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Maeda Niina BLOG

色即是空

2011年10月05日 13時39分42秒 | niina
昨日は、大野義人先生にお会いしました。
義人先生は昨日まで数日間、ワークショップの為にベルリンにいらしていたのです。
相も変わらぬ凛とした佇まいで丁寧にことばを発せられていた。
ほんの一瞬でしたが、駆けつけて良かった!と思いました。

昨年の頭に横浜の舞踏研究所でパフォーマンスさせて頂いてからもうすぐ2年。
あのとき義人先生からかけて頂いたことばは恐らく生涯忘れることはないだろうと
思います。

“色即是空ですね”

どういうことだろう?
真の意味で理解出来たとは言えないかもしれませんが、、、

色即是空…全てのものは自然のなかのひとつとして存在する=すべてのものはひとつである。 常に宇宙エネルギーとともに変化し宇宙の一部分として存在している。

今の時点での私の解釈を、ダンスとして見てみると、、、
“かたち”あるものがかたちを表現しようとしないこと。でしょうか。

“かたち”として捉えがちな“からだ”。
目に見える“からだ”の“かたち”。
かたちは大事だと思う。
しかしそのなかで宇宙の一部分としてのエネルギーを感じられないと
なんの意味もなくなる。
観客の前に立って、どんなに素晴らしいかたちの連続を
見せたとしても感動、或は共感はないと思う。

義人先生にこのことばを頂いたとき、私はまさに、そういう世界を
目指し、表現しようとしていた。
いや、当時自分ではそこまではっきりした認識のもとにやっていたとは言えないのですが、
いわば宇宙がつくり出した自分と言う現象を、自分とは別の目で動かそうとしていたのです。
こんな未熟な私のその試みを見事にひとことで言い放ってくださった義人先生。

いま思い起こしても凄い。
そしてなんと光栄なこと。

自然と一体化したいという、人間本来の自然な欲求を満たすことができにくい
現代社会。
この現代において、私たちはそこにある空間、宇宙の一部として
観客の前に現れなければならないと思う。



with Natalie Dieah Quintet


独日協会 新聞「かわら版」
http://www.djg-berlin.de/kawaraban/2011/kawaraban_2011_10.htm