Wanderers

試行錯誤のリターンズ はじめよう、ここから 日々のあれこれ・思うことなど 

刑事モノ

2008-05-27 23:12:29 | 本より
そういえば、一月以上も「本」のカテゴリを更新していない気がするので、最近読んだ本を3冊ほど。

まずはこの2冊。



リオ 警視庁強行犯係・樋口顕 / 今野 敏
朱夏 警視庁強行犯係・樋口顕 / 今野 敏

この2冊は見てのとおり、シリーズものです。
ウチでとっている新聞に「最近は刑事モノの小説が人気」と、この方の小説が紹介されていたので買ってみました。
紹介されていた作品は別のものですが。

この作品の主人公はサブタイトルにあるように「樋口顕」氏。
仕事を評価されて係長という役職についているのに、自分に自信を持ちきれない中年男性という役どころ。
たぶんね、部下として一緒に働くと、働きやすいと感じられると思うの。
でも、樋口目線での文章を読むと「あんたね、もっとしっかりしなさいよ!」と思ってしまうこと数回。
いい加減に、自分が立派な刑事だと見られていることを認めて欲しいよ。
それを認めた上で努力を怠らなければいいだけの話なのに、「どうしてオレが」とかうっとおしい。
作品自体は面白いし、面白いのはこの樋口の性格あってこそってのは分かるんだけど(おかげで樋口の相棒が際立つ)リオのほうでは、ちょっとイライラ。
朱夏になると、樋口の奥さんが誘拐されたせいで、樋口にかなり人間味がでてきてどんどん読み進めていっちゃいました。

この方の文体は私にあってるようで、なかなか面白く読ませてもらいました。

もう1冊はこちら。



そうか、もう君はいないのか / 城山三郎

城山さんという方は知らなかったのですが、本屋でこのハードカバーを見かけてタイトル買いしてしまいました。
タイトルからして、どなたかが亡くなった話だろうとは予想できたんですけど、こみ上げてくる涙は予想以上でした。

この作品は作者のエッセイのような感じなんですけど、終盤の最初あたりまでは、城山さんと奥様の温かい日々が描かれているんです。
出会いから結婚へ。家庭の出来事や旅行のお話など。
ところが終盤では、奥様に病気が発覚。
闘病生活が綴られていきます。
この、城山さんが書かれた闘病生活にも泣かされたんですけど、一番キタのは後書風に書かれた娘さんの文章でした。
奥様が亡くなられてからの城山さんのこととかも書かれてあったんですけど、切なかったですね。

ここしばらくは読んでいる作品がミステリーものが中心だったせいか、本に涙したのは久しぶりだった気がします。
とはいっても涙もろい私。
本以外じゃウルウルなんですけど。
前にあったスペシャルドラマで、岸谷さんと薬師丸さんが出演されてた馬のお話はボロボロ泣きましたよ。

読みやすかったから、他の今野さんの作品も読んでみようかな。