、中年過ぎのいい技術者になって、みんな一流工場の技術部門の科長や、それ以上の責任者となって、工業生産の第一線に立って活躍している。」(上巻 136~149ページ)

いかがでしょうか。ごく一部の引用ですが、メンターとしての著者の魅力がよく伝わってくる部分ではないかと思います。

また、著者が共産中国成立後も残る決意をされた部分も、最近の中国政府の悪い面ばかり見えてしまう私には新鮮でした。

「…この日本人総引き揚げの話が起こると、工場の行政関係の責任者が私を訪ねてきた。(中略) …私は、この人たちと、およそ三年間一緒に仕事をしていて、彼らの素朴な、そしてナイーブな生活態度に、非常な共感を覚えていた。そして、この人たちと一緒に仕事をするのは非常に愉快であった。それは、決して、その時の文化水準の高低とか、技術レベルの発達の程度とかいう枝葉の問題ではなくて、長い革命生活の中で、理論的に実践的に鍛えられぬいてでき上がった、たくまざる性格からにじみ出る魅力であった。
 私は、日本での七、八年間の月給取り生活の中でも、「ああ、よくできた人だ」と感心する、肝っ玉の太い腹の大きい人に何人か出会ったことがあった。しかし、この八路の老幹部たちの持つよさは、日本で私がぶつかった人たちとは、また、その質と量の上ではるかに異質のよさであった。
 彼らには、中国革命は必ず勝利するという確信からくる底抜けの明るさがあった。「真実」なるものはただ実践によって実証された結果のみである、という単純明快な結論を持っていた。革命の勝利のためには、一時あらゆる犠牲をしのばなければならないという決意があった。
 これらの考え方が、仕事や日常生活での人と人との関係を非常に簡単なものにした。
 同輩に気兼ねする必要も、上司におべんちゃらを言う必要もなく、部下にとりつくろって威張ってみせる必要もなかった。この社会をよくしたいという志向にさえ立っているならば、自分の正しいと思う意見をどんどん主張しさえすればよかった。その意見が正しいかどうかを判別する基準は、上司の思惑でもなければ同輩の危惧でもなく、ただ実践の結果のみであった。
 これは、仕事のしやすい社会であった。私の性格にぴったりの社会であった。周囲に何の遠慮も気兼ねもなく、ただ仕事ひとすじにつっこめる社会を私ははじめて発見した。
 それに、私に対する待遇もずば抜けてよく、生活に何の顧慮もなかった。
 私は、つづけて中国で働く決心をした。」(上巻 187~189ページ)

 
 なお、私自身は、親中国でも反中国でもないつもりで、そういった決めつけるような思考法(「文革派」か「走資派」か、とかね(!))を超えて、囚われない考え方を常に探しているつもりです。また、「高度技術社会」の現代では、60年前の農村よりも「ただ実践によって真実を判定する」ことは困難になっている部分もあるのかもしれません。しかし、あらゆる古典がそうであるように、人間の根源的な部分に響く説得力は、今も色あせていないのではないかと思います。

 とはいえ、かつての老幹部が持っていた魅力を、「第二世代」、「第三世代」の人たちは、第一世代のような苦労はしていない(したくてもできない)以上、果たして維持できているだろうか???と、今の中国のことだけでなく、今の日本のこと、あるいは、「売り家と唐様で書く」ある意味「三代目」である私自身のことなども振り返りながら、色々考えさせられます。

長くなってしまって失礼しました。西日本でも黄砂で喉などを痛めている人が多いようです(東京よりさらに数百キロ中国に近いから当たり前か)。どうか、お気をつけて行ってらしてください。
返信する
中国の事情 (ユニコーン)
2010-11-09 14:26:39
共産圏の事情はわかりませんが、共産党の幹部の独裁権を維持するだけの政策に思えてなりません。中国・北朝鮮・ロシアも同じです!
共産国、軍事独裁国の貧富の差… 日本も、民主党政権になって、ますます貧富の差が激しい! 他国の批判する場合ではないですが、少なくとも党批判で投獄、死刑はないですね。
世界からの嫌われ者でも、政府高官が自分の地位が不利になる政策はとらないでしょうね…
党批判を口に出来ない国ですが、民意は違う側面もあるかと思います。
いずれにしても、一党独裁政治が崩れない限り、たとえ国際社会から孤立しても体制は変えないのではないでしょうか?
返信する
「中国の独自事情」が招くもの (KYD)
2010-10-15 14:52:08
「中国が生き残るためなら独裁や侵略や脱法行為も致し方ない」

という考えが中国の意志ならば、他国の目線で見れば

「中国が存在する限り侵略や脱法行為の被害は止まないのだから、彼らを殺そう」

という意志になる。当たり前ですね。
ここで中国≒世界という中華思想のもとでは「中国が生き残る」≒「世界が生き残る」ですから問題ないのですが、実際には彼らの外に外の世界があるわけで、まぁ度し難いですな。

