ミケの雑記帳

グ~タラしたい毎日

新しい一歩

2009年11月30日 11時08分51秒 | 

眠いです。
土日の疲労が現在きてます。
あと、普段の倍以上の量の食事量を摂ったので、消化不良を起こしたのか昨日はトイレに3回も駆け込む始末。
夕飯を抜いて調整しました。


え~と、まぁ近況報告なのですが、12月から働き始めます。
和菓子屋さんです。
製造の方なので、ゆくゆくは職人になると思われます。
そこは会社じゃないので雇用形態はアルバイトになります。
保険とかお金の問題はいろいろとあるとは思いますが、とりあえず頑張って働こうと思います。
とにかく、もう明日からなので、今日1日ゆっくり休んで備えます。
やったるぞ~!


今日の天気 
 気持ちいい晴れっぷりです

励み

2009年11月29日 19時13分32秒 | お出かけ

しばらく物語を書いていたので、近況報告が出来ずじまいの状態です。
ですが、今日は眠いので明日書きます。
すみません、4時間も寝られなかったので・・・。


え~、先程、小旅行から帰ってきました。
昨日のお昼に石川の先輩の家で九谷焼の皿の絵付けをやらせてもらいました。
3回目で、多少は慣れてきましたが、まだ濃淡や色ののせ方が全然あまいです。
思うような筆遣いが早く出来るようになりたいです。

夕方に富山に着いて、とりあえず研究室に立ち寄りました。
憎き教授は出張中だったのは幸運です。
後輩や先輩と近況とか報告したり聞いたりしました。

夜は学科の同期と飲み会でした。
急なことだったので、3人しか集まりませんでした。
3人とは言っても、最初2人とで、1人帰った数時間後にもう1人が合流です。
終わったのは4時でした。

まぁ、今回は自分の近況報告がメインです。
他にも、一緒に飲まなかったけど話した何人かいます。

会った人から励まされたりして、元気ややる気を貰いました。
『持つべきは友』ってのは名言ですね。
会ってくれた皆には感謝感謝です。
ありがとう。

まぁ、また生活が軌道にのったら同期に会いに行こうと思ってます。


今日の天気 
 会う人全員から激ヤセしたとのお声を頂戴しました

ちょっくら

2009年11月28日 08時13分22秒 | お出かけ

Doも。
今日は日記です。
ちょっと今から石川・富山と遊びに行ってきます。
かなりの無計画な小旅行なので、既に時間が余ってますね。
むしろ明日の予定が白紙で何しようかな?とか思ってるくらいです。
ま、適当に紅葉でも楽しもうかな?とは思ってます。


今日の天気 な感じ?
 12月から働き始めますよ

ある日曜日 ~6年越しの想い~

2009年11月27日 19時43分20秒 | 物語
気付いたら好きになっていた。
高校の時は話すらまともにしたことなかったけど、大学で同じサークルに入ってすごく仲良くなった。
それこそ周りから「付き合ってんじゃないのか?」って言われるぐらい。
実際にはそんなことはなかったし、別に彼女にしたいとは思わなかった。
とにかく一緒にいるのが楽しかった。
だから大学を卒業しても連絡を取り合ってよく遊んだ。
色んな話をした。
お互いの近況、下らない話、仕事の話、悩みや恋愛事。
色んな所へ行った。
お互いの実家のある地元やナオのいる京都、他にも大阪や滋賀。
そしたら、いつの間にかナオが心の中にいた。
でも、異性としての意識はほとんどない。
告白した今ですら「こいつと男と女の関係なんて考えられん」とか思ってる。
今までの恋愛のように情熱的な感じはしない。
燃え上がる炎じゃなくて、熾火のように柔らかく暖かな火って感じ。
相手を強く求めてはなくて、ただただ一緒に居たいだけ。
一緒に居て幸せにしたい。
気付けば合う度にそう思うようになっていた。
とは言え、俺のこんな胸の内を上手く伝える術は持ち合わせてなくて、それでかなりぶっきら棒な告白になってしまった訳で・・・。
そして、それにナオも好きだと言ってくれた訳で・・・。

