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パチリズム!

下手の横好き将棋指しの、将棋関連ブログです。

▲8八銀に対する攻め方

2012-06-30 17:59:52 | 四間飛車

 タイトルだけじゃ何を言っているのか分かりませんが、つまりは1図のような局面のことです。

 

(1図)

 

 ここで△8八同馬と取れば香・銀と角の二枚換えの駒得。ですがそれで振り飛車が絶対に良くなるわけではありません。先手の馬作りが間に合うまでに手を作らなければならないわけで、むしろ振り飛車が忙しい展開だと言えるのではないでしょうか。

 

 △8八同馬ではなく△9八馬としても馬が無力化されていることに変わりは無く、居飛車が△8八馬の筋をしっかりケアしながら進めれば、どちらかといえば居飛車持ちの展開だと思います。振り飛車としては▲8八銀に対して一気に決めてしまいたいのです。

 

 というわけで、▲8八銀にたいして後手は△9八飛車と打ちます(2図)。非常に狭いところに打つので一見取られそうで怖いのですが、この場合は意外と大駒を取られることが無いのです。

 

(2図)

 

 この飛車打に対しては▲7九金(3図)が普通の発想。8八の地点を受けて大駒を封じ込め、場合によっては後に△9九銀と馬を取ってしまおうという手です(当然ながらすぐ取ると玉をとられてアウトです)。ですが、この手にはかまわず銀をとって△6九銀(4図)と打つ決め手があります。以下、▲7九玉や▲7七玉とよろけても飛車を切って後手優勢。先手はとても受け切れません。

 

(3図)    (4図)

 

 ▲7九金が駄目なら先手は角を打って紐をつけるしかありません。例えば▲2二角なら馬を切るのはさすがに無理筋。しかも次に▲7九玉から▲9九銀と馬を取る狙いがあります。しかし、ここで△7四香(5図)と打つ手があります。次に△7六香から△8八馬という狙いがありますが、これが非常に受けづらい。▲7九金を寄ろうが▲6六馬とひこうが▲7五桂と打とうが、香車を走って優勢です。

 

(5図)

 

 △7六香に▲7九玉と引いたり居飛車にも色々変化はありますが、どうやら△9八飛と打った時点で後手優勢。やはり先手は角成を受けなくては成らないようです。

 

 しかしこの局面は左銀を繰り出して行った図。右銀を繰り出した場合はどうなるのでしょうか。次回はそれを調べてみたいと思います。


後手藤井システム9五歩・3二銀型への急戦 ~銀を使わせない~

2012-06-26 22:13:31 | 四間飛車

 前回のエントリで1図から△8八角成は後手が悪くなりそうだという結論になりました。今回のエントリでは1図から△7一玉と引いた局面(2図)を考えたいと思います。

 

(1図)    (2図)

 

 一見後手陣は手が間に合っていないように見えるので、▲2四歩△同歩▲同銀と仕掛ける手はどうでしょうか。後手は当然△8八角成とし、▲同銀に△4六歩▲同歩△同飛と飛車をさばきます(3図)。

 

(3図)

 

 先手は歩を受けるのはいかにも利かされなので、▲3五銀と引いて飛車先を通したいところですが、それには△4九飛成とされたとき▲2二飛成と成れず先手不利。▲2二飛成には△3三角と打つ手があります(4図)。以下▲3二竜には△8八角成▲同玉△6九竜(5図)。

 

(4図)    (5図)

 

 そもそも角を換えずに▲3五銀と出たのは、相手の攻め駒をさばかせないという方針。▲2四歩からの仕掛けは基本的に駒をぶつけていく狙いですから、さばかせないという方針に反しているのです。なお、▲2四歩に換えて▲3四銀と出るのは少しましかも知れませんが、銀がさばける代わりに今度は飛車がさばけそうにありません。

 

 というわけで先手は振り飛車に動いてもらいたいのです。▲3六飛と歩を取る手が方針に基づいた手(6図)。

 

(6図)

 

 ここで△8二玉と入るのは立派な手ですが、次に▲2六飛と戻られるくらいでも後手からの手が難しそう。後手は▲3六飛の瞬間に動きます。候補手は△8八角成▲同銀とした後の、△4六歩(7図)あるいは△2七角(8図)といったところでしょうか。

 

 (7図)    (8図)

 

 単に△2七角には▲2六飛か▲3七飛。▲2六飛には△3八角成(9図)としておいて、次に△3六歩と垂らす手(▲同飛には△2七馬)と△3九馬から自陣に馬をひきつける手を見ます。ここで先手は△3六歩~△3七歩成の筋(これが意外と速い!)を封じて▲5九金寄(△3六歩に▲4八金を用意)でしょう。後手の攻めは細いですが、完全に押さえ込むのは先手も大変で、これは良い勝負だと思います。

 

(9図)

 

