パチリズム!

下手の横好き将棋指しの、将棋関連ブログです。

横歩取りの出だしから▲9六歩に後手は横歩を取れるのか?▲7二歩編その4

2011-01-07 18:37:02 | 横歩模様▲9六歩関連
 今日は操作ミスが原因で二回更新します(笑)。

 もう自分自身興味が無くなってまいりましたが、惰性でだらだら続けるのは大の得意です(三日坊主のくせに、続くとだらだら長いのです)。私の人生を一言で表すと『惰性』である、といっても過言ではありません。

(1図)

 前回、第1図を検討するということで閉めましたが、あらためて見ると第1図から▲7三桂成で先手の攻めが速いですね。

 ▲7三桂成△同銀▲8三角がもうすでに▲6一角成以下の詰めろです。かといってここで△7二桂と受けるのは▲6五桂から▲8二とを狙うくらいでも後手が辛そうです。後手は△6二金とかわすくらいでしょうが延々と攻められそうです。しかも、先手には▲7三桂成に換えて▲5三桂不成とする手段があって、とても後手が選ぶべき局面とは思えません。

 というわけで第1図の直前、▲5七角成にかえて▲6五同桂の局面を調べて見たいと思います(第2図)。

(2図)

 先手はここで手抜きで攻め合った方がいいのかもしれませんが、▲4六歩と角を取るのがまあ普通でしょう。対して後手は△5七桂不成と入ります。ここで手抜きで▲8二とと攻め合ったりするのは、△6九飛が厳しすぎますのでなにか受けなくてはなりません(第3図)。

(3図)

 攻めをきらそうと思えば、当たりになっている金を逃げる△3二金(第4図)でしょう。これは飛車を打たせて完全に受け切ろうという手で先手も怖いですが、後手も角桂交換の駒損のうえ、持ち駒も少ないので攻めを続けるのは大変そうです。

(4図)

 後手は△4九飛と打ちこみます。対して▲5八玉、ここで意外と後手の攻めがなさそうなのです。△4六飛成では▲4七金から桂をとられますから、後手は△4七桂(第5図)と打ってどうかというところです。この続きを来週考えたいと思います。

(5図)

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横歩取りの出だしから▲9六歩に後手は横歩を取れるのか?▲7二歩編その3

2010-12-31 09:55:49 | 横歩模様▲9六歩関連
 今日は2010年最後の日。当ブログ開設からは40日余りが経過しました。三日坊主の自分としては長く続いているのかな、という印象です。来年もこの調子でつづけていけたらなあ、と思います。生活環境の変化もあると思いますし、どうなるかはわかりませんが。


 さて、前回は1図の局面で△6五角を調べました。

(1図)

 そもそもこの△6五角自体があまり感じの良くない手ではあるのですが、やはり▲6五飛と引かれると後手が苦しいようです。8二歩成りが残るのが大変に大きいのです。

(2図)

 では先手が▲7四飛と寄った瞬間に△6五角と打つ手はどうでしょうか(2図)? 先手が角成を防いで▲4六飛と指せば△5五角と打ち、香取りと△4六角と△5五角を見合いにします。

(3図)

 ですが、△5五角に対して▲6五桂の反撃があります(3図)。対して△5四角では飛車を逃げられて何をしているのかわかりませんので、後手は飛車をとるしかありません。△4六角▲6五桂と進んで4図。

(4図)

 ここでは△5三角成と△6五桂の二つともありそうです。△6五桂は角桂交換の駒損となり指しづらい手なのですが、△6五桂▲4六歩△5七桂不成となると前回出てきた5図とくらべて後手の攻めが一手速いです。

 (5図)

 次回は△5三角成の展開をしらべてみることにします。

 それでは皆さん、良いお年を!

横歩取りの出だしから▲9六歩に後手は横歩を取れるのか?▲7二歩編その2

2010-12-25 13:50:16 | 横歩模様▲9六歩関連
 今日は土曜の上にクリスマスですね。

 もし私に妻がいれば、「クリスマスにまでこんなどうでもいいこと考えなくてもいいじゃない!」と止めてくれたかもしれませんが、幸か不幸かそんなものは居ませんので、今日も▲9六歩関連のことを考えていこうと思います。

 (基本図)

 さて、まず前回の訂正から始めなければいけません。前回は基本図から△7四歩▲8二歩△7三桂▲8一歩成△8五歩▲7六飛△8一銀▲7四飛に対して△7二金(1図)と受けるのが最善ではないかと書きました。

(1図)

 しかし、これが大間違い! 賢明な皆さんは既にお気づきの通り、単刀直入に▲7三飛成といって後手陣は崩壊です。実戦では真っ先に読む手だと思うのですが、一体なんでこれを見逃すのでしょうか……。

 とにかく、これで前回の検討は意味をなさなくなってしまいました。△7二金に換えて、前回切り捨てた△7二銀の受けを考えて見たいと思います。

(2図)

 前回は2図の▲8三歩で駄目と簡単に結論を出しました。今回はここで△6五角を考えて見たいと思います。いかにもこの角が取り残されそうであまり考える気がしない手なのですが、案外有力かもしれません。というのも、△6五角に対して、飛車の行き場所が難しいのです。普通に考えると▲6五飛ですが、ここで後手は△6四歩と打ちます。▲7七飛ではいかにも冴えないので、勢い、▲同飛△同桂となるところでしょう。

