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アロマな日々

一条の光に誘われて歩くうちに、この世とあの世を繋ぐ魔法の世界に紛れ込んでいました。夢のワンダーランド体験を綴ります。

匿名性の罠

2006年12月02日 | 日々の泡
インターネットは今までになかった新たな数々の価値を生み出してくれました。ブログがこんなに短期間に多くの人々に圧倒的な支持を得るようになったのにも、それなりの有効性が備わっていたからでしょう。

私がブログに親和性を感じることの一つに匿名で自分を表現できることの気楽さや自由な雰囲気がありました。社会の中であるポジションを得て生きている私という人間のペルソナを見せたくない人には見せなくてもいい、それでいながら、ある意味、自分の、最も本質的な素の部分を開示することができる…こんなに素晴らしい闊達さが許されているのです。こんなことが通常の社会のどんな場所にあるでしょうか?

ところが、今回ある事件を通して、ひょんなところから、身元が割れてしまう可能性がネットには潜んでいるということを知る機会に偶然にも遭遇し、驚愕の思いに捉われています。どんな時にも、油断は禁物なのです。誰にも、私の存在を知られないはずのネットという大海。けれど、無数の人々がその大海には泳いでいて、日夜、あらゆる情報にアクセスしようとしているのです。

私などは思いも付かないことですが、裏の裏の裏まで、隈なく情報を集めようとしている人もいるのです。邪の道は蛇です。ネットという暗闇の海の中にはどんな人間が潜んでいても不思議はありません。あなたの大事な産毛の生えた心をむしり取られないようにくれぐれも気をつけてください。

ネットに書き込むことは多くの人にとっては、恐らく、人には見られたくない、心の心情を吐露している生の声のはずです。そんな感情を人に盗み見されることは耐えがたいことです。検索エンジンに引っかからないように、キーワードになるような言葉は極力控えて、大海の中に埋もれてしまいましょう。案外、近い人間関係の中に罠のきっかけがあったりすることを肝に銘じて知りましょう。

私が決して盗撮しようとしているわけではない、見知らぬ人の本心や悩みに触れてしまうことは、私にとっては、本当に心の痛む辛いことです。私は、自分を容易には人に開示しない代わりに、人の心を無理やりこじ開けようとする趣味もありません。そっとしておいた方がいいことが人生には一杯あると思っている人間です。ただ、知ってしまったことを、知らなかったことにはできない不器用な人間でもあります。きっと、期せずして、こんな恐い体験を目の当たりにしてしまったことも、今の私には必要なことだったからなのでしょう。けれど、もう、この感情をいつまでも引きずることはしたくありませんので、ネットの海の中にではなく、宇宙の彼方の、誰にも知られることのない世界にそっと放ってしまおうと思っています。