以前、twitterでもちょこっと触れましたが、端を突き捨てて香を吊り上げて歩を垂らす手筋が大変好きです。具体的にはこういう感じ。
思い返せば将棋を覚えてまだ間もない頃。攻めというのは飛車があるかどうかが問題なのだと固く信じていました。なんなら金駒を二枚ぐらい捨てても飛車さえ成れば勝ちじゃん? くらいに思っていたのです。原理的飛車至上主義であったといっても過言ではありません。金や銀に人格があったなら、この差別主義者! と罵られてもおかしくないほど、飛車を偏愛していたのです。
そんな私だからこそ、この手筋を初めて知ったときの感動といったらありませんでした。なんといっても、歩だけで充分攻めになっているのです! 歩を捨ててスペースを空けそこに歩を垂らしてと金作りを狙うというアイデアの突飛さ、美しさに胸打たれたのです。私の作った局面はあまり▲1二歩が効果をあげておらず、むしろ▲1二角のほうがいいのではないか、というよりそもそも指しすぎなのでは? という局面なので説得力がありませんが。
将棋に負けたときはとにかく悔しくて、もうやめちゃおうかなあと思うこともしばしばですが、こういう手が指したいから今でも下手糞なりにいそいそと将棋倶楽部24にログインしてしまうのでしょうね。