小平のころの指導者は、日清戦争以降の日本がまさにその思想(暴支膺懲)で侵略をしていたのを体感していますからこそ慎重だったのでしょうが、今の指導者層はそれを歴史でしか知りません。そして日本は結果的に敗北したのだからもし「次回」があってもそうなる、そう信じているのでしょう。

愚かしいことですけれどね。
返信する
いくつか気になった点が… (Ma)
2010-10-14 22:40:41
「ノーベル賞選考委員会が、ノルウェー政府とは独立した存在」

ノルウェーはどうか分かりませんが、欧米先進国の政治的影響が本当に排除されているのかは疑問です。
中国もとりあえずノルウェーに八つ当たりしていますが、本当はノーベル賞の背後に隠れている欧米先進国に対するあてつけでしょう。

「かの国は、「世界第二位の経済大国」として、世界に尊敬される国になるという発想はこれっぽっちも無いのだろうか。」

そんな余裕がないだけだと思います。
一人当たりのGDPが先進国並みにならない限り、世界第二位の経済大国の名目なんて何の腹の足しにもならないというのは、日本の負け惜しみを聞くまでもなく中国政府もよく理解していると思います。
「衣食足りて礼節を知る」の言葉どおり、国民全体の生活水準が向上するまでは、中国政府も常に内乱と分裂の危機におびえながら国家運営をしていかなければならないのです。
したがって中国政府としては国家の安定が最優先の課題。中国政府の内外に対するすべての行動の原点はここにあるといっても過言ではないと思います。国家の安定を守るためだったら売られた喧嘩は形だけでも買わなくては国民に示しがつかないのです。

「「中国はいい国だ」「好きな国だ」「尊敬できる」などの言葉を聴いたことは、中国人以外では今まで一度も無い。」

これも日本人相手だから友人の皆さんもそう言っているという可能性もあると思います。あまり個人的体験を基に影響力のあるブログで意見を述べるのも如何なものかと思います。

私も別に中国の立場を尊重してあげるべきだと言っているのではなく、中国政府の強気の裏にある焦りと恐怖感をうまく見透かしながら付き合っていくしたたかさが日本には必要なのかなと思います。
そういう意味では、巡視船衝突ビデオも「公開する/しない」で悩んでいるのがもし「わざと」だとしたら民主党政権も相当交渉術のレベルが上がったということだと思いますが。
返信する
全く同感です (セルジュゲン)
2010-10-14 17:08:38
googleニュースのピックアップからこの記事を拝見しました。この記事内容には全く同感します。バランスがとれていて実に気分の良い内容だと思いました。しかし、一連の彼等の態度は、中華圏の文化的特質なんでしょうか。日本人や欧米人が持つ、よく言えばある種の生真面目さのような気質が彼等からはあまり感じられません。

中国人とはこういう人達なんだと理解できれば、それはそれでいいのでしょうけれど、それによって彼等が尊敬されることもないように思います。そういう捕らえられ方を彼等自身がどう感じるのか、あるいは感じているのかを考えると、少なくとも日本人である私には、彼等の資質というものを理解し難く感じますし、文明化することで彼等の態度が変わるのかどうかも分からないところ。昔は日本人もああだった、とも言い切れないくらい『多様』で『複雑』な問題点の多さを感じます。少なくとも私にとっては、欧米人を理解することよりも中国人を理解することのほうが難しいです。

ただ、相当なコンプレックス(欧米や日本などに対して)を抱えていることは理解できます。隣国であるだけに、まともになって欲しいという気持ちはあります。

少し昔、日本列島がもっとハワイ寄りに移動して欲しいものだと思ったこともあります。周囲にやっかいな国がたくさんありますからね。(笑)
返信する
Santosh さんのコメントに共感 (Snoopy_Mari)
2010-10-14 02:47:42
再度、コメントさせて頂きます。

中国本土に住んでいたときに、中国政府のやり方に恐怖や嫌悪感を覚えたり、西側・日本の価値観では理解できないことが沢山ありました。その一方、個人の利益が最優先で多様な価値観を持つ国民を統治するには、現段階では今のやり方しかないのかも、とも感じました。

