タイトルだけじゃ何を言っているのか分かりませんが、つまりは1図のような局面のことです。
(1図)
ここで△8八同馬と取れば香・銀と角の二枚換えの駒得。ですがそれで振り飛車が絶対に良くなるわけではありません。先手の馬作りが間に合うまでに手を作らなければならないわけで、むしろ振り飛車が忙しい展開だと言えるのではないでしょうか。
△8八同馬ではなく△9八馬としても馬が無力化されていることに変わりは無く、居飛車が△8八馬の筋をしっかりケアしながら進めれば、どちらかといえば居飛車持ちの展開だと思います。振り飛車としては▲8八銀に対して一気に決めてしまいたいのです。
というわけで、▲8八銀にたいして後手は△9八飛車と打ちます(2図)。非常に狭いところに打つので一見取られそうで怖いのですが、この場合は意外と大駒を取られることが無いのです。
(2図)
この飛車打に対しては▲7九金(3図)が普通の発想。8八の地点を受けて大駒を封じ込め、場合によっては後に△9九銀と馬を取ってしまおうという手です(当然ながらすぐ取ると玉をとられてアウトです)。ですが、この手にはかまわず銀をとって△6九銀(4図)と打つ決め手があります。以下、▲7九玉や▲7七玉とよろけても飛車を切って後手優勢。先手はとても受け切れません。
(3図)
(4図)
▲7九金が駄目なら先手は角を打って紐をつけるしかありません。例えば▲2二角なら馬を切るのはさすがに無理筋。しかも次に▲7九玉から▲9九銀と馬を取る狙いがあります。しかし、ここで△7四香(5図)と打つ手があります。次に△7六香から△8八馬という狙いがありますが、これが非常に受けづらい。▲7九金を寄ろうが▲6六馬とひこうが▲7五桂と打とうが、香車を走って優勢です。
(5図)
△7六香に▲7九玉と引いたり居飛車にも色々変化はありますが、どうやら△9八飛と打った時点で後手優勢。やはり先手は角成を受けなくては成らないようです。
しかしこの局面は左銀を繰り出して行った図。右銀を繰り出した場合はどうなるのでしょうか。次回はそれを調べてみたいと思います。