 △2七角には▲3七飛△4九角成▲1八角(10図)とする手もあります。▲1八角は△3六歩▲同飛△2七馬に対応した手で、次に▲5九金から馬の捕獲を見ていますが、後手にも△3四歩と打つ反撃があります。▲同銀と取るしかありませんが、△4六歩への対応が難しい(11図)。▲同歩には△同飛から△2六飛を狙われますし、先手がどう受けても手になります。

 

(10図)    (11図)

 

 つまり▲1八角が良くないわけで、先手は▲1八角に代えて▲2二角とか▲3一角とか打つんでしょうが(▲2四歩は歩を渡すのが気になります)、△3六歩▲同飛△2七角成で先手の攻めが間に合っていない感じがします。

 

 まとめると、単に△2七角に▲3七飛は△3六歩に▲同飛と取るしかないので先手不利。▲2六飛△3八角成に▲5九金寄と△3七歩成を防いで一局というのが今日の結論ですが、もうなんだかわけがわからなくなってきたので、結論が180度変わる可能性は大いにあります。


後手藤井システム9五歩・3二銀型への急戦 ~2二の地点を狙え!~

2012-06-26 00:36:06 | 四間飛車

 前回のエントリでは1図の局面から、▲3三角成△同銀▲3五銀とする変化を調べました(2図)。

 

(1図)    (2図)

 

 なにぶん、将棋倶楽部24でR1400前後という中途半端な棋力の人間の調べることですから、見逃し読み抜け勝手読みの類はいくらでもあろうかとは思いますが、とりあえず2図の局面は先手やや不満という結論で話を進めたいと思います。

 

 ▲3三角成△同銀▲3五銀が駄目となれば、次に有力と思われるのが角を換えずに単に▲3五銀と出る手(3図)。今日はこの手順を調べていきたいと思います。

 

(3図)

 

 一般的な居飛車急戦なら角を換えずに▲3五銀と出る手は、△8八角成▲同玉とされて先手が不満(4図)。王手飛車の筋がチラつき強く戦えません。が、今回は右銀での仕掛けですから△8八角成には同銀と取ることができます。そういう意味では単に▲3五銀は形を生かした一手と言えるかもしれません。

 

(4図)

 

 3図で後手の候補手は、△7一玉・△8八角成のどちらかでしょう。まずは△8八角成▲同銀と進めた局面(5図)から見ていきましょう。

 

(5図)

 

 後手陣は見ての通り2二の地点が弱点になっています。たとえば△7一玉のような手だと、▲2二角と打ち込まれ、△3三角と合わせても▲3一角成と逃げられてしまいます(6図)。6図では銀が逃げれば桂が取られ、飛車を逃げれば銀を取られるという状況。▲3六飛と歩を取ってから▲2四歩と突く(取れば▲2二歩)ような手もあり、これを受け切るのはかなり無理そうです。

 

(6図)

 

 よって5図では△3三銀と上がるくらいですが、単純に▲2四歩△同歩▲同銀と仕掛けて先手良し(7図)。その後△同銀▲同飛△3三角が香取りになっていないのが痛いです(8図)。

 

(7図)    (8図)

 

 というわけで後手は△7一玉と指す一手だと思われますが、それはまた次の機会に調べることにします。


後手藤井システム9五歩・3二銀型への急戦 ~かまわず玉を囲う~

2012-06-24 19:44:46 | 四間飛車

 残念ながら見逃してしまったのですが、今朝のNHK杯では角道を閉じるノーマル四間飛車が登場したのだとか。美濃囲いでは無く穴熊にしたようなので、自分が興味を持っている形とは若干違うのですが、しばらく指されることが無かったノーマル四間飛車が少しずつ指され始めているのは嬉しいことです。

 

(1図)

 

 1図は後手藤井システム9五歩・3二銀型に▲3六歩と急戦を見せた局面。ここから後手は急戦を警戒して△6二玉とし、先手は▲3五歩△同歩▲4六銀と山田定跡風に仕掛けるのが普通です(2図)。

 

(2図)

 

 ここで後手には二通りの手段があります。一つは2図から△4五歩(3図)。どちらかといえば少数派ですが、最近では▲飯島△森内戦で現れました。結果は先手勝ちだったのですが、先手だった飯島先生も途中は自信が無かったというコメントを残されていて、有力な形であるようです。

 

(3図)

 

 もう一つは△3六歩とする手(4図)。歩を逃がしながら△3七歩成を狙っています。△3六歩に▲3五銀と出ると△3七歩成▲同桂△3六歩とする手がありますので、△3六歩▲2六飛△4五歩と進みます(5図)。

 

(4図)    (5図)

 

 5図からは単に▲3五銀と出る手や、▲5五銀、あるいは▲3三角成△同銀▲5五銀とする手が考えられますが、今回はオーソドックスに▲3三角成△同銀▲3五銀とする手を考えてみます(6図)。

 

(6図)

 

 ここで銀をさばこうと△4四銀とするのは▲同銀△同飛に▲3六飛が嫌味(7図)。黙って△7一玉とするくらいでしょう(8図)。

 