「え?お前俺のことずっと好きだったの?」
「うん、そだよ~」
酔いで緊張感があまり無い。
「ずっとって、・・・それじゃあ今まで言い寄ってきた男全員振ってたのって俺がいたから!?」
「そ~だよ~。こ~んなに思い続けてたのにぜ~んぜん気付いてくんないだも~ん。いい加減待ちくたびれそうだったよ~」
真剣な話の筈なのに、酔った口調だからこっちも真面目になりにくいぞ。
「なのにさ~、シノったらいろんな女の子と付き合うんだも~ん。いつも笑ってたけど心の中じゃあすっごく怒ってたんだからね~。怒り心頭ぉ~。プンプン!」
「いや、付き合ってもすぐ別れてたし。言うほど数付き合っちゃいないぞ。あと、プンプンはさすがにイタい」
付き合ったことあるのは3人。
しかもキス前でサヨナラされてるし。
最短記録は3日。
付き合うまでに費やした時間は1年。
さすがにショックすぎて、以後恋愛をやめたね。
「あ、そう言えば3日で別れたことあったよね?悪いけどあれは笑ったなぁ~。笑い過ぎて次の日筋肉痛だったもん。アッハッハッハッハ~」
「やめてくれ。アレは苦過ぎて思い出す度に死ぬほどヘコむ」
ちょっと気持ちがブルーになってきたわ。
「ンフフフフ。・・・あの後、誰とも付き合わないって言ってたよね?そんなにショックだったの?」
「いや、何かあれだけやってすぐに別れたもんだから、恋愛頑張るのが馬鹿らしくなってさ。皆でワイワイ楽しくやるのが一番だって思ってね」
「ふ~ん。じゃあ、あれからずっと恋してないのに、今回わたしを好きになっっちゃったと?」
「まぁ、そうだけど・・・。でも、恋ってのとはちょっと違う気がする。うまく言えないんだけど・・・」
「何それ?それって本当にわたしのこと好きって言えるのぉ?」
「いや、それはちゃんと、その、す、好きなのは確かだよ」
「本当にぃ?」
う~、告白した側なのに完全にペース握られてる。
「本当だって!ただ、男と女の関係っていうんじゃなくて、何つ~か、ただただずっと一緒に居れたらいいなっていうか・・・」
「ふぅ~ん」
くっ、何だこの変な状況。
いっそ振られた方が気が楽なんじゃないか?
「ま、これ以上いじめちゃかわいそうだね。さっきも言ったとおり、わたしもシノのこと好きだよ。ずっと前から」
「そうだ。ずっと前っていつからだよ?そんな素振り見せてなかっただろ?」
「気付かなかったでしょぉ。わたし演技派だから」
もし今も演技続けてるんだったら、相当俺遊ばれてる状態だな。
「はぁ。で、いつからか教えてくんないかな?全く分からないから」
「本当に教えて欲しい?」
「あぁ、知りたい」
ふっと、今まで酔った感じのナオの顔が真剣なものになった。
「ふ~。じゃあ思い切って言うね。途中でちゃちゃ入れずにちゃんと聞いてよ」
少し背筋を伸ばしちょっと遠くを見ながらナオは話し始めた。
「最初は・・・」

始まりは6年前だった。
高校3年の夏休み。
俺らが通ってた高校は2年と3年の間にはクラス替えが無い。
だから3年の時のクラス内の団結力なんかは自然と良くなる。
それは、一学期の終わりにクラスのリーダー的存在だった坂倉(♂)が提案したことだった。
「大学受験が本格化する前にさ、夏休みを利用して海に泊りがけで遊びに行かないか?」
夏休みとは言え、受験勉強には大事な時期。
クラス全員が参加、とはいかなかった。
それでも男女合わせて20人近くが集まった。
その中に俺とナオもいた。
それが最初の話。

