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同世代の竜王と近代将棋誌

2010-12-13 16:19:03 | 将棋
 近代将棋という雑誌をご存知でしょうか? 新しくファンになった人の中には知らない人も多いかもしれませんが、一昔前(といっても、休刊になってからまだ二年半ほどしか経っていませんが)には将棋世界のほかに、近代将棋という将棋雑誌もあったのです。
 
 将棋世界よりも一回り大きいサイズで、将棋世界に比べるとどちらかといえば級位者向けの雑誌だったという気がしますが、村山慈明五段や長岡五段が定石解説を行っているなど、高段者向けの内容もありました。漫画の連載なんかもやっていましたね。丁度私が初めて買ったときの付録が初心者向けの手筋の解説で、一間龍やダンスの歩の手筋を初めて知ったのも、その付録でした。今、私がまがりなりにも将棋を続けられているのは、近代将棋による所が大きいと思います。

 近代将棋との出会いは近所の本屋でありました。なんとかして将棋を強くなる方法はないか、と思案していたそのときの私に、近代将棋の大き目の表紙をいっぱいに使ったグラビアは、いかにも魅力的に映りました。そのとき表紙だったのが、ちょうど竜王戦七番勝負に挑戦中だった、渡辺六段だったのです(ちなみに、そのとき注目の若手棋士として取り上げられていたのが、橋本四段でした)。とはいっても、将棋の棋士というと羽生先生と藤井先生くらいしか知らない時期でしたから、あまりピンとはきませんでしたが、とりあえず私はその近代将棋を買うことにしました。

 結果として、近代将棋は私にとって安い買い物でした。内容が自分のレベル向けに作られた号だったこともあり、問題に取り組むのにも熱が入りましたし、エッセイもどちらかというと軽くて面白いものが多かったです。また、竜王挑戦中の渡辺六段の年齢が自分とあまり変わらなかったこともあり、なんとなく渡辺竜王を応援しながら読むことで、自分にとって難解な内容の観戦記も楽しく読めました。

 それからも定期購読をしていましたから、休刊を知った時には少しショックでしたね。雑誌が休刊するときというのは、なんとなく、ああ、歳をとったなあ、という気分になってイヤなものです。

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