パチリズム!

下手の横好き将棋指しの、将棋関連ブログです。

相三間飛車研究3 ~続々七手目▲7四歩について~

2012-01-31 18:59:50 | 相三間飛車

(再掲図)

 前回は再掲図から△2八角成▲同飛△3七歩成▲同桂に△同飛成とすると、▲1五角と打たれておしまいであることを確認しました。今回は△同飛成に変えて△3六歩と打つ変化を見ていきましょう(第1図)。

(第1図) (再掲図)から△2八角成▲同飛△3七歩成▲同桂△3六歩

 先手は桂頭を攻められていますが、▲1五角の筋もあることでもありますし、▲4五桂と跳ねだしてみたいところ。対して後手は当然△3七歩成とするところ。それに対して先手は▲1五角と王手で角を打ちます(第2図)。

(第2図) (第1図)から▲4五桂△3七歩成▲1五角

 ここで△5二玉や△4八銀なら▲3三歩と打ちます。後手が飛車を逃げれば▲3七角とと金を払った手が香取りになっています。うまい具合に後手は歩切れで、なおかつ飛車の利きが止まっているので△8二銀と上がって受けることもできません。いきおい飛車を取り合うことになりますが、これなら先手もそこそこ戦えそうです。

 ならば▲1五角に対して先手をとる△2四銀はどうだということになりますが、これが後手の有力手段。▲3三歩には一度△同桂と取っておき、▲同桂成には△同飛と飛車でとるのが肝要(第3図)。これで後手優勢です。ちなみに、△同飛ではなく△同銀とすると▲3七角とと金を払われてはっきりしません。

(第3図) (第2図)から△2四銀▲3三歩△同桂▲同桂成△同飛

 では、第1図は後手優勢なのか。実はそうとばかりもいえません。第1図で▲3八歩と打つ手が意外と有力そうだからです。次回はそのあたりを検証します。


相三間飛車研究2 ~続・七手目▲7四歩について~

2012-01-30 18:57:51 | 相三間飛車

 (基本図)

前回は七手目▲7四歩から飛車先交換を目指すのは、後手に△3六歩と突き返されて先手が良くないという結論になりました。

 しかし、それはあくまで先手が△3六歩に対して▲同歩と取った場合の話。では、△3六歩に対して同歩以外の手ではどうなるのか? 細かいところですが見ていきましょう。

 △3六歩に対して▲同歩以外の応手となると、▲2八銀くらいでしょう(第1図)。ここで▲4八銀や▲3八銀と指すと角交換から△2八角と打たれて失敗します。このとき、▲5五角は△7三歩があってうまくいきません。

(第1図) 基本図から▲7四歩△同歩▲同飛△3六歩▲2八銀

 第1図での後手の指し手には、△3七歩成と△2二角成▲同銀△6五角の二通り考えられます。今日は△3七歩成について見ていくこととします。

(第2図) 第1図から△3七歩成▲同銀

 △3七歩成▲同銀と進んだのが上の第2図。ここで△2二角成▲同銀から△6五角も当然ありますが、それならば△3七歩成は急いで決める必要があったのかどうか疑問が残ります。△3七歩成と指したからには、△3六歩か△2二角成▲同銀△5五角のどちらかを選ぶべきでしょう。

 まず、△3六歩と指した場合。先手は▲2八銀と引いておくしかありません。それ以外の手では△5五角や△2八角が生じます。後手も3六歩が負担(ふたん)になる前に急いで攻めてしまわなければなりませんので、やはり△5五角と打つところでしょう。銀の両取りを受けて▲7八飛と引いて第3図。

(第3図) 第2図から△3六歩▲2八銀△5五角▲7八飛

 5五角、3六歩と打ってしまった後手は攻めるしかありませんが、ここでまったく手がありません。△2八角成▲同飛△3七歩成がいかにもよさそうに見えるのですが、▲同桂に△同飛車成と取ってしまうと、▲1五角と打たれて投了するしかありません(第4図)。

(第4図) 第3図から△2八角成▲同飛△3七歩成▲同桂△同飛成▲1五角

 攻めを続けるならもう一度△3六歩と打つしかなさそうに思えますので、次はその展開を考えてみることとします。

 


相三間飛車研究1 ~七手目▲7四歩について~

2012-01-29 22:08:55 | 相三間飛車

 石田流への対策、皆さんはどうしてますか?

