ミケの雑記帳

グ~タラしたい毎日

ある日曜日 ~待ち合わせ~

2009年11月19日 13時48分55秒 | 物語
俺の今日一日の予定を崩した相手、つまりは待ち合わせの人物は宮島那緒という女友達。
高校、大学と一緒だったやつ。
と言っても、仲良くなったのは大学で偶然一緒のサークルに入ってからだ。
高校は2,3年とクラスは一緒だったが、あまり話したことはない。
高校の時は俺自身があまり他人と仲良くするのが苦手で、特に女の子とはほとんど喋らなかった。
逆に、大学ではそんな自分が嫌で明るく饒舌なお調子者へと変貌した。
調子こいて失敗したことはいくつかあり、今でも反省してる。
ま、そんな訳でサークルの同期というものは往々にして仲良くなっていくものだ。
多少の口論や仲違いはご愛嬌。
ナオとは共通話題が多かったから、1年の最初から仲は良かった。

性格は明るく、八方美人なタイプ。
高校の時から、人の輪の中心にいるのが自然な女。
人当たりが良くて優しく誰とでもわけ隔てなく接するから、同期は元より、先輩からも後輩からも、男女の垣根なく人気があった。
顔は特別可愛いとか綺麗とかではないし、スタイルも目を引くような感じではないが、性格の良さと人付き合いの器用さが人気の原因だろう。
だから、サークル・学部・バイト先の男性陣からは結構モテてたらしい。
何人か告白したやつらを知っているが、「好きな人がいるのでお付き合いできません」と全員が言われたらしく、隠れたあだ名が『兵どもが夢の跡』らしい。
実際に好きな人がいたかどうかは誰も知らない。
同期の女性陣にすらはぐらかして明かさなかったみたいだから、『誰のことも好きじゃない』or『真剣に好きな人がいる』のどちらかだろう。

学生時代のことを思い出しながら車を走らせ、20分ほどで駅に到着。
時間は11時ちょい前。
「改札に辿り着く頃にはちょうど11時かな?」とか思いながらゆっくりと歩く。
駅東の駐車場から数年前に新しくなった駅ビルへと入る。
駅舎自体の改築は高校の時からずっとやっていた。
地中に歴史的価値のあるものが埋まってないかだとかを調べるために改築に年数がかかっていたらしい。
今は線路が高架上にあり、そのおかげで車の通りが良くなったとか。
でも、駅周辺の再開発がうまくいってなくて人通りは昔よりも減っている気がする。
駅西の無駄なスペースを活用すれば良いのに。
県庁所在地とは言え、所詮は地方都市か。
アーケードは廃れゆく文化なのかねぇ?

改札前に着いた。
時間は11時ちょうど。
我ながら素晴らしい時間間隔。
無駄の無い運びに満足していると、後ろから膝カックンをされた。
今時膝カックンなんてやる奴は知っている限りナオしかいない。
振り向くと悪戯っぽく笑いながら俺の顔を見つめるナオがいた。
「そんじゃあシノ、これを持って私をエスコートしなさい」
シノってのは俺の苗字が篠崎だから付いたあだ名。
子供の頃から呼ばれることが多いから、友達から呼ばれるのはいつでも全く抵抗は無い。
荷物を持ちながらナオの髪を見た。
先月とは違いショートカットにしていた。
畜生、こいつどんな髪型でも似合いやがる。
「あぁ、これ?ちょっと切り過ぎちった」
とか言いながら前髪を弄る。
「暑くなってきたから良いんじゃないか?結構似合ってるし」
「マジで?冬の間ひたすら伸ばしてたから思い切って切ったんだよ」
ちょっとはにかみながら言う。
「でも、こっちはまだ涼しいよ。向こうは既に夏が来たって感じ。」
「京都は盆地だから仕方ないって。夏暑く冬寒い。俺も経験してるんだから気持ちはよく分かるよ」
大学は2人とも京都。
ナオはそのまま老舗呉服屋へと就職を決め、俺は地元で就職。
「んで、今日はどのようなご予定をおたてでございますか?」
「とりあえず~はお昼御飯だね」
「ありゃ、家は寄らねぇでいいの?」
「あ、そだね。まずは実家寄って荷物置いてから昼御飯行こう。と言うわけで運転手君出してくれ給えよ」
「はいはい、了解ですよ」
いつものやり取りをして駅を離れた。

・・・・・・続く。


今日の天気 
 フィクションですが、舞台は地元をモデルにしてます

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (kohei)
2009-11-20 01:44:11
ダウンロードとかまわりくどい方法よりこっちのがいいね!
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Unknown (micky)
2009-11-20 09:42:47
それは言えてるねぇ
今回は短めのお話だから、こういう掲載方法にしたよ
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