「高校3年の夏に海行ったことあったよね?クラスの皆とさ」
「あぁ、憶えてるよ。結構楽しかったから。言いだしっぺの坂倉が風邪ひいて不参加だったのが一番面白かったなぁ」
「うん、あれは笑えた」
2人して思い出し笑い。
そして、海への一泊旅行であったことを少し話した。
晴れてよかったとか、海がキレイだったとか、水着を見る男共の視線がちょっといやらしかったとか・・・。
「あの時さ、わたし達と何人かで海見ながら夜明かししたよね?」
「おかげで帰り自転車こいでたら眠気でフラフラして電信柱にぶつかった」
ナオは一旦言葉を止めた。
俺の顔を一度見て、また視線を遠くへ戻し、意を決したような顔つきで話を再開した。
「同じ月を見て一緒に明かした夜を忘れない。今日と同じ星空を見る度に皆のことを思い出そう。そして、どれだけ年月が流れても同じ日の下で再び会おう」
いきなり何を言い出したのか分からなかった。
小説か何かからの抜粋だろうか?
「憶えてないの?シノが言ったんだよ、今の言葉」
言われて思い出した。
その当時あまり喋らなかった俺が海旅行に参加したもんだから、夜が明けた時に今の感想を言えって皆から言われて已む無く言った言葉だ。
自分でも何で格好つけて言ったのか分からない。
とりあえず皆が引いてた。
あまりにも恥ずかしくなって叫びながら海に飛び込んだんだ。
って、今思い出しても恥ずかしい言葉だぞ。
「お、憶えてたんだ。同窓会で話に上らなかったから忘れたか各々の記憶の中で処理してたのかと思ってたよ」
「忘れないよ!」
突然ナオは大きめの声を上げたからちょっとビックリした。
「わたしは忘れないよ。皆はどうか分からないけど、あの言葉にわたし感動したもん。それからだから、シノのことが気になりだしたのは」
ナオ曰く、普段口を開くことの少ない俺があんな小説みたいなことを言うとは思ってなかったらしく、すごく印象に残ってたらしい。
「とにかく、それが最初。それから会う度にシノの事が何か気になるようになってた。気付けば目で追ってた。多分、自分でも気付かないうちにシノに惹かれてたんだと思う」
「でも、その時はまだそこまで俺のこと思ってたわけじゃないだろ?」
「鈍感」
「はぁ?」
「だから、最初はただ気になるだけだったけど、自然と好きになってたの!恋は理屈じゃないんだからね!もう!」
ちょっと怒ってるような恥ずかしそうな顔をしてナオは言った。
「本当はバレンタイのチョコだって手渡ししたかったんだよ。でも、受験で忙しかったし、あの頃シノ全然学校来なかったし」
「いや、あの時期に学校行ったってしょうがないだろ?」
「それは、・・・そうなんだけどさ。それで、結局どこの大学行ったかも分からず仕舞いでさ。あぁ、わたしの恋は卒業とともに終わったんだなって思ってたの!でも、大学に入ってサークル見に行ったらシノがそこにいたの。何か驚きとうれしさで意識飛びそうになっちゃったよ」
はにかみながらナオは言う。
「運命ってあるんだなぁって思った。学問の神様も恋の神様もわたしに味方してくれたと思ったよね。でもさ~、シノはわたしのこと全然女として見てくれなかったよね。挙句には違う子とくっつくし。告白断り続けてたわたしは自分が馬鹿らしく思えたけど、編に意地になって、シノが告白してくるまで絶対誰とも付き合ってやるもんかって決めたの」
「えと、俺が告白しなきゃどうするつもりだったの?」
「還暦過ぎて孤独死」
俺ってあなたの人生左右するような存在なの?
「でも、もういいや。こうやってシノもわたしのこと好きになって告白してくれたしさ。全部水に流す。あ~、良かった。卒業しても連絡とって無理やり遊んでたのが無駄にならなかったよ。ねぇ?」
「俺に同意を求めるなよ」
ってか、どれだけ俺に固執してるんだよ。
もう、そういうところが可愛いんだよ。
「シノの方はどうなの?いつからわたしを好きになったの?」
「あれ?さっき知ってたって言わなかったか?」
「ん?あぁ、私が好きなんだから絶対シノもわたしを好きになるって決め付けてたからああいう風に言っただけ」
かなり熱烈な思い込みですな。
「俺は卒業してこっち戻ってきた後だよ。謀らずも、お前の卒業後の執念が実を結んだって感じだ」
「へぇ~。じゃあ、どうしてわたしを好きになった?」
「知らん。気付けば好きになってた。ってか、一緒にいて一番落ち着くだからだと思う」
「それは光栄なことだわ」
お互いに顔は合わせず遠くを眺めていた。
ここで互いの言葉がなくなり、沈黙が2人を包んだ。

しばらく静寂が続いた。
初夏とはいえ、夜が深まれば肌寒くなる。
ナオは薄着だ。
俺は上着をナオにかけた。
「ん、ありがと」
俯きかげんでお礼を言われた。
また沈黙が訪れる。
たまに走り抜けていく車の音。
吹き抜ける風。
周りのカップルの愛の囁き。
そして、俺達の息遣い。
・・・俺は心を決めて言う。
「なぁ」
「うん?」
「キスでもしないか?」
ナオは少し驚きの表情を見せたが、すぐにはにかむような笑顔になって言った。
「いいけど、・・・言い方が気に食わない」
「キスをさせて頂けませんか?」
「堅苦し過ぎ」
この雰囲気で冗談はもうやめておこう。
「キス、しよっか」
「・・・それなら合格」
お互い顔を見つめ合う。
少しずつ顔が近付く。
口と口あふれそうになって一度離れる。
「何か緊張しちゃうね」
「あぁ、そうだな」
仕切りなおし。
少しずつ顔を近付ける。
今度はナオは目を瞑った。
そして唇と唇が触れ合う。
数秒の口付け。
長いような一瞬のような。
お互い恥ずかしさでまともに顔が見れない。
「さ~むくなってきたしそろそろ帰るかぁ」
わざと明るく言う。
「う、うん。そだね。結構遅いし」
ぎこちなく立ち上がって車まで歩く。
ふいにナオが言った。
「ねぇ、手握っていいかな?」
「あ?あぁ、いいよ。ほい」
俺は手を差し出す。
ナオは俺の手をギュッと握る。
柔らかくて仄かに温かい手。
「ねぇ、今度はもっとちゃんとしようよ」
「ん、何を?」
「キス」
「ちゃんとって・・・。キスにちゃんととかってあるの?」
「あるよ。だからさ、これからも2人で練習して上手くなろっ」
「何かそれってエロくないか?」
「いいじゃん、エロくってもさ。わ、わたし達、もう付き合ってるんだから」
「ま、そだね」
そう、これからまた少しずつ近付いていけばいい。
今までがそうだったように。
ゆっくりでいい。
俺達のペースで歩いていこう。
そして、ナオの隣にずっといよう、そう握った手に誓った。