基本的に多様性を受け入れる国(何でもありの国)なので、一度、中国に慣れてしまえば、中国の方がいい、という日本人も結構います。
返信する
おっしゃられていることはもっともですが。。。 (Santosh)
2010-10-14 00:42:17
 初めてコメントさせて頂きます。おっしゃられていることはもっともだと思います。ですが、中国には中国という国の(特殊な)事情があります。これは、その国で生活していれば感覚として共有されているものなのですが、その経験のない人に対してロジカルに言葉で説明することが難しいことでもあります。
 中国における外から見れば傍若無人な振る舞いには、中国と言う国が、単なるいわゆるひとつの「国」ではなく、一つの「世界」と言えるようなものであり、その中で世界が完結している、という事情もあると感じています。
 経済的にも大国となってきた中国と言う国に対して、世界の「常識」の共有を迫ることは当然のことではありますが、一方で、この国のもつ特殊な事情についても一歩踏み込んで考慮しなければ、建設的ではない不毛なやりとりが続くだけなのだろうなと感じました。
 少なくとも、ノーベル賞を劉氏に与えるような行動は、欧米人にとっては快哉を叫ぶようなアクションであっても、中国の政治改革には実際には何の影響も与えることはないだろうな、と思っています。
http://d.hatena.ne.jp/santosh/20101009/1286641434
返信する
コメント (Lilac)
2010-10-13 23:06:39
@Snoopy_Mairさん
おっしゃるとおり個人主義のしっかりした国の国民とは日本は付き合い方がわからず戸惑うことが多いのかもしれません。
結局、日本人が外に出たり、いろんな国の人と付き合ってなれていくしかないのかな、と思ってます。

@ピタゴラスさん
ああなるほど。
私は日本の戦後における経済振興策と、東南アジアにおける開発独裁は違うものだと思っていますよ。
ただ、その学者さんのおっしゃる意はわかりました。
「君主政治(衆愚政治の反対語)」のように、経済政策についての深い知見がある人たちが意思決定権を持ち続けることで、非効率な議論を省き、成長させ続けるということですね。

このシステムの危険なのは、変化に対応するのが難しくなることだと思いますが、民主主義は変化を克服するための多様性を担保できるものだと考えています。
ところが開発独裁にはこれが無い。これが非常に危険だと思います。1997年のアジア金融危機を生んだのはこれだったのではないか、と思っています。

@hipearmさん
マスコミの情報戦もありますが、「見せ方」も非常に重要だと思います。
例えば、現在中国がノルウェーに対してやっているように、世界が注目しているところで、ノルウェー漁業省に対してあのような警告をするとか、ノルウェー人の歌手に公演禁止を迫るとか、世界の多くの人々が「非常識」だと思うようなことを気づかずに「見せてしまう」というのは中国の「見せ方」の問題のように思います

@KYDさん
なるほど「中華思想」ってやつですね。
思うに小平のころって、世界に対する対応がここまで「中華」だった感じがしませんが、今の中央はかつての相対感を失っているのかなぁ

@ちえさん
そうですね。旅行中に「中国人」というととたんにひどい態度になる人は多いようで、私の中国人の友人も海外旅行するときは「韓国人」とか「日本人」で通している、という人もいました。

一方で日本がもっと個人主義に寄ったほうが良いのでは、というのは私もそうだと思います。
返信する
オーストラリア在住です。 (ちえ)
2010-10-13 21:07:32
海外にいて「どこの国から来たのか?」「中国人か?」と聞かれ「日本人だ」と答えると相手の態度が友好的に変わったとは良く聞く話ですよね。

以前行っていた学校で、「各国のイメージを一言で表現すると?」と問われ、日本(人)に対して「礼儀正しい」「勤勉」と好意的な意見が相次ぎうれしい思いをしたものです。

私が知り合った中国の人のイメージは皆さんがご指摘されてるように、超個人主義。 空気を読むなんてあり得ない 。しかし、「中国人は世界一」というプライドがあり、また勤勉で優秀な民族だと思うのですが、なぜその優秀な民族が言論の自由を奪われていても平気なのかわかりかねるのですが、、。

中国もゆるやかな民主主義を推進していると当局も世界に向けて必死で発信しているようですが、世界レベル(民主主義の先進国)からみれば、まだまだですし。

海外に来て、驚いたのがアメリカ嫌いの人が想像以上に多いと言う事です。(オーストラリア人だけでなく、他の国から来た人達も)理由は何と言ってもブッシュ政権下のイラク政策などの、Liacさんも言われてるように外交、軍事政策。そして今回の金融危機を招いた、杜撰な金融、不動産体制、行き過ぎた資本主義(Greed is good)などなど。 世界から尊敬されるべき超大国の像からはずれ、自国の利益しか返りみないといった印象を受けているように思われます。そういう意味では中国像とだぶるところが 、、。

もちろん、個々の多くの起業家や技術は尊敬されていると思います。後、アメリカを悪く言う人もアメリカのエンターテイメントは好きみたいですね。

日本の政治家の人達もアメリアや中国ほどとはいかなくても自国の利益の為に世界での日本の位置を確立していただきたいです。
返信する
「中国」という幻想 (KYD)
2010-10-13 11:57:29
そもそも「中国」ってのからして国名じゃないですから・・。あれは「世界の中心」っていう「地方」の名称です。
彼らにとって中華人民共和国政府の統治下にない土地は「辺境」であって、「外国」ではないのです。

