Mamiのひとりごと

楽しいことも、悲しいことも。

考えさせられた一冊の本

2008-11-08 | 私のつぶやき
「性犯罪被害にあうということ」という本を読みました。

道を聞かれて教えようとしたときに、車に引きずり込まれ被害にあった女性が実名を出して、それからのことを赤裸々に綴ったものでした。

どうしてこの本を読もうと思ったのかというと、
最初の数ページ目に書いてあった文章にドキッとしたからだと思う。

そこには、こう書いてありました。


   事件後、母が私に言った言葉。
   「もう誰にも話さないでちょうだいね」
   この一言がずっと私の頭に残っていた。

   社会や周りの人たちから思い知らされた常識や厳しさ。

   変わってしまった身体・考え方やものの見方、家族や恋人・友人との関係。
   「私は何ひとつ、恥ずかしいことも悪いこともしていない」
   隠すことなんてないはずだ……。


   私にとってレイプされたという事実は、過去のことでも乗り越えたことでも無い。
   「私」という人間を構成する一部になってしまったのだ。それに伴う感情も、身体反応も。



そして、彼女はこう書いていた。


   「理解」
   これが、私が願うたったひとつの、とても強力な被害者への支援である。


   大切なのは、制度でも警察でも支援団体でもお金で復習でもない。
   近くにいる人の支えや理解なのだ。


この本の中で、家族特に母親とのことを読んで、私は泣いた。

世界の何よりも大切な娘が性犯罪にあうということは、親にとって、どんなに辛いものだろう、もちろん本人が一番辛いのは承知のうえでのこと。
どうしてやったらいいのか、何をしてやれるのか、どう守ってやったらいいのか、出来ることなら封印して、何も無かったことにしてしまいたい気持ちになると思う。

いつ、誰のもとに、こういうことが起きるかわからない…とは思うものの、その時のために、何の準備ができるというのか?

もし、私がこの著者の母親だったら…私は…
この本を読みながら頭の中はゴチャゴチャ。胸は苦しく、心は痛かった。



私は「理解をすることができるのか?」自問自答しながら、この本を読み終えた。


「理解」とはなんだろう?




また、私はこの本を読みながら、医療(事故・ミス・過誤)についても重なる部分が多いと感じていた。

久々に深く考えさせられる一冊に出会った。
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