そんな、ある日曜日

終わり。


今日の天気 
 これでこの物語はおしまいです
 今まで読んでくださった方ありがとうです
 Doでしたでしょうか?
 感想があればコメントにお寄せ下さい
 また何か書きたいなぁと思ったら載せていくつもりです

ある日曜日 ~ライトアップされた噴水の前で~

2009年11月25日 17時53分25秒 | 物語
伍代高原で心のリフレッシュをし、山の空気で肉体的にも活性化させているうちに日が暮れ始めた。
「夕日の沈む海が見たい」とナオにせがまれたが、ここからだと水平線に太陽が沈む前に海に辿り着くのは不可能である。
故に、「とてもじゃないが無理だ」と申請を却下した。
その後、抗議という名の言葉の暴力を浴びせられたのは言うまでも無い。
その怒りは空腹感の増大に伴い収まっていってくれた。
助かった。

夕飯は韓国料理屋にした。
牧場で牛を見たことで、ナオの脳内では『牛→焼肉→韓国料理』という思考の回路が汲み上げられたからだ。
そして、俺の目の前ではサンチュにくるまれた焼肉を頬張る女がいる。
生きている牛をさっき見たばかりだと言うのに、何故もそうバクバクと牛肉を食べれるのだろうか?
こいつはきっと頭と胃袋の回路が分断されてるのだろう。
きっとそうだ。
だから満腹中枢が限界を示していても必ずデザートが胃に納まる。
「食べないの?」
あまり意味の無いことを考えているとそう聞かれた。
「食べるけど、焼肉はいいや。昼間の牛を思い出すと食べづらい」
「そう?じゃあ遠慮なく貰うよ。牛さんもわたしに食べてもらえれば本望だよね」
こ、こいつ・・・。
焼肉はちょっとって感じではあるが、結構歩いたからお腹は空いている。
キムチやチャプチェをつまみながら石焼ビビンバをかきこみ、サムゲタンを胃へと流し込む。
ナオは石焼ビビンバの代わりにチヂミと冷麺を食べている。
あと、俺は烏龍茶を飲んでいるが、ナオは「運転はシノだから、わたし飲んでも大丈夫だよね?」とマッコリを飲んでいる。
こいつ恐ろしく酒強いから、今日もかなりの量いくんだろうなぁ。
「いや~、やっぱり韓国料理にはマッコリが一番だよね~。お昼いい運動したから進んじゃうな~」
この分だと下手すりゃこの店のマッコリ飲み尽くしそうだ。

たらふく食ってたらふく食った。
主にナオがだが。
「お腹いっぱい~。幸せいっぱい~。キャハハハハッ」
うむ、呂律はまわっているが頭はまわっていないらしい。
「どうする?夕飯も食べたし酔いも回ってるみたいだから家にもう帰るか?ってか、その様子だと素直に帰ったほうが良さそうだしさ」
「う~ん?」
頬を染めた顔を俺の方に向けて若干とろんとした目で見つめてくる。
「え~、や~だよ。まだ遊ぶ~」
「駄々こねてんじゃねぇよ。さっさと帰って寝ろって」
明日も仕事だから出来れば早く帰りたい。
「んじゃあさぁ、あそこ連れてってよ。つつじ公園だったっけ?噴水がライトアップされてる所」
「つつじ公園で合ってるよ。そこ連れてったら帰るのか?」
「うん、帰る帰る。だからぁ、お・ね・が・い」
可愛くねだるな。
「分ぁかった。連れてくから車の中では大人しくしてろよな」

ハイテンションなナオの相手をしながら車を運転してつつじ公園に着いた。
昼には肉体的な疲労を感じたが、今は精神的な疲労を感じる。
つつじ公園はその名の通りつつじが山肌一面に植えられてる公園のこと。
4月の末から5月の中頃までがつつじの咲き誇る頃で、ゴールデンウィークを中心に多くの観光客が訪れる。
7,8年ほど前に公園全体が整備されて、今では昼は親子連れが、夜にはカップルがよく訪れる場所だ。
そんな夜の公園に俺達もいる。
ライトアップされた噴水の脇にある階段で寄り添うように座っている。
ナオはうつらうつらとしていて寝そうな状態。
やっぱ無理やりにでも家に帰した方が良かったかな?
「あそこのカップルキスしてるねぇ」
不意にナオが呟いた。
「わたし達もしちゃおっか?」
悪戯な笑顔で聞いてくる。
「やめろよ、酔っ払い」
「シノのケチ~。キスの1つや2つさせてくれてもいいじゃ~ん」
ブーブー言ってるナオを無視して車道の車を眺めた。
夜もすっかり更けているせいか走っている車の数は少ない。
ぼ~っとしながら俺は少しだけ考えて決めた。
はぁ。
遅かれ早かれ言うつもりなんだ。
今がそのタイミングなんじゃないの?
自問自答してナオに言った。
「あのさぁ」
「ん~?な~に~?」
酔いは全く醒めてないっぽい。
「酔っ払ってるから真剣に聞かなくてもいいんだけど、えと、大事なお話があります」
「ほぇ?大事な話?今しなきゃいけない感じ?」
「う~、まぁ、今しておきたい話。ってか、今を逃したら一生言えなさそうだから言っとく」
「んじゃま、どうぞ。お聞きいたしましょう」
ナオは酔っていながらもこっちをちゃんと向いた。
俺は目を見つめながら言った。
「回りくどい言い方は面倒だからストレートに言うわ。何つ~かさ、お前のこと好きなんだわ。・・・だからさ、良かったら俺と付き合ってくんないかな?」
我ながら不細工な言葉だったが、自分の想いを言い切った。
気負わずに自然と素直な気持ちを伝えた。
ナオはすぐには反応しなかった。
少し驚いた顔をした後、顔を伏せた。
しばらく俯いていたが、すっと顔を上げて俺の顔を見ながらこう言った。
朗らかな笑顔で。
「知ってるよ。だって、わたしもずっと好きだったから」

