ずっと私の前に立ち塞がってた「動かない重い石」。
その石が少しだけ動いて、未来の光がさしてきた。
実家の介護の問題。
兄は病気で動けず、義姉は自分の兄の看病で忙しく
ずっと私しか父を見ることが出来ない状況で、
それでも自分に出来ることはやろうとこれまで一人で頑張ってきた。
だけど仕事を抱えている上に実家通いではストレスも大きく
父のボケの症状は日増しにひどくなっていく一方で
私の訪問が父の命綱という厳しい状況の中で
私が病気になったら父はどうなるのだろうかと不安を抱えて
このままでは自分も参ってしまうと感じ
出来れば介護施設を探してほしいと、兄にSOSを出した。
しかし病気で不安になっている兄は心に余裕がなくて動けない。
それを見かねて義姉が市役所に相談に行ってくれた。
しかし義姉も実家の父を見ていた訳ではないので状況をうまく説明できず
結局私も一緒に同行して介護認定申請の手続きをすませた。
私が仕事しながらは大変だからと、義姉の方で一週間交代で通うよと言ってくれた。
しかし大きな問題が一つあった。
父を病院に連れて行き、医師の意見書を貰わなくてはいけないのだけど
身体の方はいたって健康な父なので、病院に行きたがらなかった。
健康診断をずっとやってないので、久しぶりに受けてみない?と誘っても
自分はどこも悪くないから行かなくていいと言う。
兄にSOSを出した時に、父に介護施設の話をしたら
自分はここ(実家)にずっと居ると言い張った。
でも食事が問題でしょ?と言ったら、自分で作るからいいと言う。
自分で作ることなど到底無理で、毎日配達される弁当も忘れて食べない状況なのに。。。
そんな父をどうやって病院に連れて行こうかと悩んでいたら
地域包括支援センターの人がアドバイスをくれた。
心を開いて優しく現状を説明して頼んだら、親は解ってくれると。
どんなにボケていても、想う気持ちは相手に伝わると。
私の方で「父の場合は無理かもしれない」と勝手に
「出来ない壁」を作っていた事に気付き、正直に父に頼んでみた。
私一人では仕事しながら介護に通うのがきつい事。
それで義姉が交替で来てくれること。
でも二人が来れない場合もあるので、ヘルパーさんに来てもらうために
介護認定申請で父に病院に行ってもらいたいこと。
父は内容をよくは理解してはいなかったが、病院に行く事を承諾してくれた。
あっさりと行くと言ってくれた。
自分で「出来ない壁」を作ってはいけないなと改めて思った。
心を込めて相手に「話す」。
それが重くて動かなかった石を動かすことに繋がる。
それで未来の選択肢がいくつか見えてくる。
これまでは未来が見えなくて、現状も動かなくて
どんなに頑張っても変わらない現状に、自分の心が病んでくるような感覚があった。
それが目の前に立ち塞がってた「動かない重い石」。
その石が段々と大きくなり、先に見えてる光が徐々に細くなる。
自分一人ではどうしようもなくて動かなかった大きな石。
だけど自分の胸の内を正直に明かしてSOSを出したことで
義姉が現状を理解してくれて、協力を申し出てくれた。
地域包括支援センターの人のアドバイスもあった。
そして介護されている父本人の協力もあった。
何人かの人で動かした大きな石。
それで先の光がまた、太くなってきた。
私と姉と交替で見れることで、私の心に余裕も出来
また介護認定されれば、今後のヘルパーさんの支援もいくつかお願いできる。
それで父は出来る限りは実家で過ごせるようになれる。
無報酬だった介護は、余裕を失くして精神的に疲弊していくと感じていたので
何か報われることがないと頑張れないと思い、義姉も手伝ってくれることになったので
手当制(父が負担)にし、その報酬で2人で美味しいランチでも食べて次も頑張ろういう気になる。
それが日々の楽しみにもつながっていく。
父はお金を出しているので、気分的にも家族の負担になっていると思わなくていい。
みんなが少しずつ幸せになっていく未来でもあるんだなと思った。
それでも気持ちが先にあって、お金は後付けなんだけど。。。
目の前の動かない大きな石は、一人では重すぎて動かせない。
いろんな人たちの手を借りて、少しだけ動かすことが出来る。
でも自分で動かそうとトライしなければ、決して動くとはない石なのだと思った。
心を込めて相手に話す。
これって、とても大事ですね。