(3図)

 ここで▲8二歩成と行くのは自然ですが、△5七桂不成も厳しい手です。▲7二と△4九桂成▲同玉△7二金と進むでしょう。

(4図)

 結果図は駒損に加えて、7筋に歩が利かないのが痛く、後手不利。後手はもっと工夫が必要なようです。

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横歩取りの出だしから▲9六歩に後手は横歩を取れるのか?▲7二歩編その1

2010-12-17 10:04:29 | 横歩模様▲9六歩関連
 そこまでして取った横歩にどれほどの価値があるのかと問われれば、皆さんのお手元にあるそれと寸分たがわず同じです、と答えるしかありません。

 今回から、横歩取りの出だしから先手が▲9六歩と突き、それに対し後手が横歩をとってきた場合における▲7二歩型の横歩取りの形勢を調べて見たいと思います。基本図は下に示す第1図。

(1図)

 後手番での△3八歩戦法と比べて、▲9六歩と突いてあるので、王手飛車取りの筋が無くなっているというのが、先手の主張です。ここではまず、△7四歩と突いてみたいと思います(第2図)。

(2図)

 単純に▲8二飛車成といくのは△5五角がありますので、先手は▲8二歩か▲8三歩と垂らすくらいでしょう。ダイレクトに桂取りで▲8二歩と打つとどうなるのでしょうか? 後手としては単に△7三桂か△8五歩を利かしてから△7三桂くらいでしょうが、まず△7三桂を調べて見たいと思います(第3図)。

(3図)

 先手は▲8四飛と▲8一歩成が考えられます。▲8一歩成なら、△8五歩▲7六飛△8一銀▲7四飛と進むでしょう。ここで△7二銀と受けるのは▲8三歩と垂らされて後手が不利(第4図)。△7一金にも、▲8二歩成△同銀▲7一飛の攻めがあります。また、角を打って受けるのは少しつらいでしょう。

(4図)

 後手は△7二金と受けるのがおそらく最善手だと思います。そこで▲8四歩は△8二銀と受けられて、▲8一飛に△7一歩で耐えています(第5図)。次に△9二角の飛車の両取りがあります。

(5図)

 また、△7二金に対し、▲8四飛と回るのは△9二角と打たれて飛車の動きが不自由です。▲7四歩には△6五桂と跳ねだされて、桂成を受けても△7五角で困っています(第6図)。

(6図)


 先手は△7二金に対して、飛車を引く一手のようです。

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横歩取りの出だしから▲9六歩に後手は横歩を取れるのか?相横歩編その3

2010-12-06 13:52:07 | 横歩模様▲9六歩関連
 いうまでもなく、世は師走。誰も彼も忙しくしている今日この頃であるにも関わらず、一体自分は何故このような局面を調べているのか思うと、なんだか時代に取り残された気持ちがして、案外いいものです(いいのかよ)。今回で一応、▲8五角以下の攻防に、私なりの決着がつきます。

(1図) 

 △4四銀に対し、先手は▲2五飛と回るべきなのではないか、というのが前回の結論でした。▲2五飛と回ったのが、1図です。ここでは後手に△2四歩と△2三歩の、二通りの応手が考えられます。では、順に見ていきましょう。まず、△2四歩から。

 △2四歩に対して、飛車を逃げるのは角成がありますので、先手は▲同飛と取る一手。そこで△2三歩と打ち、先手をとって受けようというのが△2四歩の意味なのですが、この場合は、どうやら△2三歩に対して▲3四飛と回る手があるようです。この金取りが、案外受けづらいのです。

(2図)

 △3三銀と引くのでは、▲7四飛と切られて歩損が大きすぎます。△3三金や△3三桂では、後手陣に飛車を打つスペースができてしまいます。角を打って受けるのでは、冷静に角成を受けられて話になりません。後手は玉で受けるしかないようですが……

(3図)

 ばっさりと飛車をきって、▲2二歩と打てば、先手もかなり手が続きそうです。後手は△4七角成が詰めろになるのですが、▲5八金と受けられると、意外と後続がありません。後手玉がかなり弱いですから、桂馬を取っているようでは勝負形、というか私くらいのレベルでしたら、むしろ先手が有望でしょう。△2四歩は後手がまずいようです。

 △2三歩も後手が芳しくありません。ここで後手を引くようでは角成を受けられて先手よしです。7四の角の顔を立てるなら、△2三歩▲6八銀に△1四角ですが、冷静に飛車を引くぐらいでも、はっきりと切れ模様です。

(4図)

 では、後手が駄目なのか、というとそんなことはなく、そもそも△4四銀自体が悪手なのです。形は悪いですが、△4四銀にかえて△4四歩と突くのが良いようです。

(5図)
 
 ここで先手が▲2五飛と回る手が無いのが大きいのです(こんどは△2四歩に銀でひもがついている)。▲4六飛と引くしかありませんが、そこで△5五角と打ち、△2六飛に対してじっと歩を受ければ、先手は香取りと角成が受かりません。6図はその後の進行の想定図です。

(6図)

 後手は5五の角が取り残されているのが懸念材料ですが、歩得で馬を作っていますし、ゆっくりと指せば後手も十分に戦える局面だと思います。

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