・・・・・・続く。


今日の天気 
 こんなことを書いているオイラを想像しないで下さい

ある日曜日 ~高原デート~

2009年11月24日 16時19分14秒 | 物語
「伍代高原に行きたい」
そんなナオの一言で伍代高原の牧場で牛に餌をやっている。
牛って体もデカいが顔もデカいんだよな。
でも脳みそは俺の握りこぶし程度しかないし。
アンバランスだ。
「牛の舌が伸びるのって何かエロいよね?」
「同意を求められても困るような質問はしないでくれ」
「シノは相変わらずつまんない奴だね~」
くっ、お前に合わせるのはかなりのエネルギーが必要なんだよ。
一々付き合ってられんわ。
「いいけど、牛舎ってやっぱ臭いはキツイな」
「ま~、そだね~」
俺に反応求めるくせに自分は生返事かよ。
「次、馬を見に行こうよ」
「あぁ、いいよ」
並んで少し離れた馬小屋へと移動する。
「馬も大きいな~。顔の大きさは牛と変わらないよね?」
「まぁ、そうだな。全体のフォルムが違うから馬の方がシャープに見えるけどな」

伍代高原は牧草が生い茂っており、そこを牛は放牧されている。
その牧草地の間を車一台ほどの舗装された道が通っていて、そこを散策したりサイクリングしたり出来る。
途中にはトイレや水飲み場、休憩所が設置されている。
その一つで俺達は休んでいた。
「久し振りにこんなに歩いたよ」
「俺もだ。歩くってのは大事なんだな」
「あ~、明日筋肉痛かも~。折角こっちの友達と会うっていうのにぃ~」
「年だから筋肉痛は明後日とかにくれば大丈夫かもよ?」
ドカッ!
殴られた。
グーで、後頭部を。
「でもさ、山の方は涼しいよね~。風が気持ちいい」
短くなったナオの髪を風が撫でる。
ふむ、ショートのナオなんていつ振りだ?
確か、大学2年の夏に一度だけしてた気がするな。
「何?ジッと見つめちゃって。惚れ直しちゃった?」
「ねぇよ」
「お安くしとくよ」
「自分を安売りするな!」
「何と、今なら土地付き一戸建てまで付いてくる!」
「うわっ!何かすげぇお得感!」
「ただし両親も付いてくる!」
「それってただの婿入り婚だ!ってか、かなり遠回りなプロポーズじゃないですか、ナオさん!?」
「ふっふっふぅ~。気付いた時には既に遅いのだ。この書類に判子を押したが最後。実はこの書類は婚姻届だったのさっ!」
「ぐわぁっ!よく分かんないぞ、この詐欺師ぃ~!」
吹き抜ける風と少しの沈黙。
「こういうノリは好きだけど、2人だけだと寂しいね」
「あぁ、こういうのは皆の前だからおもしろいんだよなぁ」
2人して少し後悔していた。

さっきの休憩所から移動して、高原と街が見渡せる展望テラスのような造りの休憩所に来た。
半円状のテラスにある手すりに体重を預けるようにして眼下に広がる景色を眺めている。
空の青と高原の緑が互いの美しさを引き立てているかのようだ。
「初夏だねぇ。草も木も、淡い緑で溢れてる」
子供のように目を輝かせながらナオは言った。
「ここからだと街が霞んで見えるから、別世界にいるようだね」
無邪気な笑顔でこちらを振り向く。
うん、あなたの可愛さはよ~く分かってるからさ、こっちを振り向かなくてもいいのよ。
「毎日でも眺めていたい景色かな」
「その気持ちは分かるわ。何時間でも見てられそう」
「小っちゃくお城見えるね」
「あぁ、街の中の山城な。子供の頃行ったわ。って言っても子供過ぎて憶えてないんだけどな」
「わたし行ったこと無いなぁ。じゃあさ、今度来た時連れてってよ」
「ん、いいよ。だったら御清水もその時に行こうか。名水100選に選ばれてる湧き水」
「いいねぇ~。次回の帰省も楽しみですぞ」
「変な言葉使いすんなや」
「それは悪ぅござんした」
牧場まで戻ってきて、牧場横の売店で牛乳ソフトを2人で食べた。
ミルク感が濃厚で美味しかった。
京都へのお土産にとナオは瓶詰め牛乳を2リットル分買っていた。
それを持たされるのは勿論俺。
その後、ポニーに乗らせてもらったりバター作りを体験したりした。
バターを作るのは初めてだったが、試食でパンに塗って食べたら美味しかった。
ナオも満足していたみたいで、笑顔で持ち帰りようの容器にバターを入れていた。