(7図)    (8図)

 

 ここで▲2四歩△同歩▲同銀△同銀▲同飛は△3三角と打たれます(9図)。以下、▲2一飛成△2二飛▲同龍△同角というお馴染みの手順で飛車をさばかれ、▲6六角△同角▲同歩で先手不利(10図)。先手は一手溜めなければなりません。

 

(9図)    (10図)

 

 しかし8図で▲3六飛と歩を取ると、△2七角と打たれる手があります(11図)。▲3七飛ならば△4九角成と入って△3六歩を狙い、▲2六飛ならば△3八角成で△4四銀や△4六歩を狙う。▲3七飛△4九角成に▲1八角と打って(12図)、▲5九金から馬の捕獲を狙う手もありますので絶対に後手が良いとは言い切れませんが、先手は角の位置が不満なうえ玉も薄くなるので、先手が好んで指す変化ではないでしょう。

 

(11図)   (12図)

 

 結局、▲8八角と打つくらいのものだと思います。対して後手は△8二玉とかまわず玉を囲って大丈夫(13図)。以下、先手は▲2四歩△同歩▲同銀と仕掛けます(14図)。

 

(13図)   (14図)

 

 これに対して△同銀▲同飛△2二歩には▲3一銀としてどうか(15図)。少しそっぽな感じがする銀ですが、△4二銀成とするような手もあって、それほど遊ぶ銀でもないと思います。

 

(15図)

 

 15図でもそれほど後手が悪いとは思いませんが、一般的な山田定跡に比べて先手は4筋が薄いので、14図で△4四銀とかわしてみたいです(16図)。

 

(16図)

 

 ここで▲3五銀△同銀▲2一飛成とさばくのは△4六歩で右銀急戦の薄みを咎めている形ですので指しづらく、それ以外の手では銀がさばき辛いです。この局面は多少後手がいいように思います。

 

 長々と書いてきましたが、後手藤井システム9五歩・3二銀型に一直線に急戦を仕掛けるのは、やや先手に苦労が多いのかな、というのが今日の私の結論です。


四間飛車△4四銀型への反撃(基本) ~大事なのは反発心~

2012-06-24 00:01:45 | 四間飛車

 下図は△5五歩▲同歩△同銀と、四間飛車が銀をさばいてきた局面(1図)。

(1図)

 

 ここまで進んでしまえばもう収めることは出来ません。下手に低姿勢に出てしまえば居飛車が不利になるばかりですので、断固とした姿勢で反撃に出る必要があります。△5五同銀に対し、▲2四歩△同歩▲3五歩が反撃の手筋(2図)。

(2図)

 

 

▲2四歩△同歩▲3五歩に△同歩とは取り辛い!

 ▲3五歩に△同歩とすると▲3四歩と角頭を叩く手があります(3図)。以下、△4四角▲2四飛に△2二歩と受けると▲5六歩で銀得の大戦果(4図)。

(3図)   (4図)

 

 ですので▲2四飛に対し後手は△5六歩と打つくらいですが(5図)、▲同銀△同銀▲同金とあっさり指した局面(6図)は、先手の形こそ乱れているものの、先手の飛車先は素通しなうえ有効な攻めもこれといって見当たらず、ややつんのめった感じ。なにより3五の歩が今後役に立ちそうも無く、どうせ角頭を叩かれるのならば▲3五歩には手抜きしたいもの。△同歩とは取り辛いのです。

 (5図)    (6図)

 

 

▲3五歩には攻め合うが……

 ▲3五歩に△同歩と取れなければ後手は攻め合うしかないのですが、攻め合う手が以外に難しい。△5六歩にはやはり▲同銀△同銀▲同金で6図と大差ありません。初志貫徹で△4六歩と突破を目指すのは自然な手ですが、▲3四歩と取り込む手があります(7図)。ここで△4七歩成は▲3三歩成が飛車に当たって論外(8図)。しかし△2二角や△4四角なら▲4六歩と手を戻して先手良し。ここで4六歩は無理なのです。

 (7図)    (8図)

 

 しかし△4六歩に換えて△6五歩(9図)はいかにも無理筋。6筋は先手陣の一番固いところ。かまわず▲3四歩と取り込まれて不利になるのが目に見えています。

 (9図)

 

 

そもそも1図の仕掛けがムリ!

 結局のところ、1図の仕掛けが成立していないのだというのが私の結論です。後手は△7三桂とか△1四歩で様子を見るべきでした。先手が▲5九角とか▲6八銀と指したときに△5五歩と仕掛けるべきで、それなら一局……かどうかわかりませんが、おそらく1図の仕掛けよりは多少マシでしょう。

 

 しかしそれも居飛車がしっかり反発したらのハナシ。必要以上に受けてしまえば、かえって仕掛けが成立してしまうこともあります。この形に限らず、無理めな攻めにはしっかりと反発していきたいと思っております。