だからその「辺境」の文化を尊重すべきだとか、対等で独立した他者として認めるとか、そういう「発想」がそもそも存在しません。

彼らにとって「国際社会」なんてものは存在しません。それは「辺境」での評判でしかないのですから、「意味がない」そういう連中なのです。

まあ、実は彼らを動かすだけなら簡単で、

「お前ら【中央】が遊んでるせいで【辺境】がどれだけ迷惑してると思ってるんだ?ちゃんと【中国】の仕事をしろ!働け!」

と言うだけで大抵はエライ勢いで働くんですけどねー。(笑
もちろんコレでは「中国側を上座に立てる」ことになりますから、日韓くらいならともかく、欧米では絶対に無理でしょう。
返信する
Unknown (hipearm)
2010-10-13 09:59:45
はじめまして。
楽しく拝読しております。

世界から「尊敬される」ことは重要ですが、自国の安全と富を守るための一手段であるだけで、それ自体が国の目的とはならないですよね。

中国は経済力、軍事力が向上してきて、世界から「尊敬されること」の必要性、優先順位が低くなってきたのではないかと思います。

ブッシュ大統領の頃は、アメリカの方が中国よりも国際ルール(国連の決定)を無視していました。

世界から尊敬される、されない、あるいは野蛮に見える、見えない、というのはマスコミなどを使った情報戦の結果によるところが大きいのかも。

日本にとっては、多国間(アメリカ、インド、韓国、東南アジア、ロシア等々)で連携して脅威に対抗することがますます重要になってくると思います。


返信する
開発独裁2 (ピタゴラス)
2010-10-13 09:33:44
??のコメントいただきまして、すみません。私のはピンボケ、頭ちょっと弱いですから

今から17年ほど前、題名は忘れましたがアメリカの学者さんが書いた中国経済の成長を予測する本の理由が開発独裁の話でした。

当時国防省が中国分裂、軍閥割拠するなどのレポートもあり、中国に対する不信感が強かった時期です。

そのアメリカの学者は中国全土を歩き回り、経済成長の予感を感じたそうです。

成功する理由とは、
ブラジルやインドが取って失敗した、重化学工業などの基幹産業を自国企業に代替えするやり方を取らず、日本が取った投資負担が低い軽工業の輸出から初めて、徐々にレベルの高い輸出産業を育成していくやり方です。

開発独裁の定義はちゃんとあるのだと思いますが、とにかくその学者さんは、日本は国家主導、なから独裁的に、自民党一党独裁&強力な官僚機構の基に、段階的に輸出産業を育成して経済成長を成功させたことを強調してました。

そして韓国、台湾などもそれを見習い成功した。

中国もそれらを研究し、共産党独裁でもこの方法なら経済成長できると判断した。

とにかく開発途上国が経済成長するには、このパターンは有効であるとのことでした。

ちなみにこの学者さん異端者扱いされてたようです。しかしその後予測が的中しました。


日本も経済成長が止まり、20年ほど前から、自民党&官僚の独裁体制の弊害が叫ばれて、徐々に改革されているようです。

しかし行政手続法が施行されたのが平成6年、民主党が政権を取ったのが昨年と、まだまだこれから課題が山積みと思いますが。
返信する
中国 (Snoopy_Mair)
2010-10-12 15:38:24
香港・中国本土に計4年間住みました。
上記のコメントで紹介されている「劉暁波氏ノーベル賞受賞”に際して考える=田代尚機」の内容に共感できる部分が多いです。

個人主義・個人の利益が最優先、面子に拘る国民性。
なので、
・組織においてはすぐに内部分裂がおこる(中国人同士で)
・ビジネスにおいては、すぐにリベートを貰おうとする
・自由に生きるため、儲けるために外国籍を取得しようとする人が結構いる
・明らかに間違っていても、自分は正しいと主張し続ける。根負けせずに交渉し続けても、本質から離れた部分の「勝ち負け」「面子」だけに拘る人も多いので話にならなくなってしまうこともしばしば。

マレーシア・シンガポールで華僑とも3年間付き合ったが、本土ほどではないが、個人主義・個人の利益が最優先の傾向は強く感じた。

こういったお隣さんとどのようにお付き合いするか・・・・。悩ましい・・・。

返信する
中国人にも洗練された人はいる (Lilac)
2010-10-12 13:57:55
@Sjbtさん
記事ご紹介有難うございます。早速読みました。
で、思ったのですが、この記事に紹介されてるようなおばあさんって、日本とヨーロッパ以外の国なら(アメリカも含め)結構いろんな国にいるかな、と思ったりしました。
逆に中国人でも洗練されてる人は洗練されてるし、記事では余り書きませんでしたが、こういう中国の対応を苦々しく思っている中国人も知的階級には結構いるように思います。

この記事は、感情的に読もうと思えば可能な記事で、ある程度は私も狙ったので多少は反省しています。
が、本来は中国の国家的対応をファクトベースで語り、今後の対応の仕方を議論できればよいな、と思っております

@機械系の学生さん
いつも詳しいコメント有難うございます。

>ノルウェーに対して過激な行動をとると,EUに入っていないとはいえ欧州が黙っていないでしょうし,先日の尖閣の件とは世界的にも注目度が違いますからね.

