群馬大学 慢性看護学研究室ブログ

患者様や未病の方が、自分らしく生活できるよう研究・探求しています。糖尿病と慢性腎臓病透析予防外来も開設しています。

ゼミ文献:英国における慢性腎臓病のステージに応じた患者の活性化とその症状負担およびQOLとの関連性

2023-05-25 21:26:38 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをzoomで行っています。本日,水曜日ですがゼミを行い,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Magadi, W., Lightfoot, C. J., Memory, K. E., Santhakumaran, S., van der Veer, S. N., Thomas, N., Gair, R., & Smith, A. C. (2022). Patient activation and its association with symptom burden and quality of life across the spectrum of chronic kidney disease stages in England. BMC Nephrology, 23(1), 45. https://doi.org/10.1186/s12882-022-02679-w

  • タイトル

Patient activation and its association with symptom burden and quality of life across the spectrum of chronic kidney disease stages in England

英国における慢性腎臓病のステージに応じた患者の活性化とその症状負担およびQOLとの関連性

  • JIF(2021):585

<概要>

背景:自分の健康を管理するための知識、スキル、自信は、患者の活性化(patient activation)と呼ばれ、Patient Activation Measure(PAM)を用いて評価することができる。この指標は、慢性腎臓病(CKD)での使用が推奨されつつあるが、このような集団における患者の活性化をよりよく理解する必要がある。本研究では、CKD患者にとって重要な患者活性化とアウトカムとの関係を理解するために、患者報告アウトカムである症状負担および健康関連QOL(HRQoL)とPAMの関連性を検討することを目的とした。

方法:イングランドの14の腎臓病棟の非透析患者、透析患者、腎移植患者が患者の活性化、症状負担、HRQoLを評価する質問票を含む調査に参加した。潜在クラス分析(LCA)を用いて、データ中のHRQoLと症状負担のサブグループを決定した。多項ロジスティック回帰分析を行い、年齢、性別、民族性、貧困、治療方法を調整した上で、患者の活性化、症状負担とHRQoLクラスとの関連性を個別に検討した。

結果:3,013人(平均年齢61.5歳、男性61.8%、血液透析47%)が解析に含まれた。患者の活性化は、HRQoLおよび症状負担のクラスと強く関連し、高度に活性化された患者は、より高いHRQoL(P=<0.0001; OR 29.2, 95% CI 19.5-43.9) とより少ない症状(P=<0.0001; OR 25.9, 95% CI 16.8-40.2) を報告しやすいことが示された。

結論:活性化レベルの低下は、CKDの病期や治療方法の軌跡に渡り、より高い症状負担とHRQoLの低下と関連している。従って、活性化を改善することに焦点を当てた的を絞った総合的なセルフマネジメント支援は、腎臓病患者にとって重要な健康体験のスペクトルを改善する可能性があると考えられる。 (担当:榊)

 

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自由にご使用ください!透析患者様に記載していただく「毎日の記録」

2023-05-17 03:13:23 | 東日本腎不全研究会(旧 群馬県腎不全看護セミナー)

透析患者様に記録していただく「毎日の記録」


 透析患者さんの毎日のご自宅での様子や、透析前の状態を少しでも簡便に知るうえで、
患者さん自らが記載してきていただく手帳を,東日本腎不全研究会Aチームで作成しました。

 最近では、なかなか良い記録手帳がない中で、必要と思われる項目をアンケート調査による研究を行い,その結果を反映した観察項目と、使いやすく簡便さを取り入れた1週間記録となっています。是非ダウンロードし使用してみてください。

 今後,さらにより良いものにするためにも、皆さんからのご意見もお待ちしております!!

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コロナ禍が明けた今、病院での対応はどう変わったか

2023-05-16 23:09:19 | 東日本腎不全研究会(旧 群馬県腎不全看護セミナー)

東日本腎不全研究会  情報交換コーナー


コロナ禍が明けた今、病院での対応はどう変わったか
東日本腎不全研究会 情報交換コーナー 2023年4月20日 担当:日高病院 麓真一

<質問内容>
コロナ禍により2020年より患者さんを集めての腎臓病教室や勉強会を自粛していました
。2023年5月8日の制限緩和を受けて、どのように変化していったか教えていただきたい。
当院では、腎臓病教室をYouTubeで配信する等行ってきたが、そろそろ患者さんとその家
族に向けた勉強会等の取り組みを行っていきたいと考えている。


<東日本腎不全研究会メンバーからの回答>
・糖尿病教室はすでに実施しており、患者会の集まりも行っている。
・腎臓病教室も患者10人位に絞り実施している。
・勉強会は今後、実施場所を分けて開催していく方向。
・対面+オンラインのハイブリッド開催を考えている。

各々の施設での取り組みや、現在の状況を聞くことができたので、今後に生かしていきた
いと思います。ありがとうございました。

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ゼミ文献:COVID-19入院中に患者および主介護者が経験した自律と孤立

2023-05-02 16:01:24 | 研究室

<岡研究室 ゼミ紹介>
 毎週火曜日,19:40-21:10,大学院博士前期・後期課程のゼミをzoomで行っています。先日,こちらの文献紹介がありました。ゼミはお試し参加でもokです。希望者は,お気軽にご連絡ください!!

<文献>

Mestres-Soler, O., Leyva-Moral, J. M., Aguayo-González, M., Zuriguel-Pérez, E., Rosales,
M., & Gómez-Ibáñez, R. (2022). Autonomy and isolation experienced by patients
and primary caregivers during COVID-19 hospitalization in Barcelona (Spain).
Nursing & Health Sciences, 24(4), 853-861. https://doi.org/10.1111/nhs.12986

バルセロナ(スペイン)のCOVID-19入院中に患者および主介護者が経験した自律と孤立

<抄録>
本研究は、質的探索的記述法を用いてCOVID-19パンデミック時の患者および家族介護者
の入院体験を記述することを目的とする。COVID-19によりバルセロナ(スペイン)の最
大規模の病院に入院した患者13名と、退院後の主介護者8名に電話インタビューを行った
。データは、Krippendorffが提唱した内容分析法を用いて分析された。2つの主要なテーマ
が確認された: (i)患者および家族介護者における強制隔離の受け入れ。これは、強制隔離
を正当化する感情の言語化であり、全員の安全のために医療チームが個人防護具を使用す
る必要性を意味する。(ii)患者および家族介護者の入院中の限られた自律性。これは、入院
中の自律性に対する参加者の認識を表す。患者や介護者は、孤独感を経験し、それが精神
的な健康に悪影響を及ぼした。更に、公衆衛生と世界衛生のためにパンデミックをコント
ロールするための新しい習慣やルーチンのために、自律性の低下を経験した。

(担当:榊)

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Fright Nurse来日!

2023-05-01 13:26:56 | 研究室

オーストラリアから,Fright NurseのLuke Yokotaさんがご夫婦で来日!4年前くらいにお会いした時は,独身でしたが,Arielさんという素敵な方と結婚していました。

本学で講演もしていただきました。

赤城山観光もご夫婦で楽しんだようです。Luke君は,「看護は素晴らしい!」といつも元気が出るメッセージを発信してくれます。学生さんもいい刺激を受けているようです。

 

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