・・・・・・続く。


今日の天気 
 予定では4話(つまりは今回)で完結するつもりだったんですが、どうやら増やさなきゃいけないみたいです

眠気が・・・

2009年11月21日 13時51分31秒 | 

今日は朝から風邪か体調が悪ぅございます。
頭がぼ~っとして眠いです。
喉にも違和感があります。
故に、今日はお話の続きは掲載出来ません。
楽しみにして頂いてる方々には申し訳もない次第です。
さっさと治して続きを書きたいと思います。


今日の天気 時々一時
 のど飴買うのを忘れてたぁ~

ある日曜日 ~蕎麦屋での昼餉~

2009年11月20日 23時35分42秒 | 物語
ナオの実家に寄って荷物を降ろす。
ナオのお母さんが玄関の外で出迎えた。
いつもと同じく「変わらずお美しいですね」とかお世辞を言うと、「心にも無いことを言わないで頂戴ね」と返される。
同じパターンだ。
ナオの母親とはアッシーとしてナオにこき使われてから親しくなった。
まぁ、ナオの帰省の際に必ず顔合わすんだから嫌でも仲良くなっていくってもんだ。
最初の頃は「付き合ってるの?」って言われてたけど、近頃じゃあ「なんで付き合わないの?」って言われる。
実際、友達以上恋人未満の関係がずっと続いている。
きっかけもないし何となく恋人関係には発展せずにいる。
お互いに異性として意識していない感じだから仕方ないのよ、お母様。
「お腹空いたから御飯食べに行こうよ。久し振りに清明寺近くのお蕎麦屋さんに行きたいな」
「あぁ、『きやん』ね。ってかさ、親父さんに挨拶しなくていいのかよ?」
「いいの、いいの。どうせ『早く結婚しないのか?』とかしか言わないんだから」
「ふ~ん。ま、お前がいいんなら構わないけどさ」

清明寺は全国的にも有名なお寺。
鎌倉時代に興った宗派の大本山。
一時期廃れかけたけど、現在では県内でも有数の観光名所になっている。
そこのお坊さんは寺院内を観光案内出来るし、噂じゃあ駅前の歓楽街でお酒飲みに繰り出すらしい。
仏門に入ってる割には俗世に染まってるんじゃないのか?
そのお寺の近くに蕎麦屋が何軒かある。
お寺の近くと言っても清明寺は山の中なので、お店があるのは麓の方。
地元の蕎麦は有名で、蕎麦打ち出来る場所も県内でいくつもある。
清明寺周辺の蕎麦屋でも一押しなのが『きやん』。
蕎麦自体、香り・歯ごたえ・喉ごしと三拍子揃っているが、それよりも出汁つゆが特徴的で美味しい。
何故かと言うと、出汁つゆに摩り下ろされた柚子皮がちょっとだけ入っていて、柚子の香りが食欲を誘うからだ。
最初に食べた時は箸が止まらず一気に食べてしまった。
このお店、基本的にお昼時しかやっておらず、夜は宴会などの団体予約のみ受け付けている。
それでも、平日の昼時でさえ(清明寺の観光客もいるからか)行列が出来ている。
そんな訳で、日曜のお昼時にそんなお店にノコノコとやってきたため、行列に並んでいる最中である。

「相変わらずの混みっぷりだな。結構待たなきゃいけないねぇ」
多分30分待ちかな?
いや、それ以上かかるかもなぁ。
「美味しいんだから仕方ないよ。私は美味しいもののためならどんな困難にも立ち向かってみせるわ」
「その心意気は他の事に向けろよ」
女の子の食べ物への執念ってのはある意味感心する。
実際は寒心か?
って、言葉遊びはどうでもいいって。
「あなたの本日のご予定だと飯食ったらどこにお連れすれば宜しいでございましょうかね?」
「ご丁寧な言葉使いはありがたいのだけれど、似合ってないから今後一切止めて頂けないでしょうかね?」
ぐ、このやろう。
「で、どこか行きたい所とかやりたいこととかあるわけ?」
「う~ん、候補はあるけどまだ迷い中~」
「何だよ?決めてないのかよ」
「ってか、実はNO PLANだったりする」
「またかよ。人を連れ回すなら何かちゃんと考えとけよ!」
「あれ?シノ、そんな怒りっぽかったっけ?そんなんじゃ女の子にモテないよ~」
「はぁ~、もういいわ」
毎回計画立ててくるくせに教えないんだよなぁ。
近場ならいいけど、遠出ならガソリンのこととかあるから早めに言ってくれればいいのにな。
後は適当に流行りの音楽とか季節の話題だとかの雑談をして席が空くのを待っていた。

