見沼・風の学校BLOG

知るより感じろ。――見沼田んぼ福祉農園で日々耕作をしているボランティア団体、見沼風の学校のブログです。

農的若衆宿2011 百姓の底力 実行委員長より

2011年11月05日 | 農的若衆宿

実行委員長の面川が書いた今回の若衆宿への意気込みです。

興味を持った方はご一読ください。


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現在福島第一原子力発電所の事故により、放射能物質による汚染が広まっています。
私の故郷である宮城県角田市も原発から65キロの距離にあり、当然ながら、放射能物質が降り注ぎました。ですが、周りに見える風景は、事故前となんら変わりません。けれでも、たしかに放射能物質は日常に目に見えない形で不安と恐怖を与えつづけています。また、いのちの糧であるはずの食の安全・安心が脅かされています。角田で稲作農家を営む父は、例年なら喜びであるはずの米の収穫の時も今年は素直に喜ぶことが出来なかったといいます。今年の稲刈りはこれまでに経験したことのない大きな責任を感じたといいます。この放射能時代において、今後この地で農業を担うためには、この大きな責任、放射能物質に汚染された現状に向き合いながら、人々に安心で安全な食料を生産することを考えなければと思っております。

 このように考えるようになったきっかけは、若衆宿に講師として来ていただくことになった、高知県四万十町の有機農業者であり窪川原発反対運動のリーダーでもあった島岡幹夫さんとの出会いでした。島岡さんは原発に反対する理由として「生命の先にしか、生命は生まれない。生命を生み育てる農業と、生命を生み出さず、生命を破壊する原発とは共存は出来ない。」と話してくれた。そして、原発に頼らない、地域の自然を生かした町づくりという明確な未来を示すことで原発計画をはねのけた。窪川原発反対運動の10年間に及ぶ戦いの歴史を通しての話は、これから放射能汚染や、それがもたらした分断とどのように戦っていくのか、その姿勢を示してくれました。

 今私達に問われているのは未来に対する問いかけである。そして、生き方である。放射能物質に汚染された現実と対峙しながら、これからの未来を語る場。今回の会がそのきっかけになればと思います。現実にある放射能と向き合いながら生命を生み育てなければならない生産者、そしてそれを食べる消費者。これからの放射能時代をどう生きるのか、島岡さんの話を通して考えていきます。

農的若衆宿2011 実行委員長
面川常義



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