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横歩取りの出だしから▲9六歩に後手は横歩を取れるのか?相横歩編その3

2010-12-06 13:52:07 | 横歩模様▲9六歩関連
 いうまでもなく、世は師走。誰も彼も忙しくしている今日この頃であるにも関わらず、一体自分は何故このような局面を調べているのか思うと、なんだか時代に取り残された気持ちがして、案外いいものです(いいのかよ)。今回で一応、▲8五角以下の攻防に、私なりの決着がつきます。

(1図) 

 △4四銀に対し、先手は▲2五飛と回るべきなのではないか、というのが前回の結論でした。▲2五飛と回ったのが、1図です。ここでは後手に△2四歩と△2三歩の、二通りの応手が考えられます。では、順に見ていきましょう。まず、△2四歩から。

 △2四歩に対して、飛車を逃げるのは角成がありますので、先手は▲同飛と取る一手。そこで△2三歩と打ち、先手をとって受けようというのが△2四歩の意味なのですが、この場合は、どうやら△2三歩に対して▲3四飛と回る手があるようです。この金取りが、案外受けづらいのです。

(2図)

 △3三銀と引くのでは、▲7四飛と切られて歩損が大きすぎます。△3三金や△3三桂では、後手陣に飛車を打つスペースができてしまいます。角を打って受けるのでは、冷静に角成を受けられて話になりません。後手は玉で受けるしかないようですが……

(3図)

 ばっさりと飛車をきって、▲2二歩と打てば、先手もかなり手が続きそうです。後手は△4七角成が詰めろになるのですが、▲5八金と受けられると、意外と後続がありません。後手玉がかなり弱いですから、桂馬を取っているようでは勝負形、というか私くらいのレベルでしたら、むしろ先手が有望でしょう。△2四歩は後手がまずいようです。

 △2三歩も後手が芳しくありません。ここで後手を引くようでは角成を受けられて先手よしです。7四の角の顔を立てるなら、△2三歩▲6八銀に△1四角ですが、冷静に飛車を引くぐらいでも、はっきりと切れ模様です。

(4図)

 では、後手が駄目なのか、というとそんなことはなく、そもそも△4四銀自体が悪手なのです。形は悪いですが、△4四銀にかえて△4四歩と突くのが良いようです。

(5図)
 
 ここで先手が▲2五飛と回る手が無いのが大きいのです(こんどは△2四歩に銀でひもがついている)。▲4六飛と引くしかありませんが、そこで△5五角と打ち、△2六飛に対してじっと歩を受ければ、先手は香取りと角成が受かりません。6図はその後の進行の想定図です。

(6図)

 後手は5五の角が取り残されているのが懸念材料ですが、歩得で馬を作っていますし、ゆっくりと指せば後手も十分に戦える局面だと思います。

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