ここのところは全く同意です。
中国が何か気に入らないことがあると、面会しない、というカードは今まで日本と米国を含む周辺諸国には日常茶飯事に切っていましたが、
これをヨーロッパの国に行使するのは今回が初めてかもしれません。
(もっともはるか清の時代までさかのぼれば、いくらでもあるのでイギリスやフランスは慣れっこかも知れませんが)

北欧の普通の国であるノルウェーが突然標的になったと言うことで国際世論は集まりやすいでしょう。
自らの首を絞めた外交ともいえるかもしれません。

@キャビアリズムさん
>紹介頂いた日米の世界中での評判についてですが、経済がすごいから素晴らしい、という状態にしか思えず、中国の評判が今ひとつなのは単にようやっと日本を抜くというのが現状だから、という印象を持ちました.

そうですか。
余りうまく説明できなかったかもしれませんね。

例えば韓国や台湾などは世界的にも影響力もあるものの経済的にはまだまだ日本を抜くところまで行かない状況ですが、中国のような評判の悪さは決してありません。
インドも同様です。
ロシアは多少評判悪いですが、製品に関しては余りありませんね。

中国だけは全く違う見方をされているように思います。
今後、今回のノルウェーに対する対応などが報道されるにつれ、世界の中国に対する見方は明らかになってくると思います

@ピタゴラスさん
日本って開発独裁なんですかね?
おそらく何かの比喩で使われているのかと思いますが、その意を汲めず。
返信する
>中国の現実 (sjbt) (yosi)
2010-10-11 23:26:50
面白かったです。
記事中に中国のえぐいおばさんが出てくるのですが
田代さんもされるがままにではなくそこで得られる利益を半分要求したらどう反応したのかを知りたく思いました。
本来はその記事にコメントすべきでしょうが
一方通行の記事なのでこちらにコメントしました。
返信する
開発独裁の功罪 (ピタゴラス)
2010-10-11 22:09:47
中国、台湾、韓国も日本の開発独裁の成功を見習い、軽工業からハイテク産業まで国家主導で経済成長してきました。


しかし、いつまでもこの方法は採れません。

輸出先のアメリカが転け、国家主導の経済政策は曲がり角に

自国の人権問題を棚上げにしてきたツケを払うのは当たり前のような

日本も住生活の人権放置は不作為の罪も念頭になります


マンション管理・、不動産仲介の法的不作為、その外人権無視の様々な分野できちんと対応しましょう
返信する
早速中国は対抗処置 (Lilac)
2010-10-11 21:09:50
早速、中国がノルウェーに対する対抗処置を発動したようです。
記事の冒頭部分を引用しますね。

http://www.shikoku-np.co.jp/national/main/article.aspx?id=20101011000225

【北京、ロンドン共同】ロイター通信によると、中国は11日、ノルウェーのノーベル賞委員会が中国の民主活動家、劉暁波氏にノーベル平和賞を授与することを決めたのを受け、13日に予定していたノルウェーのバルグハンセン漁業・沿岸問題相との会合を中止した。ノルウェー当局が明らかにした。

 同国の当局者は、平和賞授与への対抗措置だと述べた。

 ノルウェー側によると、バルグハンセン漁業相は11~15日の日程で訪中。上海万博のノルウェー館で開催される「漁業ウイーク」に出席するほか、中国の農業省当局者らと北京で会談する予定だった。(中略)
返信する
Unknown (キャビアリズム)
2010-10-11 17:08:27
ご指摘のような傍若無人さは、日米その他、旧西側諸国も大なり小なり十全に発揮してきた資質であって、貴記事を読んでいて中国ばかりが今後それで躓く可能性を大きく見るに至ることはできませんでした.

紹介頂いた日米の世界中での評判についてですが、経済がすごいから素晴らしい、という状態にしか思えず、中国の評判が今ひとつなのは単にようやっと日本を抜くというのが現状だから、という印象を持ちました.

今後も日本の経済活動と中国のそれは関係性を深めていきそうです.
Lilac さまや周囲の日本のエスタブリッシュメントの方々にお願いしたいのは、中国の民主化にはニュートラル、などとおっしゃらずに日々の判断の中で自ら中国の権威主義を修正する影響を発揮してほしいと思います.