 居飛車党にとって、石田流への対策は頭の痛い問題。戦法の優秀さもさることながら、石田流が持つ独特な『やりたい放題感』が個人的に癇に障ります。もちろん、序盤はあるていど主張を通していても一局なのでしょうが、なんとなく反発を感じてしまいます。

 なので、私は石田流に対しては相三間飛車を選択するようにしています。非常に窮屈な戦法なのですが、窮屈なのは先手も同じ。君にだけ好き放題は指させないよ、という気持ちなのです。

 ▲7六歩△3四歩▲7五歩に対して△3五歩と突き、▲7八飛△3二飛と飛車を回りあった局面が、相三間飛車の基本図になります。

(基本図)

 一目、先手は▲7四歩と突いて飛車先交換を目指したくなります。では実際に▲7四歩と突くとどうなるでしょうか。いろんな書籍で紹介されていますので、もはや知らない人は少ないと思いますが、大切な所なので一応おさらいすることにしましょう。▲7四歩△同歩▲同飛と進めて第1図。

(第1図)

 先手は望み通り飛車先交換することができました。しかし、ここでは後手に△3六歩と突く手があります。△3六歩▲同歩と進んで、当然△同飛……とはなりません。ここで△8八角成という手があるのです。▲同銀△5五角と、綺麗に銀香両取りが決まりました(第2図)。

(第2図)

 一見、ここで▲7七角と打って受かっているようにも見えます。△1九角成には▲1一角成としておいて互角の進行に見えますが……

(第3図)

 △7二香と打つ手がありました。これで飛車が助かりません。

 実際に後手をもってこの局面を迎えたことが何度かありますが、見た目以上に後手が勝ちやすいです。勝勢に近い優勢という感じ。ですので、七手目に▲7四歩から飛車先交換を目指す手は無いと言って良いでしょう。


グッジョブ!

2012-01-12 23:23:36 | 将棋

 王将戦第一局の封じ手は△4四歩でしたね。歩を打つにしてはあまりにも中途半端な場所でまったく考えていなかったのですが、指されてみると△6五角から△5六飛を狙ってなるほどという手。結果的には久保二冠の負けという形になりましたが、見ごたえのある将棋だったと思います。

 今日のA級順位戦の羽生対久保戦も、王将戦第一局と同じゴキゲン中飛車に対する▲3七銀急戦に後手が△4四歩と対抗する形になりました。羽生二冠が手を変えたことで王将戦とは早々と分岐したのですが、久保二冠のこの形に対する熱意がうかがえますね。今現在対局はまだ続いていて、ちょっと久保二冠が厳しいのかなぁという印象ですが、さあ、どうなるでしょうか。

 ところで、私は順位戦棋譜速報に登録していないのですが、今年から携帯サイトで順位戦と王将戦を中継することになったようです。これは本当にうれしいですよね。携帯サイトにかかわる皆さんに感謝です!


封じ手予想

2012-01-08 22:18:09 | 将棋

 今年の王将戦第一局は凄い展開になっていますね。先手の玉形はひどいものですが、ここまで先手は二歩得。局面が収まっては先手が良くなるのは間違いないでしょう、というか既に収まりつつあるようにも思います。後手が忙しい局面なのではないでしょうか。

 さて封じ手予想ですが、先手の角に較べて後手の角の働きが悪い気がするので、△5四角とぶつけてみたいです。そうすることで3四銀も働きが悪くなりそうですし。まあ、明日の封じ手開封を楽しみにしておきます。