「いただきま~す」
「いただきます」
俺はただの盛り蕎麦を2枚、ナオはおろし蕎麦を注文した。
地元のおろし蕎麦は辛味の効いた大根おろしが蕎麦に盛大にのっかっている。
子供の頃は好きじゃなかったけど、大人になるにつれ美味しさが分かってきた。
ちなみに、盛り蕎麦を2枚頼んだのは十割と二八の両方を味わうため。
この店は基本的に十割か二八蕎麦だが、注文時に言えば他の割合でのお蕎麦も堪能出来る。
「仕事の方は順調?」
2人して蕎麦を啜っているとナオが聞いてきた。
「う~ん、慣れてはきたけど逆に自分の未熟さも思い知らされてるって感じかな」
俺は今、陶芸の道を歩んでいる。
一旦は金融関係の会社に勤めたけど、合わなくて半年で退職。
その後、小さい時から物作りに興味があって、知り合いのつてを頼って地元の陶芸村で修行を始めた。
それから一年半が経っている。
まだまだ半人前以下だ。
「そっちはどうなのよ?」
「順調、とは言い難いかな?不況の影響でお得意様も買い控えの傾向にあるよ。でも、売り上げが極端に落ちてるわけではないからお店自体は大丈夫」
ナオは京都の伯母が経営している老舗呉服屋で店員として働いている。
元々、伯母の影響で子供の頃から着物に興味を示していたらしい。
その店で働くことは高校の時には決めていたらしいが、一応大学を出てから勤めることになった。
大学在学中はずっとそこでバイトしていた。
着付けは勿論、髪結いも出来るようになったらしい。
「ただ、一般のお客様にどうやって身近な物として買ってもらえるかが課題だね。伯母さんや他の従業員の皆と考え中」
「それは難しい問題だなぁ。着物って高いってイメージが定着してるからなぁ。俺が作ってる皿とかコップとかは材料次第でいくらでも安く出来るしなぁ」
蕎麦を食べながらお互いの近況(主に仕事)について話し合った。
いい事・嫌な事両方あるが、暮らし振りには大した変化はないらしい。
お店は変わらず混んでいたので、蕎麦を食べきった後はあまりゆっくりせずにお店を後にした。

・・・・・・続く。


今日の天気 
 危うく書いている途中で今日の更新を断念しかけました

ある日曜日 ~待ち合わせ~

2009年11月19日 13時48分55秒 | 物語
俺の今日一日の予定を崩した相手、つまりは待ち合わせの人物は宮島那緒という女友達。
高校、大学と一緒だったやつ。
と言っても、仲良くなったのは大学で偶然一緒のサークルに入ってからだ。
高校は2,3年とクラスは一緒だったが、あまり話したことはない。
高校の時は俺自身があまり他人と仲良くするのが苦手で、特に女の子とはほとんど喋らなかった。
逆に、大学ではそんな自分が嫌で明るく饒舌なお調子者へと変貌した。
調子こいて失敗したことはいくつかあり、今でも反省してる。
ま、そんな訳でサークルの同期というものは往々にして仲良くなっていくものだ。
多少の口論や仲違いはご愛嬌。
ナオとは共通話題が多かったから、1年の最初から仲は良かった。

性格は明るく、八方美人なタイプ。
高校の時から、人の輪の中心にいるのが自然な女。
人当たりが良くて優しく誰とでもわけ隔てなく接するから、同期は元より、先輩からも後輩からも、男女の垣根なく人気があった。
顔は特別可愛いとか綺麗とかではないし、スタイルも目を引くような感じではないが、性格の良さと人付き合いの器用さが人気の原因だろう。
だから、サークル・学部・バイト先の男性陣からは結構モテてたらしい。
何人か告白したやつらを知っているが、「好きな人がいるのでお付き合いできません」と全員が言われたらしく、隠れたあだ名が『兵どもが夢の跡』らしい。
実際に好きな人がいたかどうかは誰も知らない。
同期の女性陣にすらはぐらかして明かさなかったみたいだから、『誰のことも好きじゃない』or『真剣に好きな人がいる』のどちらかだろう。

学生時代のことを思い出しながら車を走らせ、20分ほどで駅に到着。
時間は11時ちょい前。
「改札に辿り着く頃にはちょうど11時かな?」とか思いながらゆっくりと歩く。
駅東の駐車場から数年前に新しくなった駅ビルへと入る。
駅舎自体の改築は高校の時からずっとやっていた。
地中に歴史的価値のあるものが埋まってないかだとかを調べるために改築に年数がかかっていたらしい。
今は線路が高架上にあり、そのおかげで車の通りが良くなったとか。
でも、駅周辺の再開発がうまくいってなくて人通りは昔よりも減っている気がする。
駅西の無駄なスペースを活用すれば良いのに。
県庁所在地とは言え、所詮は地方都市か。
アーケードは廃れゆく文化なのかねぇ?