自然に改まる保証があるとは思えないし、
改まらないのは好ましくないと思うからです.
返信する
Unknown (機械系の学生)
2010-10-11 14:53:31
国際社会の目からすると,ODAで道路やダムができているのは見えても,地元にお金が落ちていないなんてことはよく見えていなかったり,もしかすると,実はそんなことは実際どうでもいいレベルの扱いなのかもしれません.
事実,お金が落ちていなくても道やダムができればその土地の人間からすれば,少なくとも恩恵は受けているはずですから.お金が地元に落ちればそりゃもっといいでしょうけど,お金出している側もあしながおじさんではありませんし,本当に純粋に心から世界のためを思って新興国を援助したいだけなら,ODAという形ではなくて,お金をドンと無償であげるでしょう.それじゃ自分たちにあまりに利益あるいは恩恵がないから,ODAという形を使っているんでしょう.
日本やその他の国のODAの実情を知りませんので何とも言えませんが,一概に中国を批判することはできないと思います.
資源外交なるもので大量の資源を買い漁って,その対価として援助をする,内政には口出ししないというのは,外から見ればエゲツナイやり方にも見えますが,実利としてみればかなりいい方法だとは思います.新興国は資源はある,まだ未開発で発展したいが,お金がない.中国は資源がほしいし,お金もある.それが合致した結果がこれなんだと思います.
ただ,中国側が支払った対価,供与したものの価値が,中国側が手に入れた資源や開発による利益等が必ずしも同じとは限らないし,当然,お金出す側にメリットが大きいのは,まあ普通なことかと.結局のところ,先進国による新たなる市場であり,言ってしまえば形を変えた現代の搾取なんだと思います.

こういうことをやっていると,長期的な目で見るとふつふつと不満が湧いて来て,中国に対する目が厳しくなったり,嫌われることもあるでしょう.
ただし,後に嫌われたところで,すでに資源の権益を持っていかれた後では,特に反抗のしようがないというのも事実なんだと思います.
今回のノーベル賞の件でも徹底した報道規制を敷いたようですし,奥さんは軟禁状態にされたようですし...その辺の自由とか人権意識の欠如(彼らにしてみればそれが当然なのかもしれませんが...)というのが,今回の件で世界中に知れ渡ったのは事実です.今後の出方次第では,急速に中国批判,中国離れが進むかもしれません.世界の目が今以上に冷たくなったら,今までと同じことはできませんからね.今後数カ月,特にノーベル賞授賞式までくらいで何かしら動くかもしれませんしね.ノルウェーに対して過激な行動をとると,EUに入っていないとはいえ欧州が黙っていないでしょうし,先日の尖閣の件とは世界的にも注目度が違いますからね.


最後に,日本のように「いい子ちゃん外交」をやっていては,国益が減っていくのは必然ですよね.表向きいい子ちゃんでも,言うときは言わなきゃいけないと思いますが,あまりに言いすぎると,いい子ちゃんじゃいられない...その辺のバランスが難しいんだとは思います.その辺で中国はしたたかだなーと思う点はあります.
返信する
中国の現実 (sjbt)
2010-10-11 11:34:11
面白いコラムがありましたので、ぜひ目にしてもらいたく・・・。

「劉暁波氏ノーベル賞受賞”に際して考える=田代尚機」
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=1011&f=business_1011_009.shtml

「中国の今」をするどく考察しているように思います。
返信する
ODA (小名木)
2010-10-11 09:44:14
国際戦略としては日本のヒモ付ODAよりレベル低い?
まだ人気の低い元を多めにばら撒いて
中国製耐久消費財を必然的に買安くすれば良いのに
元人気ないから中国製品買うと割安?
返信する
そうでした・・/アメリカと中国の違い (Lilac)
2010-10-11 07:17:44
八木アンテナでしたね・・・。失礼しました。
高柳さんは世界で始めてブラウン管原理によるテレビを発明した方でしたね。
日本が戦争で負けてなかったら、RCAの代わりに日本の技術が世界を席巻していたかもしれないという。
でも日本が戦争で負けたからこそ、松下やソニーのような企業が出てきてテレビの世界でNo.1になれたのかも知れずわかりませんが・・。

@Vertigoさん
アメリカの見方をするつもりは全くありませんが、
>「何を言っているんだ、ルールを尊重する日本より自国の利益のためなら国際ルールをも無視してしまうアメリカの方がよほど成長し利益を得ているではないか」

アメリカは殆どの場合、国際ルールにのっとって動いてます。
ルールを無力化するゲーム(京都議定書のときのように)を行ったり、自国が勝手に動けるようなルールを作ったり(NATOなど)しますが。

