このところの活躍ぶりを考えればむしろ当然のことかもしれませんが、やはり少々意外な気がしてしまいました。つい先ごろ、中村太地五段が棋聖挑戦を決めたことについてです。
中村五段がプロ入りを決めたのはもう、六年くらい前になるでしょうか。プロ入り当時は振り飛車党で、四間飛車を得意とされていたハズ。将棋連盟サイトで写真を見て、随分イケメンだなと思ったのを覚えています。こういう人がタイトルを取れば将棋界も人気が出るのかもなぁ、とも思いましたので、プロ入り後はしばらく注目していました。
しかし、その後棋界の注目をかっさらっていったのはプロ入り同期の糸谷現六段でした。朝日杯(当時はまだ朝日オープンだったかもしれません)での大逆転劇あたりから注目を集め、その後独特の気風と早指しであれよあれよと人気者になっていったのはご存知のとおり。現在では将棋世界でも彼の名前が出ている記事が無い号は無いのではないかと思わされるほどです。
一方、中村五段はそれなりの好成績を残していたものの飛びぬけた若手とは言えず、その後プロ入りした棋士に話題性が豊富な人が多かったこともあって、私はだんだんと中村五段に対する興味を失っていきました。
その間にも、中村五段は黙々と牙を研いでいたのでしょう。昨年度は歴代二位に入る圧倒的な勝率を残しました。そして、今日、棋聖挑戦を決めました。自分の見る目の無さをただただ恥じるばかりです。