改札前に着いた。
時間は11時ちょうど。
我ながら素晴らしい時間間隔。
無駄の無い運びに満足していると、後ろから膝カックンをされた。
今時膝カックンなんてやる奴は知っている限りナオしかいない。
振り向くと悪戯っぽく笑いながら俺の顔を見つめるナオがいた。
「そんじゃあシノ、これを持って私をエスコートしなさい」
シノってのは俺の苗字が篠崎だから付いたあだ名。
子供の頃から呼ばれることが多いから、友達から呼ばれるのはいつでも全く抵抗は無い。
荷物を持ちながらナオの髪を見た。
先月とは違いショートカットにしていた。
畜生、こいつどんな髪型でも似合いやがる。
「あぁ、これ?ちょっと切り過ぎちった」
とか言いながら前髪を弄る。
「暑くなってきたから良いんじゃないか?結構似合ってるし」
「マジで?冬の間ひたすら伸ばしてたから思い切って切ったんだよ」
ちょっとはにかみながら言う。
「でも、こっちはまだ涼しいよ。向こうは既に夏が来たって感じ。」
「京都は盆地だから仕方ないって。夏暑く冬寒い。俺も経験してるんだから気持ちはよく分かるよ」
大学は2人とも京都。
ナオはそのまま老舗呉服屋へと就職を決め、俺は地元で就職。
「んで、今日はどのようなご予定をおたてでございますか?」
「とりあえず~はお昼御飯だね」
「ありゃ、家は寄らねぇでいいの?」
「あ、そだね。まずは実家寄って荷物置いてから昼御飯行こう。と言うわけで運転手君出してくれ給えよ」
「はいはい、了解ですよ」
いつものやり取りをして駅を離れた。

・・・・・・続く。


今日の天気 
 フィクションですが、舞台は地元をモデルにしてます

ある日曜日 ~本日の予定~

2009年11月18日 23時36分31秒 | 物語
目が覚めて時計を見る。
時刻は8時半。
「待ち合わせは11時のはずだから、二度寝するには微妙だな」
わずかに残る眠気を払いながら、今日の予定を思い出す。
「今日はあいつに何時まで振り回されるのかなぁ?」
ちょっとだけ憂鬱な気分になりながら体を起こす。
窓から差し込む光が晴れを告げている。
布団から抜け出し、カーテンを開いてみれば青空が広がっている。
「とりあえず洗濯物を片付けておくかな。この天気なら、すぐ乾くだろ」
夏場じゃないから朝シャンは無し。
洗濯機を回して軽く朝食を摂る。
「いつも通りなら昼は飯物か蕎麦だから、朝はトーストでいいだろう」
冷蔵庫を覗きながら朝飯を決める。
「トーストでいい」とか言いながら食パンぐらいしか入っていないんだけど・・・。
買い物も行きたいのになぁ。

しばらく忙しかったから今日の休みは一日のんびりと家の用事を済ませるはずだったのに、3日前に届いたメールによって慎ましやかな俺の予定は一瞬で吹っ飛んだ。
『確か今度の日曜は休みだよね?だったらさ、私その日と次の日とで連休だから帰省のついでに遊んであげるよ。待ち合わせ場所はいつもの様に駅の改札口前。時間は11時ね。遅れないよ~に注意すること!』
相変わらず俺には拒否権なんてないらしい。
諦めるしかないのは分かってるんだが、どうにも遣りきれんわ。
人権保護団体にでも訴えてみるか?
ま、いいや。
仕事の関係上、不定休な俺。
日曜が休日なのは月に1度か、ごく稀に2度。
「やっぱ先々週に今日が休みだって伝えたのが致命的だったな」

洗濯機のアラーム音が『早く干せ』と鳴り響く。
3日溜め込んだ洗濯物をベランダに干していく。
「出掛ける前には一応取り込んでおくか。帰りが何時になるか分からんから」
今日開放されるのは何時だろう?
前回会った先月は夕方で、前々回は夕食の後。
今回は実家に泊まるっぽいから・・・、下手すりゃ夜中か?
いや、オールでカラオケも有り得るな。
こっちは明日も仕事だから、朝帰りだけは勘弁してもらおう。
土下座する覚悟でもしておくかな?

部屋の掃除をして時間を潰す。
時間が近付いたから、適当に身支度を整える。
洗濯物は取り込んで窓際に干しておく。
戸締りを確認して部屋を出る。
玄関の鍵を閉めて駐車場にある車に乗り込む。
外は気持ちのいい五月晴れ。
天気予報は夜まで晴れだから、雨の心配はしなくていい。
『いつもの今日を少しでも素晴らしく』の合言葉を心で呟きながら車のエンジンをかける。
「では、お姫様でも迎えに行きますかねぇ」
そう呟いてアクセルペダルをゆっくりと踏み込んだ。

・・・・・・続く。


今日の天気 時々
 体験談ではなくフィクションですので、何も突っ込まずに各々で処理して下さい