一方、中国の場合、何のルールにものっとらずに勝手に行動するのが野蛮に見えるのだと思います。

日本の場合、交渉やゲームが下手なのが問題であり、国際ルール尊重してるということなのかどうかは不明です。

日本の外交は昔から「制度的なことは相手に任せて実を取れ」という方針でやっていると思います。
これが、自動車価格交渉のように結局日本側の有利につながることもありますが、ゲームのルールを相手に作らせてしまうということで負けになってしまうことが多いですね。
しかし、それも「日本はダメなんだ」と悲観することではなく、単にやればいいってだけだと思います。
米国人に交渉で負けないためには、米国流の交渉術を死ぬほど勉強すればいい。
MPA(政策大学院)の交渉の授業で、アメリカ人にやられてるようじゃダメです。
返信する
八木アンテナ (ysjournal)
2010-10-11 06:48:24
「見え過ぎちゃって困るのー」の八木アンテナと混同してません。

意味も無くズレていてすみません。
返信する
アメリカが作り出した怪物 (Vertigo)
2010-10-11 02:00:12
最近の中国政府の行動は日本人の視点から見ると、非常に傲慢で野蛮ではないかと感じます。
しかし、中国人から見れば不道徳な行為であろうと損をするよりはいいと感じる方も多くいます。

島国で村社会である日本では正直で善人であった方が利得を得られますが、不正や汚職が横行する中国では正直者が馬鹿を見てしまうケースも多いため根本的な価値観形成が違います。

現在、中国の政治家はアメリカで学んだ方たちも多いですが、中国人たちはアジアでいち早く成功した日本のことも非常に研究しています。
そこで見てきたものは日本がアメリカから理不尽な条件を強いられ苦しめられてきた歴史です。

プラザ合意やスーパー301条を突きつけられ、金融立国に有利な時価会計の導入、イランの石油権益放棄させられ、証券ルールなど日本が一方的に課せられたルールや譲歩は枚挙にいとまがありません。

今の中国政府の考え方の中心にあるのはパワーポリティクスであり目指すべきはアメリカの位置であり、強く主張せずほとんどは言いなりにされてしまう日本の姿ではありません。
かたくなに人民元為替の自由化を拒むのも決して日本になってはいけないということを強く戒めとしているからです。

ただやり方が幾分古いためと共産党の権力維持の方向性から、今回のノーベル賞妨害など中国のあからさまに目立つやり方は必ずしも運営がうまくいっているわけではないと感じさせます。

>紳士的な国際対応と世界から少しは尊敬されるような行動をとってほしい。
>それで、世界中から優秀な企業や人をひきつけられるような国でなければ、成長など持続的にはならないだろう。
と忠告しても、
「何を言っているんだ、ルールを尊重する日本より自国の利益のためなら国際ルールをも無視してしまうアメリカの方がよほど成長し利益を得ているではないか」
と返されれば言い返せません。

先のベトナムのエントリーでもありましたが、誠実な行為をしてもたいして評価されないではなく、長期的に見れば愚直に誠実な対応をする者が、一番信頼され得をするという行動を見せなければなりません。

そのためにも我々は成長し、世界に信頼され手本となる国にならなければ傲慢で己の利益のためなら他者の権利を奪うことも厭わない者が跋扈するだけしょう。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-10-11 01:43:33
八木アンテナです
返信する
コメント有難うございます (Lilac)
2010-10-10 23:00:30
@golcondaさん
なるほど、有難うございます。
ただノルウェー政府も今回の件では、「ノーベル賞選考委員会の判断は政府とは独立している」と宣言してます。
そうすると、どこまでその「建前」をどこまで尊重して、紳士的に反論できるか、という話だと思いました。
中国政府が抗議するにしても、ノルウェー政府を脅すのではなく、ノーベル賞選考委員会にはっきり声明を出すほうが筋が通ったかなと、先進国的には・・。

@Studentさん
おっしゃるとおり、成長を続けている間は良いが、それが何らかの原因で止まった場合に臣下が問われるのでしょうね。
多くの人が、とまるわけがないと思ってるわけですが、それって日本のバブル期やリーマンショック以前のアメリカに良く似ています。

@T2さん
全くそうで、この力をどう世界を良い方向に持っていくのに活用すべきか、という考え方が重要だと思います。

@松本さん
ええ、アフリカ諸国の国民は(特に留学をするようなある程度インテリ階級の子供たちは)、中国のニュースをよく読んでます。
その上で実際に何が起こっているかを把握しています。
脅しの戦略で行っても中国の国際的立場は下がるだけなのですけどね。

@YSJournalさん
そうでしたか。高柳アンテナはテレビのアンテナ技術の基本になったものでしたよね。
返信する
テレビ:高柳健次郎 (ysjournal)
2010-10-10 21:08:35
Lilacさん
先日、アメリカ人の友人とテレビは日本人の発明ではないかと、変な所で愛国心を発揮してしまいました。(同時的に発明されているようで、諸説あるようですが。アメリカ人が最初に特許の申請をしている。)

