ひとり井戸端会議

主に政治・社会・法に関する話題を自分の視点から考察していきます。

TPP参加とゆとり教育

2010年10月26日 | 消費、環境、食品問題
農業保護併せたTPP参加検討、首相改めて表明(読売新聞) - goo ニュース

 菅首相は25日の参院予算委員会集中審議で、太平洋地域の貿易自由化を柱とする環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)について、「米国などが参加して協定の交渉が始まっている。わが国として交渉への参加を含めて検討していく必要がある」と述べた。
 そのうえで、「日本農業の再生との両立などかなり難しい問題もある。そういったことを含め検討する」として、影響を被る国内農業の保護策と併せて検討する方針を示した。
 法人税率の引き下げに関しては、「海外に(日本企業の生産拠点が)流出し、雇用が失われることを防ぐ観点から検討が必要だ」と述べ、引き下げに改めて意欲を示した。
 大畠経産相は中国による対日投資に関連し、「工場設備の買収等により、技術や人材などの経営資源が流出する恐れが指摘されている。注視したい」として、日本企業買収の実態に注目していく考えを表明した。



 タイトルは何か無関係なことを結び付けているように見えるだろうが、これらはある点において共通している。すなわち、今まで外部との競争をいたずらに忌避しておいて、いきなり競争をさせる点においてだ。

 今回の件は民主党のみを批判するのはフェアではない。というのは、今まで日本の農業政策において、諸外国との競争を無駄に忌避し、護送船団方式で農業を保護してきたのは自民党時代からだからである。

 農村部においては未だに自民党が強いことからも分かるように、自民党は農業関係者の大きな票田を目当てに、これまで国内農業を過保護なまでに保護してきた。その結果、国内の農業は競争力を失い、国の保護がなければ立ち行かなくなってきた。

 そこにおいて、いきなり関税撤廃を目指すTPPに加盟するというのは、今まで温室の中で育てられてきた動物を、いきなりサバンナに放すようなもので、日本の農業に壊滅的な打撃が出るのは目に見えている。

 この意味において、TPP参加とゆとり教育は似ている。つまり、ゆとり教育で競争を否定し他者と争うことを知らない子供を育ててきたのに、大学受験や就職活動でいきなり競争を強いても、そうした競争に勝ち残ることができないのは競争の環境を知らない以上当然である。


 また、TPPに参加するのならば、日本の食料自給率が今の40%前後では話にならないとも思う。何故ならば、自国の国民が消費する食料すらまともに自国で生産できないような国が、食料貿易の自由化をしたところで勝算は皆無であろうと考えられるからだ。せめて自給率100%前後になってから参加するべきではないのか。

 これに関連して、食料ならびに食糧の調達というのは、安全保障上非常に重要な問題である。したがって、単にマーケットにおける消費者の選択肢が増えればそれでいいという狭い視野で考えるのではなく、日本の利害関係もきちんと考えた上で決定されなければならないはずだ。



 TPPに参加するのであれば、こうした問題を解決してからである。したがって、私はTPP参加は時期尚早であると考える。

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