失礼致しました。
返信する
そうなんですか~。 (松本孝行)
2010-10-10 20:41:34
中国は歴史も長いですし、三国志ファンとかが「中国はなんだかんだで好き」とか言うものかと思っていました。
アフリカなんかもかなりお金突っ込んでるって聞いてますし、そういう部分でも尊敬されてるのかな?と思ってましたけど、アフリカからも「好き」とか言われていないのは驚きです。

う~ん、中国ってなんで嫌われるのかなぁ…
返信する
とはいえ、量の持つ強さというのは・・・ (t2)
2010-10-10 20:35:44
これまで、ずっと続いてきた中国のガキ大将のような振る舞いで、国内外で色々と物議をかもすような言動を続けてきたものの、やはり世界の20近い人口をベースにした生産能力、資源は侮れないと思います。彼ががどう行動し、どういった振る舞いをしようとも、それらを織り込んだ上で、世界の発展に活かすことを考えるべきなんでしょうね。CO2排出権制御、大気汚染、水質汚濁といった世界への影響のあることについては圧力をかけるべきでしょうが、今回のような件については、色々といいたいことはあってもあえて口出しすることはないのかなと思います。
返信する
Unknown (student)
2010-10-10 20:20:59
 私は中国出身という立場から述べたいと思います。
 私が思うに、今回の事件自体は政権に対して大した影響は及ぼさないだろうと思います。なぜなら、大部分の人は私の感覚では、政治問題に関心が無いからです。むしろ、今は皆が経済面に関心が行っている状況だと感じます。
 だからと言って中国に政治的なリスクが無いとは言えません。
 理由としては、今中国では環境問題、貧富の格差、不動産のバブル、民族問題等非常に深刻な問題を抱えており、どれも正直言って当分は解決しないでしょう。そして、それらは現に大きな対立を引き起こしております。
 今のところ、経済が大きく成長しているので全体として政府をゆるがすほどにはなっていませんが、今後に経済が減速した時にはそれらの問題が一気に吹き上がり、日米のバブル崩壊より政治面ではるかに大きな問題が起こると考えられます。まさにその時に中国は本格的に変化するだろうと思います。
返信する
ノーベル平和賞 (golconda)
2010-10-10 18:38:56
スウェーデン王立科学アカデミーが担当するノーベル物理・化学賞等とは異なり、平和賞はノルウェー国会が任命する委員会が決めます。ですので、それなりにノルウェーの政治意志が反映されると考えられるのが妥当でしょうね。
返信する
コメント返信 (Lilac)
2010-10-10 18:22:38
@Tel20000さん
大国にふさわしいリーダーが出現するのか、というのは全くそうですね。
自国の短期的な利益のためのみに走ることを許すと、長期的な利益にならないことに気づくリーダーがいればよいのにと思います。

@かもさん
その見方は面白いかもしれません。
今後の行く手に注目ですね

コメントですが、名前が無いコメントは内容によらず掲載しないのでご了承ください。
返信する
時限爆弾 (かも)
2010-10-10 17:40:49
私は少し違う視点で見ています。
今回の事件は、彼の国の体制崩壊の引き金を引いたのだと思います。
一党独裁という支配体制と、思想の弾圧を国家の、第一義の原理としている国家が、実はその体制を維持するために、凡そあり得ない理不尽で無茶苦茶な国家運営をしている。その事をノーベル委員会は指摘しました。
 この授賞を受け容れることは、取りも直さず、反国家指導者を解放することであり、国家を転覆させる狂気を野に放つことになります。
 もし、この授賞を隠蔽し続けて隠し通せば、やがて其れは、ネットを通じて広く国民に知れ渡り、取り返しのつかない不信感を国民のあいだに醸成することになるでしょう。其れは、第二の天安門となって必ずや暴発するに違いありません。
 中国政府にとって、進も戻るも出来ない時限爆弾の導火線に火をつけてしまったのかもしれません。
返信する
中国の行方 (tel20000)
2010-10-10 15:16:12
共産党の一党支配が続く限り、簡単に経済力にふさわしい振る舞いをするとは思えないが、大中華思想をもつ国として、周辺国に対してもう少し鷹揚にできないものかと思う。
実際、政治も経済も儲かれば(発展すれば)何でもありという感が否めず、後の歴史家が現在の状況をどのように評価するのかといった、大国にふさわしい大局をもったリーダーがこの国に出現するのだろうか。もはや文革のような時代には戻ることはないとは思うが、最近の動きを見る限り、危うさを秘めており、体制を維持することに汲々としているように思える。
今の経済成長もいずれ鈍化していくことが想定されるなか、世界とどのように付き合っていけるのか。また、周りの世界との価値観を共有することができるのか。次世代を担うリーダーの出現を待っているだけでは難しい。歴史的なつながりも深い隣国である日本として、大国同士、堂々と渡りあってほしいと思う。
返信する

post a comment

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。